会長の”三行日記”

2013.03.04

WBC開幕 No.2354

球春を告げるかのようにWBCが開幕しました。先週、土曜日にはブラジル戦、そして昨日は中国戦と、何とか日本が2連勝を飾り、良いスタ-トを切りましたが、少し不安の残る内容ではなかったでしょうか。

それというのも、ブラジル戦では8回表になってやっと逆転してくれたのですが、それまで観ている私たちは冷や冷やもので、負けるのではないかと思ったほどです。この回、先頭の内川選手がヒットで出てくれたからよいものの、出ていなければたぶん負けたのではないかと思います。

ですから代打の井端選手の貴重なタイムリ-で同点にしたわけですが、井端選手同様、負け試合にならなかった殊勲は内川さんではないかと思っています。とにかくイライラさせるゲ-ムには違いありませんでした。

それからこの試合、投手陣がいまいちでしたね。先発で先取点をとられた田中投手は2回で早々に見切りをつけられ、絶対的安定感を誇っていた杉内、摂津の両投手まで、ブラジル打線につかまってしまいました。ブラジル打線を見くびっていたのか、少し組み立てが甘かったような気がします。

でも勝ち越してからリリ-フした能見、サブマリンの牧田の両投手はよかったですね。特に牧田投手の下手投げはこれからの試合、結構武器になるのではないでしょうか。それから中国戦で5回まで完璧に抑えていた前田健投手も見事でした。

こうした中、今後の試合に向けて期待できる選手はやはり内川選手ではないでしょうか。前回のWBCでの活躍とその経験が凄く生かされているような気がします。追い込まれた空気の中、何とか活路を開くことができる選手だからです。

それから糸井選手がいいですね。第1戦では同点に追いつく早々のタイムリ-、そして続く第2戦でも満塁一掃の勝利を決める見事な2塁打を放ちました。その性格どおり、何かにとらわれない思い切りの良さを発揮しています。

また足も速いし、守備だって悪くありません。こんな素晴らしい選手を日本ハムはなぜ手放したのでしょうか。聞くところによると、契約で球団と揉めたと言います。球団が嫌いな代理人を交渉に立てたからです。でも手放すのはもったいない選手のように思えるものです。

とにかく、少しモタモタしている侍・ニッポンですが、大リ-ガ-抜きの純正日本でも3連覇を果たしてもらいたいものです。そのカギはちょっと出遅れている長野、坂本の両選手と、やはりキャプテンで4番の重責を担っている阿部選手の巨人勢の出来如何ですね。大活躍を願っています。

2013.03.01

ちょっと良い話part104 No.2353

ひさしぶりのちょっと良い話ですが、今朝の新聞に、「サッカ-のポジションは駐車場」という心温まる話を見つけました。こういった話は私は大好きですので、是非とも紹介させて下さい。

小学校からサッカーを始めプロ選手になりましたが、何と言ってもつらかったのは中学校の部活時代です。サッカーの名門校で夏休みは朝から晩までボール拾い。しかも、ポジションはグラウンドの中にはなく駐車場の担当でした。

日曜日は先生たちの車をボールから守るために下級生といっしょに立たされました。つらくて何度もやめようと思いましたが、やめられない理由がありました。それは「頑張ってね」とだけ言って、お弁当を作ってくれる母親がいたためです。

その一言を励みに必死に努力し、ついに試合に出られる日が来ました。ただ、母親にはこれまでのこともあり、言えませんでした。当然、母親は来なかったのですが、試合には勝ちました。

昼にお弁当を食べようとふたを開けてみると、何と赤飯に一言だけ「おめでとう!」と書いてありました。母親はすべてを知っていたのです。その日のお弁当は、涙でしょっぱかったことを忘れられません。

このように自分の子どものことは全てお見通しなのですね。奈良時代の歌人である山上憶良が「銀(しろがね)も金(こがね)も何せんに、まされる宝、子に及(し)かめやも」と詠んだ歌があります。金や銀の財宝があろうとも、可愛い我が子にまさる宝が他にあろうはずがないとの意味ですが、まさにその通りですね。

辛くてやめてしまうのはいとも簡単ですが、このように必ず自分を温かく見守ってくれる人がいると思えば、軽はずみのことはできないはずです。また朝の来ない夜はないとも言われ、嫌なことや苦しいことばかりは続きません。

ですから何かあってもそれから逃げ出すことなく、お互い前向きに生きたいものです。自分の誕生月でもある、寒さの厳しかった2月も昨日で終わり、今日からはいよいよ春の到来を告げる3月です。天声人語にも「幼い春に、老いる冬が少しずつ道をあけていく」と記載されていました。待ち望んだ、心も体も温まる季節の到来を楽しみたいものです。

2013.02.28

奨学金 No.2352

ツア-での事故が相次いでいます。エジプトでは熱気球が墜落し、日本人4人を含む多くの方が亡くなりました。またグアムでも先日、現地に住む加害者の青年に襲われ、やはり日本人の3人の方が亡くなるという、悲しい事故が起こってしまいました。この青年は無実を訴えているようですが、何ともおかしな話で腹立たしくなるものです。

さて今日は奨学金の話に触れたいと思います。特別優秀な学生には返済など不要な奨学金がありますが、そうでない一時的に借用するような奨学金の話です。この学生生活を支えてきたはずの奨学金の返済が滞っているというのです。

それというのも近年、就職難から大学を卒業しても、なかなか正規雇用に就けない事情があるからです。11年度では滞納者が約33万人、滞納額は876億円とも言われています。その割合は全体の11%ぐらいに過ぎないというものですが、非正規雇用で無理して返済している人もいるのではないでしょうか。

それでもこの返済をいくらかでも救済する方法も用意されています。例えば最長5年まで返還が猶予されるそうです。また返還年数を最大で30年まで延ばし、回当たりの返済額を減らす「減額返還制度」も始まったとのことです。

そして12年度以降の利用者については、年収によって返還を猶予される「所得連動返還」制度も新設されたみたいです。こうした救済措置があるにもかかわらず、問題なのはそれが機能していないことにあります。つまり内規の細かい文書に示されているだけで、多くの利用者に知らしめていなかったのです。

またもう一つ問題なのは、回収制度がかなり厳しいことです。まず3カ月連続の滞納で、返還者は民間金融機関などが多重債務者対策などに用いる個人信用情報機関に登録されます。これでクレジットカードが持ちにくくなるのです。いわゆるブラックリストというものです。

そして滞納が9ヶ月続くと、機構が一括払いを求める支払督促を送付し、それでも応じない場合は給与の差し押さえや提訴が実施されるというのです。もうこうなったら、最悪とも言えるものです。

私の3人の子どもたちも1つ飛びの年恰好から、3人ともこの奨学金を頂きながら大学生時代を過ごしました。入学金や授業料などを考えたら、とても私一人の報酬では賄いきれなかったからです。当時はずいぶんと助かったものです。

幸いに3人とも無事、正規雇用となりましたので、現在は滞りなくその返済を進めています。でも、もしそうでなかったらと考えたら、やはりこのように順調にはいかなかったかもしれません。そう考えると、やはり現在の社会状況に大きく左右されるもので、この就職難は考えなければいけない大きな問題です。

借りたものは私たち企業同様、しっかりと返さなければいけないものですが、運悪く正規雇用に就けず、返済が滞ってブラックリストに載ってしまうというのも、ちょっと可哀想な気がします。半分は社会そのものの問題でもあるだけに、しっかりとその対策を考えてもらいたいものです。