会長の”三行日記”

2013.07.05

異色社員研修 No.2423

 こんな変わった社員研修があるのですね。チキンラ-メンでよく知られている日清食品の研修です。何とエリ-ト社員を対象に、無人島で3日間のサバイバル生活を送らせるというのです。以下その記述を紹介させていただきます。

私物はすべて没収され、その代わり、チキンラーメン3食分などわずかな食材のみが支給される。いずれも調理しなければならず、そのままでは食べられないものばかりだ。なぜ、こんな苛酷な研修を課すのだろうか…。 

平成24年9月、瀬戸内海に浮かぶ無人島。同社に務める40歳前後の男性社員17人が、3日間のサバイバル研修に挑んだ。彼らは、同社で新任管理職(課長職)に抜擢(ばってき)されたエリート社員たち。「若手管理職の心身を鍛える」のが目的で、15年から無人島や山などでの研修を取り入れている。  

無人島に着いた社員らは、携帯電話や時計などの私物はすべて没収される。代わりに渡されるのは、チキンラーメンのほか、米1合、小麦粉1カップ、2メートル四方のビニールシート2枚、釣り針と釣り糸1セット、水のみだ。無人島なので、コンビニエンスストアや飲食店はなく、もちろん電気、ガス、水道も通っていない。  

島での最初の昼食は、チキンラーメン。数人のグループに分かれて、準備にとりかかった。乾麺のチキンラーメンを食べるには熱湯が必要だが、探検家さながらに自ら火をおこさなければならない。枝や石、落ち葉などたき火に必要な材料を拾い集める。しかし、2時間以上たっても火がつかず、昼食をあきらめるグループもあったという。  

研修といっても、会社からの指示はほとんどなく、参加者は2泊3日を自由に過ごす。また、最初の昼食はグループで力を合わせるが、もともと、リーダー養成のための研修なので、その後は、グループではなくバラバラに行動するのが原則だ。

テレビも新聞もパソコンもないが、時間はたっぷりある。しかし、3日間を飲まず食わずで過ごすわけにはいかないため、それぞれ、快適な“無人島ライフ”を送るために知恵を絞る。また、雨風をさけて寝る場所も自分で作らなくてはいけない。

夕飯用の魚を釣りに出かけたり、貝を拾って食べたり、竹を割って作った器で米を炊いたり…。即席麺大手の社員とあって、支給された小麦をこねて麺を作る参加者も。寝場所もさまざまだ。木の枝にビニールシートをつるしてテントをつくったり、単純にくるまって寝たりと個性が表れるという。

「どんな状況でもやっていける骨太の管理職を養成したい」。日清HDの広報担当者はこう説明する。過酷な環境の中で、自分だけを頼りに行動することで、判断力や発想力、発見力、忍耐力などを養うことができるという。

各企業でいろいろな社員研修が行われているでしょうが、ここまでの無人島でのような研修はないものと思われます。人間が極限に近いような状況に置かれると、肉体的にも精神的にも成長できると言われています。

また創意工夫といった点でも、何不自由なく暮らしている平常時に比べて、養われるところが少なくないのではないでしょうか。それにしても参加者から口を揃えて出た言葉が、手軽なチキンラ-メンの有難さがわかったといったことでは、自社への愛着が増し、やはり効果絶大な研修ではなかったでしょうか。

2013.07.02

ノ-ヒットノ-ラン No.2422

 我が県の代表的球場である、草薙球場の改装が完成しました。このオ-プンを記念してプロ野球のヤクルト-巨人戦が開かれたわけですが、今はやりの観客席がグランド近くにだいぶ迫り出していたり、かつては芝生席だった外野スタンドが全面、木造のベンチ席に作り替えられたようです。

改装に1年半以上の期間を要しただけに、さぞ立派になったことと思われます。来る夏の県予選、母校も2回戦でこの草薙球場での試合だけに、応援で出掛けるのが今から楽しみです。

さて先日、中日の山井投手が対DeNA戦で史上77人目のノ-ヒットノ-ランを達成しました。ノ-ヒットノ-ランだけなら敢えてここで取り上げることもないのですが、一部の方はご存知のことと思いますが、6年前になる2007年の日本シリ-ズ第5戦のことを思い出したからです。

この試合、日本シリ-ズという大舞台ながら、山井投手が日ハム相手に8回終わって、一人もランナ-を許さない完全試合(パ-フェクト)のペ-スだったのです。ところが9回にマウンドに立ったのは抑えのエ-ス・岩瀬投手です。

折角の大記録達成目前だというのに、私も含めてなぜ?という声が多く、その後も大きな反響を呼んだものでした。当時の落合監督に対してその勝負に徹した冷酷さや、また一方では大舞台での一球の怖さを知り抜いた見事な采配などと言われたものです。

私も当時の事情を知らなかった一人ですが。今回、山井投手がノ-ヒットノ-ランを達成して、はじめて降板した事情を知ることができました。それは落合監督が決めたのではなく、当時の投手コ-チだった森繁和さんが本人に問い質した上での結論だったというのです。

8回が終わった時点で、「どうする?」と本人に聞いたところ、返ってきたのは「岩瀬さんでお願いします」という言葉です。それというのも、森コ-チはその試合の5回、ボ-ルに血がついているのに気付いていて、中指のマメがつぶれていたのを承知していたからです。

ですから本人が結論を出して、納得した上での交代だったようです。そうした事情を知らない私たちは、大記録達成目前で、もったいないとか、ずいぶん薄情だななどと、首脳陣に疑問を持ったものですが、6年の時を経てその誤解が解けたわけです。

従って山井投手にしてみれば、忘れ物を7年越しで手に入れたということになります。元々、ストレ-トにスライダ-、フォ-クと、並外れたよいものを持っていると言われていたことから、完全試合を逃がした後でも、この投手ならいつかはそのチャンスがあると、落合監督自身も言っていたそうです。

今シ-ズン少し低迷している中日なのですが、これをきっかけに浮上してもらいたいものです。それにしても、9回の2死までこうした記録を達成していながら、あと一人のところで潰えてしまうことが少なくありません。それだけ難しいということでしょうが、完全試合をかつて達成したかもしれない山井投手だけに、ある意味これですっきりしたのではないでしょうか。

明日から2日間、私用で会社を留守にするため、カキコミは休ませて下さい。 

2013.07.01

中国での急進企業 No.2421

 中国進出でマ-ケットを拡大しているのはユニクロばかりと思っていましたが、それよりももっと拡大している企業があることを知りました。それが何と福島県いわき市に本社を置く企業と聞き、ちょっぴり嬉しくなりました。

その会社は「ハニ-ズ」といい、中国で500店あまりを展開している衣料品チェ-ンです。ユニクロが現時点で202店に対し、ハニ-ズは今年3月末で529店と言いますから、2倍以上の展開を図っています。

そして3年後には1000店をめざしているというから、何とも凄い話です。それというのも、躍進の原動力となっているのは、日本の東北地方の大学に留学していた若い中国人社員というのです。

元々製品は全て中国で生産していましたが、このように500店を超えている今でも、日本人駐在員は小野さんという社長一人だけと言います。あとは日本の東北地方への留学経験がある、中国の若い幹部社員が担っているのです。

いわば、しっかりと現地化した企業なのです。出店したのは日系の百貨店だけでなく、中国や他の外資系資本の百貨店にも、その広さにこだわらず進出したと言います。こうした多店舗展開により知名度が増し、「日本のデザインが安く買える」という評判が定着していったのです。

また一方では店の内装などを中国人好みに改装したりしていることから、日本企業だとは知らない人も多く、反日運動が盛り上がったときも大きな影響がなかったそうです。

こうした成功の原因をハニーズの社長は、生産を委託している担当者を月に一度は来日してもらい、昼食などをともにしながら、現地のニ-ズや動向をしっかりと聞き出していることにあり、また何よりも現地の人たちに任せていることにあると言われています。

従って、日本の企業かもしれませんが、現地では「私たちの会社」、マイカンパニ-という意識がしっかりと社員に根付いているのではないでしょうか。人が伸びる条件は「任せる 認める 励ます」とよく言われています。やはり、その言葉どおり、モチベ-ションを上げて任せると、人はこんなに大きな力を発揮するものです。