会長の”三行日記”

2013.01.25

ちょっと良い話part103 No.2346

アルジェリアから生存の7名の方と、亡くなられた10名のうち9名の遺体を乗せた政府専用機が、早朝、羽田空港に到着しました。遺族の方々のご心中を察するに切ないものを覚えますが、二度とこのような惨劇は繰り返してもらいたくないものです。
 
さて愛知県の59歳の主婦の方から、朝日新聞「ひととき」の欄に、こんな投稿がありましたので紹介させていただきます。「五人仲間の一泊会」というちょっと良い話です。
 
5人仲間そろっての1泊会を毎年開いている。 5人は中学2年からの長い付き合い。とはいっても、子育て中はなかなか会えなかった。

それぞれの子どもたちが高校を卒業した頃から、年に一度のランチができるようになり、やがて車で1時間ほどの温泉地での1泊会に発展した。

ある時、仲間の1人がポツリと言った。「こんなことができるのは、子どもたちがちゃんと育ってくれたおかげね」 あれから10年。今回は、先行する2人に大きく後れをとったものの、私を含め残り3人が次々に「おばあちゃんデビュー」し、相好を崩しっぱなしの会になった。

振り返れば、5人とも幸せばかりでここまできたわけではない。でも誰かのつらかった出来事は、5人で会えばたちまち笑い話に昇華される。後ろ向きの愚痴を言い合わないからこそ、いい時間を共有できる。そんな仲間がいるおかげで、1泊会ができるのだ。 

宿では、しっかり主婦の役目を解いて、上げ膳据え膳のおしゃべり三昧(ざんまい)。このささやかな5人での休暇のために、家族のために、自分のために、また1年、頑張ろうと思える。

 
お話しされているように、ここまで生きてきた間にはいろいろなことがあり、決して順風満帆な日々ばかりではなかったことでしょう。時には子どもの問題で振り回され、また夫婦関係だって何も問題なかったという人は少ないのではないでしょうか。
 
まさに「禍福は糾える縄の如し」で、良い事や辛く悲しいことが繰り返しあったことと思われます。そして私もその仲間入りをさせて頂きましたが、我が子にその子どもたちが誕生すると、今までにない幸せや心の余裕が持てるものです。
 
ですから苦しくても生き続けていればきっと良いことがあるわけです。いつもこのように前向きに捉えながら進みたいものです。蛇足ながら、こうした昭和の家族の良き愛を描いていた、日曜日のTBSドラマ「とんび」には泣かされました。やはり何と言っても、一番身近でもある家族の愛が原点ではないでしょうか。

2013.01.23

橋下市長の行き過ぎ No.2345

生徒の自殺という悲しい事件が起こった、大阪市立桜宮高校の体育科の入学試験がとうとう中止になりました。ご存知、橋下市長の強い意向が反映されてのことですが、絶対君主的な市長のやり方に少し違和感を覚えるものです。
 
確かに問題の起こったバスケットボ-ル部やバレ-部などの体罰問題は許されることではありません。でも一蓮托生的に巻き添えを食ったような形の、他の運動部や生徒たちのことはどうなるのでしょうか。
 
橋下市長はさらに校長、教頭以下全教員の入れ替えも要求しています。一昨日抗議の会見を開いた生徒たちのコメントにもあるように、多くの生徒が学校を守りたいと考えているし、もう少し自分たちの声にも耳を傾けてもらいたいということも、考えなければいけないものです。
 
また今回のことでそれぞれの心の傷は深く、それを癒せるのは先生だとも述べています。市長が言うように、全部の先生が入れ替わったら、生徒たちの戸惑いも大きく、むしろ反省を踏まえた再出発がしにくくなるのではないでしょうか。
 
それから、この学校の体育科そのものが悪いような印象を人々に与えてしまうことになります。もちろん優秀な先生もいるでしょうし、他の運動部の中には立派な生徒がいないわけではありません。
 
ですから十羽一からげのように、同じ扱いで全てをリセットするようなやり方は、あまりにも無茶というものではないでしょうか。それから入試中止が決まる以前、体育科入試が行われるようなら予算がつくわけではないとまで言い放っています。
 
これって何か脅しのようにも受け取れる言葉です。確かに熱血漢の市長ですから、胸の中にはほとばしる情熱を抑えきれないものがあるのでしょう。でも為政者は感情的ではなく、もっと冷静にあらゆる角度から物事を眺める慎重さが必要なのです。
 
橋下さんは維新の会という、れっきとした共同代表でもあり、いずれは国政をめざしそれなりの地位を狙う人でしょうから、もっと落ち着いた冷静さが求められるものです。
 
自身の口から出た「私のやり方がまずいなら次の選挙で落とせばよい」などという言葉は、開き直っているようにも聞こえ、あまりにも大人げないし、口に出してはいけないことです。
 
明日24日は私用で一日お休みをいただくため、カキコミは休ませていただきます。

2013.01.22

内定辞退 No.2344

就職氷河期と言われる今日、こんな話題をネットで見つけました。内定辞退といって、折角企業から採用合格通知を頂いていながら、当事者が断わるケ-スで、企業側のそれに対抗する凄まじい手段が載っていました。
 
内定辞退を告げた学生にこんな言葉が投げつけられているみたいです。「おまえのせいで、育成計画が狂ったんだぞ。どうしてくれるんだ!?」会社の人事からの言葉です。
 
このように内定辞退者に対する企業側の風当たりは、強くなる一方です。以下違法すれすれの行為が紹介されていました。
 
1.某大手金融機関A社に内定辞退を伝えたところ、「どこの企業に行くのか?」と聞かれた。入社予定のB社の社名を伝えたところ、A社の取引先の企業であったため、圧力をかけられた。これにより、A社とB社の内定を失う結果となった。

2.某大手食品会社C社の内定を辞退したところ、椅子に座らされ、人事数名に1時間におよぶ罵詈雑言を浴びせられた。

3.某大手金融機関D社に内定辞退を伝えたところ、その場はいったん保留にさせられた。後日、研究室に行く際、人事が校門で待っていた。一緒に教授のところまで案内させられ、教授にあいさつをして帰っていった。お世話になった教授を裏切れず、そのまま入社を決意した。

 
1のようなケ-スは実際にも私が耳にしています。ある大手の証券会社に内定辞退を告げにいったところ、丁重に接してくれエレベ-タまでわざわざ見送りにきてくれました。そしてドアが閉まった瞬間、「おまえ、〇〇証券を舐めるなよ」という言葉を投げつけられたのです。
 
そして後日、就職先として決まっていた会社に手を回され、この会社にも入ることができなくなり、どこにも行けなくなったという話です。
 
こうなると少し考えさせられてしまいます。就活の学生には確かに職業を自分でしっかりと選ぶ権利があります。でも断われた企業側にしたって、採用計画とか人事体制もあり、予定が狂ってしまうわけですが強制的に引き止めることができません。
 
従って面白くないことから、このような腹いせも生まれるわけです。この原因は一極集中でどうしても人気企業に偏る傾向があることからです。ですから内定を獲得できない学生も増え、質より量とのことで、学生は複数の企業の採用試験に臨まなければいけません。
 
そして合格するのはやはり同じ人間に偏ってしまうからではないでしょうか。また企業側にもかつてリ-マンショックなどで、内定取り消しという措置がありました。これが一層強い不信感を学生にもたらしたとも言えるわけです。
 
一方の企業にしたって、1年がかりで少なくない予算を掛けてその準備を進めています。それが大手であっても6~7割の辞退者が出るという現状では、頭の痛い問題で対抗措置をとらざるを得なくなるのではないでしょうか。
 
確かにこの問題は双方に言い分があり、かなり難しい問題だと思います。だからといって違法すれすれの腹いせ的行為を行ってよいということにはなりませんが、この先なくなるとも思えないことから、根本からその就活作業を構造的に見直すことが必要ではないでしょうか。
 
そして少子化ということあり、若者の就職率を大幅に改善することが、今、早急に求められている大きな課題です。