会長の”三行日記”

2012.11.12

45歳の奮闘 No.2310

フットサルワ-ルドカップで日本は決勝ト-ナメントに進んだものの、惜しくも1回戦でウクライナに敗れてしまいました。それでも予選リ-グは強豪、ブラジルとポルトガルの同じブロックに入り、見事この決勝ト-ナメントに進めたのは大健闘と言えるのではないでしょうか。
 
この躍進の原動力になったのは、何と言ってもキングカズこと、45歳にもなる三浦知良選手です。ご存知のとおり、かつて一度は本職のサッカ-でワ-ルドカップ代表チ-ム入りを果たしたものの、大会直前でメンバ-から外されるということもあって、代表のユニフォ-ムに袖を通すのも初めてのことでした。
 
それだけにカズ選手の今回に賭ける思いというものは、たとえフットサルとの違いがあっても私たちの想像を超えるものがあったのではないかと思われます。
 
大会終了後のいろいろとインタビュ-に答えている内容を読むと、カズさんって結構頭の良い人ですね。サッカ-選手である自分が、いくら華々しい存在だったとしても、その置かれている状況をしっかりと認識しているのはさすがです。
 
ですからフットサルとサッカ-の技術的な差も心得ているから、素直にチ-ムに溶け込めたのではないでしょうか。これがもしサッカ-で一流の選手であっても、そうした心得がなければ、今までフットサル一筋にやってきた人にとっては、当然面白くないことだって生じます。
 
でもカズさんはその違いを認めることができたからこそ、自ら選手交代を監督に申し入れたり、選手それぞれに違った意味での大きな存在感を示すことができたのではないでしょうか。
 
それともう一つの大きな役割は、サッカ-に比べていまいちマイナ-の存在だったフットサルに対して、カズ選手の代表入りのお陰で、人々の関心を引き寄せたことです。ですからご本人も言われているとおり、折角ここまで健闘したのですから、もっとフットサルを盛り上げる工夫やシステムが必要にもなってくるわけです。
 
そういった意味でも大貢献を果たしたと言ってもよいのではないでしょうか。そしてこの先、この盛り上がった機会をうまく利用しながら、やはりカズさんの言われるとおり、サッカ-のJリーグなどとのつながりをもっと持てるチームをどんどん作っていく必要があるのではないでしょうか。キングカズは45歳になっても、まだまだ健在です。

2012.11.09

ちょっと良い話part101 No.2309

嫌いな相手に救われるという、ちょっと良い話です。好き嫌いもなく、日頃から周囲にはおおらかに接しなさいという教えです。
 
昔、西洋のある国の皇太子は、ハエとクモが大嫌いだった。ある時、隣国との戦いに敗れて逃げ回っているうち、大樹の根元に腰を下ろした途端、どっと疲れが出て睡魔に襲われ、深い眠りに陥ってしまい、敵の近づいているのも知らなかった。

その時、一匹のハエが皇太子の顔の上を飛び回った。皇太子は無意識に手を払うのだがハエは逃げないどころか、皇太子の鼻の穴に入り込んだ。これでは眼を醒まさざるを得ず、ハッと気付くと敵の足音。危機一髪のところで逃げのびることができた。

その後、またも戦いに負け、ただ一人になって生き延び、とある洞穴に入り、グッスリ眠ってしまった。そこへ敵兵がやって来て、「この洞穴には皇太子がいるかもしれん。入ってみよう」と一人の兵士が言うと、その洞穴の入り口にクモが巣をかけているのを見て、他の兵士が、「クモの巣がかかっているからいないよ」といって敵兵は立ち去った。

そのため、皇太子は命拾いをした訳だが、皮肉にも日頃嫌がっていたハエとクモに助けられたわけである。この世の中、人間万事塞翁が馬で、何が幸いするか分からない。

これはお互い同士の付き合いも同じこと。「あんなやつ二度と顔を見るのも嫌だ」と嫌った相手に助けられることがないとは断言できない。
どんなに嫌いな人に対しても、いつか世話になるかも知れないであろうことを忘れず、おおらかに接することが肝要である
 
中国の万里の長城で遭難し、日本人としてただ一人助かった女性の救出は私たちの想像以上に大変だったようです。一行の動けなくなったのが午後9時ごろ。中国人ガイドが一人で下山し、警察に通報したのが午後11時と言われています。
 
それから現地の総勢150人あまりが捜索隊として、腰まで埋まる雪の中を救助活動に出掛けたと言います。そして翌日の朝になって一行を発見し、救助を終えたのがその日の午後4時だとのことです。また助けられた方はそんな雪の深い道中を、おぶってもらいながら生還できたのです
 
この救出劇は日本ではあまり大きく報道されませんでしたが、尖閣諸島で揉めている日中双方でも、争いは抜きに、こんなにも美しい話が生まれています。決してこちらは嫌いな相手ではないのですが、先方にとっては嫌いな相手だったかもしれません。やはり仲良くしなくてはいけないものです。

2012.11.08

アメリカ大統領選 No.2308

オバマ大統領が再選されました。僅差の勝負だったのですが、ロムニ-候補を破っての勝利です。やはりアメリカ国民は自分たちとはかけ離れた金持ちより、核のない世界を訴えた可能性に賭けたのではないでしょうか。
 
さてこのアメリカ大統領選ですが、日本とは少しその選挙システムが違うことから、以前から知りたいと思っていたところ、ちょうど新聞の「ニュ-スがわからん」という欄に記載されていました。
 
それによると、まずこの6日に開かれた全米の有権者による一般投票があります。これは日本などと同じで、選挙権を持った全ての人が対象になりますが、選ぶのが選挙人というもので、50の州と首都ワシントンごとに行われます。
 
この選挙人というのが538人いて、共和党と民主党それぞれが用意した人たちで、それぞれ誰がどの大統領候補を選ぶかが予め決まっています。つまり、この選挙人を介した間接選挙なのです。
 
ですから場所によっては選挙人ではなく、投票用紙に正副大統領候補の名前だけがあるところも多いと言われます。 またこの選挙人による投票も12月に予定されていて、正式にはここで決まるわけですが、事実上、選挙人を選んだ段階で決着がつくのです。
 
それから州によって選挙人の数がだいぶ違うとのことで、各州に2人いる連邦上院議員と、下院議員の数の合計と同じと言われています。この下院議員は人口に応じて配分されていて、州ごとの選挙人数は3人のところもあれば、最多で55人のところもあると言われます。
 
従って各陣営は州ごとにこの選挙人を奪い合い、過半数の270人以上を獲得すれば勝利となるわけです。ですから獲得票数がそのまま当選と決まるわけではなく、票は多くても選挙人数が少ないという逆転現象も起こるわけです。
 
これは一部の州以外では、わずかな差でも最高票を得た候補者が、その州の選挙人を全員獲得できるという勝者総取りの制度のためです。ですから小さな州で負けても、選挙人が多い大きな州で勝てばよいわけです。
 
このように人口にある程度比例した、合理的な選挙制度のような気がします。ただそれぞれの州が勝者総取りというところに、少し疑問を持たないわけではありませんが、少なくとも日本の首相を選ぶ方法に比べたらずっと民主的ではないでしょうか。
 
こうして選ばれたオバマさんですが、次は選挙のない、これからの4年間です。遠慮のない思い切った政策に着手して、その公約どおり、核のない世界を目指して、広島、長崎にも是非訪れてもらいたいと願っています。