会長の”三行日記”

2013.11.11

経営指針セミナ-より No.2483

 先日、静岡同友会で行っている経営指針を創る会半日セミナ-に参加してまいりました。祭日の休みで、ちょうど静岡の街では大道芸が行われている日とあって、駅周辺から少し離れた場所に留めなければいけないほど、駐車場を探すのには一苦労でした。

これに限らずいつも感ずることですが、静岡まで来ると我が街・沼津とは大きく違い、活気があるものです。さてその静岡まで出掛け、休日返上で学んできたセミナ-ですから、自分のためにも少しまとめておきたいと思います。

この半日セミナ-はいつものとおり、同友会ではお馴染みの丸山博先生が講師を務めていただきました。14時から19時までという長い時間でしたが、相変わらずのユ-モアたっぷりの進行もあって、退屈することなく、時の経つのも忘れるほどでした。以下その内容を記します。

はじめにやはり時代認識をしっかり持たなければということです。経済は需要と供給のバランスより成り立つものですが、消費とは人口が増えているのが条件です。そうした意味では先進国の経済発展モデルは行き詰まりとも言えるもので、新たな枠組みを求める、時代の転換期を迎えています。

ですから今までこれでやってきたから、そのまま踏襲すればよいという時代ではないのです。中小企業の戦略は絞って深めるということで、浅く広くはその道ではない。その分野の第1人者を目指さなければならない。

それにはT.T.Pといって、中小企業は徹底的にパクることも必要です。パクるとは本質を真似ることで、成功企業には多くの成功事例を含んでいることからそれを知り、時流を理解し、いろいろな組合せを考えていくことです。

また外部環境分析においても、お客様の変化に適応していかなければならず、競合ということでも真の敵は誰かと見抜く力を持たなければならない。目先の競合先ではなく、周辺異業種かもしれないということからです。

そして自社の真の強みを分析することです。強みという、ちょっとの差を活かすことによって、新たな付加価値や事業機会が発見できるかもしれません。この付加価値はヒトが生み出すものと言われています。

従ってやりがいのある仕事をいかに持つかです。やりがいはお客様の「ありがとう」という声や、喜ぶその姿から生まれます。それは自身の仕事への誇りを持たせ、目標達成に向けての原動力となるわけです。

そうしてみると、やはり「人」という分野が占めることが何よりも大きいわけです。いつも副読本にしている経営指針作成の手引きに載っているように、時代の流れを洞察し、企業の事業機会を変化の中から見つけ出し、自社の長所、短所を見きわめ改善する、つまり裏返して言えば、時代の流れにただ流されてしまっては、淘汰されてしまうという警鐘です。

またその他、同友会の各地で、こうした先進的な事例や差別化戦略を実施している企業をいくつか紹介していました。また改めて別の機会に紹介させて下さい。

2013.11.08

素敵なバスガイド No.2482

嬉しい悲鳴なのですが、ここのところ業務多忙で、なかなか落ち着いてこのカキコミができなくなっています。納期のない仕事が多いわけですが、それがニッチの部分として私たちが生かされる分野だと肝に命じています。昨日と一昨日、カキコミができず失礼致しました。 

鹿児島への小旅行から戻ってから、早2週間が経とうとしています。以前にも触れたかもしれませんが、隣近所の気の合う夫婦、5組10人での旅です。毎月奥様たちが積み立てをしていて、そのお金が貯まると3年に1度、どこかしらに旅行するというものです。

毎月1万円ぐらいの積み立てでも3年経つと馬鹿になりません。ですから比較的リッチな余裕のある旅行が組めるのです。この行き先を決める時から、何だかんだとメンバ-が集まるわけですが、顔を会わせるのが皆、楽しみにしているようです。

そんなわけで今年は2泊3日の鹿児島への旅に決まったわけですが、ちょうど台風27号と28号がこちらに向かっているときと重なり、いろいろと気を揉み、行く前から毎日、天気予報とにらめっこの状態でした。

でも誰の心掛けが良かったのか、台風がうまく逸れてくれ、往きに降りた宮崎空港は雨だったのですが、青島グランホテルでの昼食後、鵜戸神宮あたりはパスして一路鹿児島に向かいました。そして鹿児島市内に入ったときはもう雨がすっかり上がったのです。

こうして2日目、3日目と絶好のお天気に恵まれたわけですが、何と言ってもこの旅を満喫できたのは南国交通観光の素敵なバスガイドさんのお陰とも言えます。私たち一行はたった10人のツア-なのですが、現地での観光は本当に贅沢とも言える、大型バスに匹敵するような30人ぐらいのバスを貸切り、ガイドさんまでついていたのです。

まだ若くて可愛らしいガイドさんだったのですが、たった3日間といえども、少しでも私たちに旅を楽しんで頂こう、またご当地・鹿児島を好きになって帰ってもらおうとの心配りに溢れていました。特にはまた別の機会に、この地のことを触れたいと思いますが、胸に迫るものがあった知覧を見学後、車中でこの特攻兵士にまつわる話を聞かせていただきました。

それぞれの遺書まで詳細に聞かせてくれたことから、私はてっきり何かを読みながら話をしているものと思っていました。でも顔を上げてガイドさんを眺めると、手にしているものは何もありません。そう、すべて頭の中に入っていて、それを引き出してくれているのです。さすがプロの仕事だと感じたものです。

私はこちらに戻ってからもこの旅が楽しくて忘れられないものになったことから、このガイドさんにお礼の手紙を出したほどです。単純な私のことですから、お陰で鹿児島がとても好きになりました。食べ物はどれもおいしかったし、触れ合う人たちの温かさみたいなものを感じられたからです。

このように一期一会の出会いになるかもしれませんが、触れ合う人たちの印象がよいとその土地まで好きになるものです。私が手紙を書いたのは、そうした職業意識がどんどん乏しくなっている現在、いつまでもその良きものを忘れず、誇りを持ってその職に努めてもらいたいと願ったからです。良き思い出を持って帰ってくることができ、改めて人との出会いの素晴らしさを感じています。

2013.11.05

感動の楽天シリ-ズ制覇 No.2481

 ついに楽天が日本一になりました。球界の盟主とも言える、宿敵・巨人を倒しての堂々の日本一は、今尚、苦しんでいる東北の方々にとって、星野監督が言っていた雀の涙どころか、大きな元気と癒しをもらえるものになったのではないでしょうか。

それにしても異常なくらいの興奮と感動をもたらしてくれた日本シリ-ズ第7戦でした。特に前日の第6戦で160球も投げ完投した田中将大投手が、最終回マウンドに上がった時は球場のみならず、お茶の間でも最高のボルテ-ジが上がったのではないでしょうか。

テレビでも解説者の元投手の工藤さんが言われていたように、前日160球も投げれば肩から肘にかけて腕がパンパンに張って、とても投げれるものではないとのことです。まさに支えていたのは前日の口惜しさを晴らし、何とか優勝したいという、一途の精神力だけだったものと思われます。

ですから観ているこちらまでが何とか勝たせてあげたいという、強い気持ちになるものです。この執念と選手ひとり一人が持っていた、自分たちが優勝して東北を少しでも元気にさせてあげたいという思いは、私たちに涙が出るくらいの大きな感動を与えてくれました。

そうした意味ではやはり解説の古田さんが言っていたように、球史に残る日本シリ-ズではなかったではないでしょうか。正直、本来の力からすれば巨人の方が一枚も二枚も上だと思います。その巨人が持ち前の打棒が振るわず、対する楽天が失うものが何もないと伸び伸びとやっていたのに加え、東北地域を全て巻き込んだ大応援と願いがあったからこそ、もたらした勝利ではないでしょうか。

私はいろいろな行事が重なり、観たくても観れなかった今回の日本シリ-ズだったのですが、ようやく第7戦になって初めて最初からテレビ観戦することができました。そんなことからつい力が入ったかもしれませんが、近年になく、一挙手一投足に大声を出して観たほどです。

とにかく、東北の人たちのためにも楽天が勝ってくれて最高でした。これでマ-君にとっては、おそらく日本で投げることはもうないものと思われます。一部には来年も日本でその勇姿を見たいという人もいますが、これで潔く送り出してあげることができるのではないでしょうか。

大手を振って出て行けるだけの文句なしの大貢献だったと思います。それにポスティングが認められれば、球団にも一説には50億円以上という途方もないお金が入ってくるというものです。しばらくはそのお金で思い切った補強もできるでしょうし、球団経営が潤うものと思われ、何も反対する理由がないものです。

そんなわけで今年の上原投手同様、来年のマ-君の大リ-グでの大活躍を是非とも期待したいものです。久しぶりに大きな感動を与えてくれた両チ-ムの選手の皆さんに、ただただ感謝の一言です。そして優勝を決めたのが11.3日、あの3.11の裏返しで、奇妙な縁を感じています。