会長の”三行日記”
2013.05.10
ヤクルトのライアン No.2390
大リ-グにノ-ラン・ライアンという、通算5714奪三振の文句なしの記録を誇る大投手がいました。今でもその記録は2位の投手を800個以上離していて、破られてはいません。このライアンという投手は、足を高々と上げるフォ-ムでも知られているところです。
現在はダルビッシュ投手のいる、レンジャーズの最高経営責任者(CEO)と球団社長を兼務している、このライアンさんの著書を読んでから身につけた投手が日本プロ野球にいます。そうです、和製ライアンやライアン小川とも呼ばれている、ヤクルトスワロ-ズの小川泰弘投手です。
愛知県の成章高3年のとき、21世紀枠で春の選抜出場経験をもち、創価大学に進んだ後も主戦投手としてノ-ヒットノ-ラン達成や、リ-グMVPを5回も受賞している、あまり知られてはいませんでしたが、隠れていた逸材とも言えるでしょう。
そして今季からドラフト2位でヤクルトに入団した新人なのですが、初登板初勝利を含む、早3勝も挙げる活躍を見せています。ライアンばりに足を高々と上げる独特のフォ-ムは、球の出どころが見えにくいということもあるのでしょう。
それに攻めのピッチングで、内角をうまく突きながら変化球でかわすのが功を奏していると言われています。それからピンチになっても顔色一つ変えないというから、ハ-トもなかなかのものではないでしょうか。
とにかく楽しみな投手がヤクルトには入ってきたものです。でも課題もないわけでなく、先日の阪神戦では足を高く上げるフォ-ムの弱点を突かれてしまいました。足を高く上げる分、クイックで投げにくいわけですから、まんまと盗塁でかき回されてしまったのです。
そして今季初黒星となる、初回に6点もの大量点を奪われてしまいました。しかしながら所詮はまだプロに入りたての新人です。こうした課題を一つずつ克服していけば楽しみな選手になるのではないでしょうか。
それにしても身長はせいぜい171㎝どまり、プロの中では決して大きい方ではありません。それだけに足を高々と上げる豪快なフォ-ムは、この体格をカバ-することにも繋がっているわけです。また足を高く上げるということは、それだけ足腰や股関節にも大きな負担をかけることにもなるものです。
聞くと、この小川投手、足を上げるだけで毎日2000回、3時間のトレ-ニングを積んでいたと言います。そうした努力が安定したピッチングに結びついてきたのでしょう。目指すはノ-ラン・ライアン投手ですが、日本ではかつてマサカリ投法で名を馳せた村田投手がいます。
やはり足を高々と上げたフォ-ムで215勝も挙げた大投手です。この村田さんが「股関節の柔軟性を高めるトレ-ニングを怠らなければ15勝はいける」と言っています。是非、ヤクルトの救世主になってもらいたいものです。
2013.05.09
追い詰められる北朝鮮 No.2389
中国の4大国有銀行の1つである中国銀行が、北朝鮮国営の朝鮮貿易銀行に対し取引停止とも言える口座の閉鎖を通告しました。これは再三の忠告を聞き入れず、ミサイル発射や核実験などを繰り返す北朝鮮に対して行われた、国連での制裁決議に同調した動きとも言えるわけです。
当初、国連でのこの制裁決議には賛成したものの、北朝鮮に大きな影響力を持つ中国がどこまで制裁を徹底するのか、周囲からは疑問視されていたものです。それだけにアメリカの制裁に同調したとも言える、この圧力は少なからず影響を与えるのではないでしょうか。
一部評論家の間では、たった1つの銀行が口座を閉鎖したところで香港など他にいくらでもルートがあり、その影響はそんなに大きくないとも言われていますが、唯一、今まで庇ってきた中国までが北朝鮮への措置を断行したことで、北朝鮮当局のショックは大きいものではないでしょうか。
朝鮮貿易銀行は北朝鮮最大の外貨取引銀行と言われ、同銀行が核開発に資金提供していた疑いで、先にアメリカ国内の銀行に同行との取引を禁じていたものですが、これに同調した今回の措置は中国政府の強い意向が踏まえているものと見られています。
中国政府も自国の勧告には耳を貸さず、ミサイル発射などで緊張をあおり続けた末、アメリカとの対話を要求し続けた異常な対米接近に中国なりの危機感を持ったのでしょう。それと不透明な資金の温床になっているのではないかと疑われていた中国銀行も、国際的な信用を重視した結論のようにも思えます。
また一方では先日も触れた、事実上での在日大使館とも言える朝鮮総連本部の落札をした、鹿児島の最福寺が購入資金に行き詰まり、断念せざるを得なくなったというニュ-スも伝えられました。45億円の購入資金が調達できなくなったからです。
最福寺はこの総連中央本部と江ノ島にある同寺別院を担保に、複数の金融機関に50億円の融資を申し込んだのですが、大半が断わられ、一部応じた先にも金利が年10%以上と高かったために交渉が成立できなくなったのです。
これで関係のあったこのお寺が手を引くとなると、再入札した結果如何では総連は中央本部を全く利用できなくなる可能性が高くなったのです。金融機関には日本政府からの制裁中の北朝鮮を追い詰めたいという、圧力がかかったのではないかとも言われています。
まさに内憂外患とも言える事態に北朝鮮は追い詰められようとしています。でも自業自得とも言えるもので、国民を貧しさに追い込みながら不要な核開発に多額の金を掛けるなどという、馬鹿げた為政者がどこにいるものでしょうか。会社でも無能な跡継ぎでは3代も持たないと言われていますが、北朝鮮国家もまさに同様で、哀れな行く末が見えてきました。
2013.05.08
誰かが必ず見ている No.2388
高代延博さんってご存知でしょうか。今年あった第3回WBCでも内野守備走塁コ-チを務められた方です。現役時代、派手な選手ではなかったので、あまり知られていないかもしれませんが、かつて法政大学からノンプロの東芝を経て、日本ハムに入団したときはドラフト1位の選手でもあった人です。
その人の「誰かが必ず見ている」という記事を読みましたので、ちょっと紹介させていただきます。元々プロで野球をやることなど考えていなかったみたいで、父親からも「プロ野球は絶対目指すな」と言われて育っていました。
奈良県の割り箸製造業を営む家に、長男として生まれ育ちました。小学4年から始めた野球はやはりセンスがあってうまかったのでしょう。中学に入っても2年からレギュラ-となり、卒業時には野球の名門である、愛知の中京、京都の平安、兵庫の報徳学園などから誘いの話があったくらいです。
でも父親も厳しく、家業を継ぐのは当然だと思っていたので、地元・奈良の公立高である郡山高校に進む予定でした。しかし担任や野球部コ-チなどの薦めで、開校して間もない智弁学園が盛んに誘ってくれているからということで、授業料の要らない扱いで入学したのです。
そして高校でも野球漬けの毎日だったのですが、甲子園には届かず、野球はここまでと決めていたのですが、やり残した気持ちが拭えませんでした。それゆえ父親に頼み込み、法政大学の夜間部に入学し、再び野球をやり始めたのです。
でも当時でもプロで野球をやることなどは全く考えていなかったみたいで、自分にとって好きな野球と仕事は別のものと思っていました。法政大学時代はあの江川さんの2級上になるのですが、公称170㎝と言われている身長も、たぶんそんなになかったのではないかと思われるくらいのものでした。
従って監督から「おい、チビ」と呼ばれるくらいで、ベンチ入りもしていない選手だったのです。しかしながら、毎晩300~500本の素振りは欠かすことがないことから、先輩や後輩に「よくそこまでバットを振るなあ、試合も出られないのに」と冷やかされもしていました。
そんなある時、行けという突然の声が掛かり、慌ててユニフォ-ムに着替えて打席に立たせてもらいました。その結果が見事なヒットを放ち、以後のオ-プン戦では11打数8安打と頭角を現わしたのです。
高代さんは「自分一人でコツコツやっていることでも、誰かが見ているものです。後年、コ-チになってよく分かりますが、そういう努力は伝わってきます。そして報いてやりたくなる。良い循環が始まるんです」と話しています。
後のコ-チ時代、高代さんは世界一の三塁ベ-スコ-チとも呼ばれるくらい、打球の優れた判断から本塁に向かう走者に対しての指示が抜群だと言われています。またノックの名人とも言われ、試合での打球のように生きた球を打ち分ける技術にも優れていました。
これもコ-チになって1日3000球も打って練習していたからと言います。やはり人知れない努力の積み重ねがもたらすものではないでしょうか。天才は努力によりつくられるとも言われています。人の見ていないところでの積み重ねが大事ですね。