会長の”三行日記”

2013.05.17

私たちの取り組み No.2393

 2日間カキコミができず失礼致しました。実はこのゴ-ルデンウィ-ク前から依頼のあった仕事の案件が、一部なかなか解決できない部分があり、ようやく今日の客先への訪問作業で終止符を打てたのです。

その間何回か客先への訪問を繰り返し、原因究明やメ-カ-である三菱電機の技術相談ともやりとりしていたため、カキコミにはとても手が付けられる状態ではなかったからです。

それではそのことが少し弊社のアピ-ルにも繋がるかもしれませんので、経緯を振り返ってみたいと思います。客先が今回、5月の連休で空調機(パッケ-ジエアコン・・・以後PE)の入替を予定していたことから、受注した設備業者から古いPEから新設のそれへの、調査を兼ねた接続替の依頼が連休の2週間ぐらい前にありました。

当初、既設の現場調査を1週間前に行えるはずでしたが、客先の都合で直前の27日(土)までは入場できず、その日しか行うことができませんでした。事前での話では新旧あまり違いがないということでしたが、いざ調べてみると新しいタイプは内部ユニットが基板で組まれていることから、ブラックボックスで不明なところが多くあり互換性はないのです。

従って頂いた取扱説明書だけでは十分理解できないため、メ-カ-に問合せしたいのですが、27日時点ではもう連休に入っており、技術相談にも対応してもらえません。しかし設備の方はこの連休で切り替えなければいけないことから、一部不明な箇所を残して工事は進めざるを得ませんでした。

こうして連休中の3日には設備の入替が終わり、4日からは電気配線の接続替の作業に入ったのです。そして試運転を迎え、何とかやりくりはしてリモコン制御では動くのですが、遠方起動の場合、圧縮機と送風機の運転の切り離しができません。

仕方がないから温度・湿度の管理が厳しい部屋であるゆえ、工場の稼動する初日からはリモコン制御で動かし、三菱に問合せながら対応していこうということになったのです。そして技術相談のアドバイスをいただき、やりとりで不明なところは少しずつ解消していったのですが、今度はヒ-タ-の再熱回路が働いていないことに気づきました。

雨が降って湿度が高くなったとき、その湿度が思うように追随しないからです。そして今週も何日か繰り返し工場に入っていたのですが、回路は間違いないとはいえ、思うように改善できません。そして根気よく詰めていった結果、やりとりしている計装盤の中に組み込まれている、サイリスタ制御でヒ-タをコントロ-ルする電力比例制御パネルに異常があることが判りました。

そして急遽、中の基板ユニットをメ-カ-から送ってもらい、交換したら解決したのです。何も今回いじることのない同パネルの異常など、初めから何も考えていなかったのです。このように私たちの仕事は途中の経過ではなく、結果が全てです。ですからいくら小回りを利かせても、お役に立てなければビジネスとしては成り立たないのです。

そういった意味では大きな迷惑も掛けず、何とか望まれるとおりの結果にたどりついて、何よりもホッとしています。願わくばあと少し事前での引き合いが早く頂けたらと思うことです。きっとメ-カ-の技術相談が応じているうちなら、事前での詰めがもっと素早くできたものと思われます。やはり段取り7分と言われますが、本番前の詰めの善し悪しで仕事は左右されるものです。

2013.05.14

見事な代役 No.2392

  東京芸術劇場で上演されていた「おのれナポレオン」という演劇で、天海祐希さんが軽い心筋梗塞のため突然降板して、今月8~9日の3公演が中止となりました。

でも公演は12日までの予定でしたので、急遽代役に宮沢りえさんが立ちました。そしてわずか2日間の稽古だったのですが、残りの10~12日の4公演の代役を無事務めたのです。代役を見事にこなした、りえさんに対しては満員の観客からスタンディングオベ-ションが起こり、カ-テンコ-ルも3度も繰り返されたそうです。

この宮沢りえさんに神業とか偉業という、絶賛の声が挙がっているわけですが、代役が決まったのが天海さんの入院降板日の翌日である7日の深夜です。その翌日の8日から2日間の稽古で、台詞とか演技が果たして覚えられるものでしょうか。

何しろ天海さんはこの舞台に向けて2ヶ月間、稽古を積んだと言われています。それをたった2日間の稽古で公演を乗り切ってしまうのですから、やはり凄いとしか言いようがありません。その凄さはもちろんですが、私はそれよりも引き受けた勇気を称えたいと思います。

公演の主役でもある、相手役の野田秀樹さんはそんな宮沢さんに対して、「わずか二日間でのけいこで舞台に立つことを英断してくれた男らしさに感謝します」と述べています。聞くと決して二つ返事で引き受けたのではなく、野田さんの執拗な説得があったみたいですが、これで一段と女優としての株を上げたわけです。

一方で可哀想だったのが天海さんと共演者の方々です。天海さんは今まで一度もこうした舞台や自分の出演に、穴を空けたことがないと言われます。突然の体調異変では本当に仕方がなく、気の毒としか言いようがありませんが、見事な代役を務めた宮沢さんの方に全て話題をさらわれてしまいました。

ですからそれまでの苦労して務めていた舞台の功績など、どこかに消えてしまったのです。それから共演者の方々も大変だったと聞いています。宮沢さんの台詞の量は天海さんの半分程度で、それも覚えやすいようなコミカルなものに変えていたと言われます。

彼女の台詞が減ったということは、その分、共演者のそれが一気に増えるということにもなるわけです。ですから彼女との共演シ-ンが多い山本耕史さんなどは、一から覚え直すほどで3日間ほとんど眠れなかったと伝えられています。

このように突然の降板は私たちの考えている以上に、いろいろな影響を及ぼすわけです。これですっかり株を上げた宮沢りえさん、たった5日間を残して降板せざるを得なかった天海祐希さん、それぞれに苦悩があったことと思われますが、長い目で眺めた場合、どちらがこれからの女優人生に活かされるものでしょうか。

2013.05.13

仕分け違い No.2391

 こんなことも起こるのですね。毎日のように送っていただくメルマガに、こんな話が載っていました。実際にあった本当の話のようです。

ある学校で、生徒を実力別に分けるための試験が行われました。しかし、このとき手違いでテストの結果、◆成績の悪い生徒たち → 成績の良いクラス  ◆成績の良かった生徒達 → 成績の悪いクラスという振り分けをしてしまったのです。

つまり、まったく逆のクラス編成になってしまったわけですね。その結果...1年後には、その間違ったクラス編成どおりの成績になってしまったんです!つまり、それまで成績の悪かった子どもたちの成績の方が、成績の良かった子どもたちを上回ったということです。これは有名な「ピグマリオン効果」というお話です。

※ ピグマリオン効果

教師の期待によって学習者の成績が向上すること。「ピグマリオン」という名称は、ギリシャ神話を収録した古代ロ-マののオウィディウス「変身物語」に登場する。ピュグマリオン王の恋焦がれた女性の彫像が、その願いに応えたアプロディテ神の力で人間化したという伝説に由来する。

もしかしたら、あなたもお仕事をしていて、部下と接するときに同じことが起こっているかもしれませんね。■一体なぜ、こんなことに...それにしても、一体どうしてそんなことが起こったのでしょうか?

おそらく、こんな感じなのでしょう。成績の悪い子どもたちを受け持った先生は、「この子達は成績優秀な子どもたちです」と言われて受け持ちました。それで実際に授業が始まると、当然のことながら子どもたちの理解度は低い。

そこで、先生はあれ?と思いながらも、こう思ったはずです。「この子達は優秀なんだからできるはず」「ひょっとしたら、自分の教え方が悪かったのかも?」「今日はちょっとみんな調子が悪かったのかな?」

そこで、自分の指導方法の改善を試みたかもしれない。何より、「この子達はできるはず!」という確信をもって接していたはずです。そしてその結果、本当に子どもたちの成績が伸びました。

筆者は最も大切なのは、「イメ-ジ」だと指摘しています。自分の子どもや教えている子に対して、どう思っているのか?またどういうイメ-ジを持っているか?それが指導をするときに最も重要なポイントだと言っています。

また悪いイメ-ジばかり持って教えたり、指導したりしてもその成果は芳しくないと言います。そんなとき、ついつい指導者は「どうしてこの人は?...」と、相手のせいにしてしまう傾向があります。でも実際には教えられている方より、教える側に大きな責任があるものです。「ダメな生徒なんていない。ダメな教師がいるだけだ」何とも味わい深いような言葉です。