会長の”三行日記”

2013.05.09

追い詰められる北朝鮮 No.2389

 中国の4大国有銀行の1つである中国銀行が、北朝鮮国営の朝鮮貿易銀行に対し取引停止とも言える口座の閉鎖を通告しました。これは再三の忠告を聞き入れず、ミサイル発射や核実験などを繰り返す北朝鮮に対して行われた、国連での制裁決議に同調した動きとも言えるわけです。

当初、国連でのこの制裁決議には賛成したものの、北朝鮮に大きな影響力を持つ中国がどこまで制裁を徹底するのか、周囲からは疑問視されていたものです。それだけにアメリカの制裁に同調したとも言える、この圧力は少なからず影響を与えるのではないでしょうか。

一部評論家の間では、たった1つの銀行が口座を閉鎖したところで香港など他にいくらでもルートがあり、その影響はそんなに大きくないとも言われていますが、唯一、今まで庇ってきた中国までが北朝鮮への措置を断行したことで、北朝鮮当局のショックは大きいものではないでしょうか。

朝鮮貿易銀行は北朝鮮最大の外貨取引銀行と言われ、同銀行が核開発に資金提供していた疑いで、先にアメリカ国内の銀行に同行との取引を禁じていたものですが、これに同調した今回の措置は中国政府の強い意向が踏まえているものと見られています。

中国政府も自国の勧告には耳を貸さず、ミサイル発射などで緊張をあおり続けた末、アメリカとの対話を要求し続けた異常な対米接近に中国なりの危機感を持ったのでしょう。それと不透明な資金の温床になっているのではないかと疑われていた中国銀行も、国際的な信用を重視した結論のようにも思えます。

また一方では先日も触れた、事実上での在日大使館とも言える朝鮮総連本部の落札をした、鹿児島の最福寺が購入資金に行き詰まり、断念せざるを得なくなったというニュ-スも伝えられました。45億円の購入資金が調達できなくなったからです。

最福寺はこの総連中央本部と江ノ島にある同寺別院を担保に、複数の金融機関に50億円の融資を申し込んだのですが、大半が断わられ、一部応じた先にも金利が年10%以上と高かったために交渉が成立できなくなったのです。

これで関係のあったこのお寺が手を引くとなると、再入札した結果如何では総連は中央本部を全く利用できなくなる可能性が高くなったのです。金融機関には日本政府からの制裁中の北朝鮮を追い詰めたいという、圧力がかかったのではないかとも言われています。

まさに内憂外患とも言える事態に北朝鮮は追い詰められようとしています。でも自業自得とも言えるもので、国民を貧しさに追い込みながら不要な核開発に多額の金を掛けるなどという、馬鹿げた為政者がどこにいるものでしょうか。会社でも無能な跡継ぎでは3代も持たないと言われていますが、北朝鮮国家もまさに同様で、哀れな行く末が見えてきました。