会長の”三行日記”

2015.01.16

ちょっと良い話117 No.2674

 この季節は既に通り過ぎてしまいましたが、クリスマスに関する、温かなちょっと良い話を見つけましたので紹介します。夫が単身赴任になって早3年。息子が高校受験を控えていることもあり、クリスマスどころではありませんでした。

ツリ-も飾らず、ケ-キも自分一人しか食べないからと省略。唯一クリスマスらしいことといえば、息子のためにチキンを焼いたことくらい。クリスマスの夜。塾から帰宅した息子に食事を出していると、突然チャイムが鳴りました。

開いた玄関の先にいたのは、サンタの格好したピザの配達員。私が困惑していると、背後から「僕が注文したんだよ。お母さん、ピザ好きでしょ」と息子が玄関へ行き、代金を支払いました。

「珍しいこともあるもんだ」と思いつつ、そのときは何の疑問も持たず、私たちはピザを食べ始めました。すると再びチャイムが鳴りました。毎年パパからのプレゼントが宅配で届くので、きっとそれだと思っていました。

ドアを開けると、そこにいたのはサンタの帽子をかぶったス-ツ姿の夫。「メリ-クリスマス!」両手にプレゼントを抱えた夫は、私の驚く顔を見てニヤリ。ピザは夫が気をきかせて息子に頼んで注文したとのこと。

用意しなかったケ-キも夫が買ってきてくれました。一番うれしいのは、何年かぶりに家族そろってクリスマスを迎えられたこと。パパサンタの憎い演出に感謝です。

思いがけない、こうした憎い演出はとても嬉しいものです。人は予想外に喜んだり感動するのは、自分の期待や予想をはるかに超えるときにあります。帰ってくるとは全然思っていない夫が突然帰ってきて、しかもお土産付きで戻ってきたわけですから喜びが増幅されるのです。

同様に私たち企業にも必要なことは、お客様の予想や期待をはるかに超える仕事にあるのではないでしょうか。それにはどこにでもあるような一様なものではなく、やはり抜きん出た差別化されたものでなくてはいけません。

そういったものを求め続けていくのが時代に負けない、これからの企業特に中小企業の生き方ではないでしょうか。納期や品質等、とても無理と思えるお客さまからの要求でも、ただ断わるのではなく、どうしたらそれが可能か、前向きに捉えていくのが私たちに求められている生き残りの道だと考えています。

2015.01.15

情けは人のためならず No.2673

 「情けは人のためならず」という言葉があります。比較的間違えてその意味を捉えやすいのですが、人への情けは相手ばかりでなく、自分の為にもなるということです。

ですから、情けは決して人のためにはならないということではありません。この言葉が科学的にも根拠があるという話が載っていました。健康づくり運動を進めている、諏訪中央病院名誉院長の鎌田実さんの話です。

鎌田さんはよく知られているとおり、40年来、地域住民とこの健康づくり運動を進めてきました。食事や運動に加えて、生きがいや地域の絆も健康長寿の秘訣と分かってきたことから、できるこことから実践しましょうと以下のように述べています。

散歩や体操など軽い運動を習慣にすれば、体力が維持でき、認知症のリスクも下がります。そして近年、健康寿命の長い地域に共通するのが高齢者の就業率の高さだと分かってきました。

「人の役に立っている」と実感し、生きがいを持ち続けている人が元気で長生きしているのです。「よくボランティアをする人は高血圧の発症率が40%低い」「コミュニティ-の絆が強い町の住民は心筋梗塞になりにくい」と海外でも報告されています。

僕らは心を持つ生き物だから、自分が存在している意味が見えている方が健康でいられる。長生きのためには生きがいと絆をどう持つかがとても大事。地域や臨床現場で健康づくりに長年取り組んできて、最後にたどりついた結論です。

野菜をたくさんとり、血管を健康にする成分を多く含む魚をよく摂取する、食事の改善が健康長寿の秘訣などと伝えられていましたが、そればかりではないのですね。健康寿命というのは、一生のうちで健康上の問題で日常生活が制限されない期間のことを指すそうです。

それは男性が71.19歳(平均寿命80.21歳)、女性74.21歳(平均寿命86.61歳)と言われています。つまりそれぞれが10年ぐらい何らかのことで健康を損なっているのです。ですからその差が小さければ小さいほど、その人の人生は充実しているとも言えるのです。

このようになりたいものです。昨夜出掛けたお通夜の席では、91歳の故人が「普通に生活していて朝起きたら亡くなっていた」というようになりたいと常々口にしていて、実際にもそれに近いような形で亡くなられたと伝えられていました。

これが理想的な生き方なのでしょう。健康は目的ではなく幸せに生きるための道具とも言われています。同じものを食べるにしても、家族や仲間と大勢で食べた方がよりおいしく幸せを感ずるわけです。やはりコミュニケ-ションが大切なのですね。

2015.01.14

球団愛 No.2672

 大リ-グ・ヤンキ-スで活躍した黒田投手が今季、日本に帰ってくることが決まりました。それも古巣・広島カ-プに入ることになったのです。契約は1年で年俸4億円プラス出来高払いと伝えられています。

ということは昨年ヤンキ-スでもらっていたのが1600万ドル(19億2000万円)ですから、米国残留なら広島の5倍の契約を交わせる可能性があったわけですが、それをかなぐり捨ててカ-プに戻ってきたわけです。

まさに何よりも強いカ-プへの球団愛によるものと思われます。もちろんその力が落ちたわけではなく、昨年まで5年連続で2桁勝利を記録しているのです。ですからまだまだ自分を高く売れるわけだし、大リ-グのヤンキ-スはじめ他の球団からも食指は伸びていたはずです。

元々、もし日本に戻るときはカ-プ以外は考えられないと言っていたみたいですが、日本を離れて7年経った今でもその気持ちに変わりはなかったようです。確かに年齢は39歳ですから、選手人生が終盤にあることには違いはありません。

でも今季から監督も緒方さんに代わったばかりのことで、球団にとってはこれ以上の強い味方であることは間違いないわけです。これで投手陣も今までのエ-ス・前田健太投手と合わせて盤石な体制ができあがったのではないでしょうか。

こうなると目指すのは優勝ということになり、2年連続で3位だった広島が優勝となると実に24年ぶりになるわけです。とても面白いペナントレ-スとなるのではないでしょうか。

それにしても5倍近い年俸を稼げるというのに、それを捨てて元の球団に戻ってくる黒田投手に、何とも言えない男気みたいなものを感じます。近年、割り切ったドライな選手が多いこの世界ではとても貴重とも言えるのではないでしょうか。

また向こうで出番がなくて戻ってくる選手がほとんどの中で、まだまだ十分に通用し働ける選手が戻ってくることは日本球界にとっても有意義だし楽しみなことです。

多分その背番号通り、15勝は挙げるものと思われます。宿敵巨人を力で倒すチ-ムが少なくなっていることから、アンチ巨人の私としても今年の広島-巨人戦がとても楽しみになりました。是非その活躍を応援したいものです。