会長の”三行日記”

2016.09.21

ベイスタ-ズCS進出 No.2896

 迷走していた台風16号が九州や四国・近畿各地で被害をもたらした後、我が県にもやってきました。夕方、暴風・波浪・大雨・洪水警報といったまとまった警報が発令され、家に帰った後、玄関の入口にビニ-ルシ-トや土嚢まで積み上げて、別に期待していたわけではないのですが、今か今かと待ち構えていました。

ところが夕方あんなに強く降っていた雨が、7時を過ぎるとなぜかおとなしいのです。これは台風の目に入ったのかと思ったのですが、浜松辺りから動かず、そのうちニュ-スを見ていると温帯低気圧に変わったというのです。

ですからラッキ-なことに、それからの大雨とかの被害は全くなかったわけです。被害を受けた各地には申し訳ないことですが、地震といい、様々な自然災害がなぜかこの地だけを避けて通っているのが昨今の状況なのです。ですがそれだけに、今にとてつもなく大きなことが起こるのではないかと正直、不安な一面も抱えているものです。

さて前置きが長くなりましたが、19日のカ-プ戦で横浜DENAベイスタ-ズが初のCS進出を決めました。ラミちゃんことアレックス・ラミレス監督が就任1年目で達成したわけで、その手腕の評価を受けてもよいのではないでしょうか。

何しろそれまでは毎年Bクラスが続いていたわけですから、ラミレス監督に代わってチ-ム内に何らかの変化をもたらしたのではないかと思われます。ご存知の通り、ラミレスは現役時代、外国人枠として初めて名球会入りを果たした、強力な助っ人として活躍した名選手です。

ヤクルト、巨人、そしてベイスタ-ズと渡り歩きましたが、打撃には優れていたものの守備に難があり、巨人退団の原因にもなっていました。でもベイスタ-ズへの入団の目的は2000本安打達成と、監督になりたいための一番の近道と思える球団だったからと言います。

そして不振からシ-ズン途中で2軍降格を言い渡された2013年、ラミレスは自分の1軍への復帰となる練習より、若手の指導を球団に申し出たのです。当時、指導した若手選手には、現在大きく成長し、主力となった梶谷や成長著しい桑原などの選手がいるわけです。

このことが2016年に監督として抜擢された理由の1つにもなっているみたいです。そのことをチ-ムの高田GMは次のように語っています。「監督に就任してもらう上で必要だったのは、横浜でプレーしていたこと、現役時代の実績、ファンを大切にすることでした。

しかも、ラミちゃんは指導者になりたいとはっきり言っていましたので僕もそういう目で見ていました。例えば、彼が主力となって活躍できなくなった終盤の頃。選手は誰しも衰えて引退しますが、毎日出場していたのに控えに回され、2軍へ落とされる。

その状況でどんな態度でいられるかが非常に大事なわけです。露骨に足を引っ張ったり、不満をぶちまけたりする選手もいる中で、まったく違う姿勢を見せていたというのは理由の一つです

そんなわけで早くから指導者としての監督業を意識していたわけです。それと何事にもポジティブな性格とデ-タ重視の意外な一面が功を奏しているようです。ですから今シ-ズンの出足は決して良い方ではなかったのですが、周囲の雑音にも迷わされず、後半の快進撃に繋げました。

またデ-タ野球は現役時代からのもので、セ・リーグの全ピッチャーとキャッチャーの配球パターンを頭に叩き込み、出場したすべての試合を録画して分析していたほどです。

ですから監督としての一日も、スカウト部門から集められたデータ分析からはじまり、ナイター日でも、午後1時にはスタジアムにある監督室に入り、個人の打率や癖などを事細かに記したデータに目を通しているのです。

やはりそういった緻密さも兼ね備えているわけです。こうした知らなかった一面を知ることにより、その独特な親しまれるキャラクラ-ゆえ、日本人と差別なくファンから愛されている人ゆえ一層応援したくなるものです。ベイスタ-ズのCSでの活躍を願っています。

2016.09.20

黒田官兵衛その2 No.2895

 以前にも取り上げたことのある人ですが、竹中半兵衛とならび豊臣秀吉の軍師としてその辣腕をふるった人物に黒田官兵衛がいます。この黒田官兵衛のあふれる才能に畏怖した為、秀吉も家康も彼を冷遇したという話です。

元々、この人は毛利家や四国の三好家などに囲まれた中国地方出身なのですが、これからは織田家の時代と早々に見切りをつけ、小寺家の家老職ながら秀吉に恭順し厚遇されることになります。

でも反旗を翻した荒木村重に捕われ、土牢に長い間閉じ込められた関係でそれ以後、足を引きずる生活を余儀なくされます。その黒田官兵衛に纏わる話にこんなことがあります。

あるとき、秀吉が家来たちにふざけ半分でこう言った。「自分が死んだら、代わって天下を保つのは誰か?遠慮なくいってみよ」。家来たちは、当時実力が喧伝 されていた前田利家、徳川家康などの名を口にしたが秀吉は頭を横に振って答えた。

「違う。それは、あの黒田官兵衛だ」「しかし彼はたかだか10万石の大名。とても天下人になどにはなれないのでは」と家来がいう。そこで秀吉は言った。「自分はこれまでの合戦で、あれやこれや決めかねたことも多い。そんなとき官兵衛に尋ねるとたちどころに裁断し、自分が練りに練った 考えと一致していた。

ときにはワシの意表をつく考えさえ何度かあった。あの男の心は剛穀で、思慮深く、まさに天下に比類ない。彼が望むなら、いますぐにで も天下を譲るだろう」。これを伝え聞いた官兵衛は、「これはわが家の災いの元」とつぶやき、剃髪して黒田如水と改名したのです。

秀吉のこの手の話は、百万の軍の指揮をとらせてみたいといった大谷吉継や蒲生氏郷にもありますが、我が子秀頼の将来を考えた秀吉にいずれの日か滅ぼされるかもしれないと危惧し、あっさりと剃髪・隠居をしてしまった黒田官兵衛の凄さがあるわけです。

そしてその凄みは隠居後も衰えることなく、秀吉死後、天下は東西に分かれるわけですが、官兵衛は東西の争乱に乗じ、自ら九州を統一し、その勢いにのって中央で三成、家康と対峙しようという大志を抱くのです。

官兵衛の息子・長政が家康側に加担したため、東軍として九州制圧に乗り出し連戦連勝の勢いでしたが、結果は抱いた大志通りにはいかなかったのです。それは関ヶ原の合戦が一日で終わり、天下が徳川家康のものになってしまったからです。

そこでもこんな話が伝えられています。関ヶ原の戦いで東軍が勝ち、手柄を立てた長政が官兵衛にむかって、「家康公は我が手を取って、頭に押しいただき、『この勝利はひとえ に御辺のおかげでござる』と申されました」と得意気に報告した。

その長政に、官兵衛は、「家康公が押しいただいた手は右か左か」と聞き返したという。不思議な問いにまごつきながら、長政が「右手でありました」と答えると、官兵衛は「その時、おまえの左手は何をしていたのか」。長政は思わず絶句した。

空 いているほうの手で家康を刺し殺すことができたのではないのか、という意味だったからです。結果として、関が原の合戦の論功にも官兵衛の名は挙がらず、恩賞はなかったのです。それは家康が官兵衛の実力を恐れたからだといわれています。

誰もがその才を認め、その才を決して隠そうとはしなかった黒田官兵衛ゆえ、疎んじられて出る杭は打たれたのでしょう。「能ある鷹は爪をかくす」のもこの時代の賢い生き方だったかもしれません。

2016.09.16

しゃっくり No.2894

 台風による前線の影響なのか、毎日はっきりしない天気が続いています。ひと頃の暑さはだいぶ凌げるようになってきましたが、南の方に発生している台風の被害が拡大しないことを祈っています。

さて今日はしゃっくりの話です。最近ではこのしゃっくり、私はあまり出ることはありませんが、うちの孫たちを見ているとよくしゃっくりが出ています。俗におむつが濡れているからとか言われていますが、果たしてどうなのでしょう。

しゃっくりがなかなか止まらず、呼吸が苦しくなったり話しづらくなったりして、いらいらした経験のある人も多いでしょう。どういう仕組みで起き、どうしたら止まるのか、藤田保健衛生大学准教授で医師の近藤司さんが次のように答えています。

しゃっくりは、肺を動かして呼吸させる横隔膜が強く収縮して息が早く吸い込まれるのと同時に、声帯が急に閉じられる現象だ。しゃっくりの役割は不明だが、生物が水中から陸上に上がり、えら呼吸から肺呼吸に切り替わる過程で、肺に水が入らないよう気管を塞ぐ仕組みの名残という説がある。

しゃっくりの際には「ひっく」という音が出る。「ひっ」は声帯が急に閉じようとする時の声帯の振動音で、「く」は声帯が閉じて息が止まった時の音だという。なぜ、横隔膜の収縮と声帯の閉鎖が同時に起こるのか。しゃっくりの指令センターである延髄のしゃっくり中枢に、刺激が与えられるからである。

炭酸飲料を飲む、慌てて食べる、激しく笑う、せきをする――などの刺激が、のどに分布する舌咽神経から、延髄のしゃっくり中枢へと伝わる。延髄は横隔神経を通じて横隔膜を収縮するよう、迷走神経を通じて声帯を閉じるよう、同時に指令を出す。

ただ、こうした刺激で常にしゃっくりが出るわけではない。しゃっくり中枢は普段、GABA(ギャバ)と呼ばれる神経伝達物質により、しゃっくりが出ないよう脳から抑制を受けているためだ。この抑制よりも刺激が強くなると、しゃっくりが起きる。一度起きるとすぐには止まりづらいのも特徴だ。

抑制する力を減らす例としては、飲酒や一部の薬の服用などがあげられる。また、子どもは大人に比べて発達が未熟で、GABAによる抑制が効かず、しゃっくりが起きやすいという。それではその止め方はどうでしょうか。

しゃっくりは自然に止まるので、気にせずに待てばよい。だが、会議や宴会であいさつをしたり、半日ほど続いて不自由を感じたりするような場合は、何らかの刺激を与えると、しゃっくりは止まりやすくなる。

そして薦める止め方は、人さし指を両耳に強く入れて30秒ほど押すか、舌を30秒ほど引っ張る方法だ。どちらも舌咽神経にしゃっくりを抑制する刺激が入ると考えられる。このほか、誰かに驚かしてもらうというよく知られる方法も有効という。ただし、いずれも絶対に止まるというわけではない。また、ぜんそくや心臓病、脳卒中などの人はこうした刺激は避けた方がよい。

しゃっくりが長引く場合は注意が必要だ。48時間以上続くと「慢性」、1か月以上だと「難治性」と分類される。慢性や難治性の場合、吐き気や 倦怠(けんたい)感、呼吸困難、不眠に悩まされることがある。

また、難治性の人が脳梗塞や悪性腫瘍などを患っている例もあるという。喫煙と飲酒が重なるなどの生活習慣が影響している場合があるので、見直してほしい。それでもしゃっくりが1か月以上続くなら、病院に相談をされる方がよい。

以上のように説明をされています。たかがしゃっくりですが、続くようですと要注意とのことです。それにしても、しゃっくりに限らず、こうした人間の体の神秘と言うか、よくできているものです。バランスや調和がとれなくなると、こうした修復作業を繰り返すということでしょう。