会長の”三行日記”

2014.07.25

北岳挑戦その3 No.2599

 15時過ぎ、そんなわけでやっと今日のお宿、北岳山荘に着きました。この山荘、少し山小屋にしてはモダンなので一行に聞いてみましたところ、あの黒川紀章氏設計だとのことです。ああ、なるほどと、うなづける近代的な2階建ての建物でした。

7月5日(土)北岳山荘にて

ああそうそう、トラバ-スからこの山荘に向かう途中、ライチョウにもお目に掛かれたことを忘れていました。やはり梅雨時で登山者が少ないお陰でしょうか、これもラッキ-の1つです。

ちょっと霧が掛かっていて写真が見にくいかもしれませんがご覧ください。

北岳山荘には寝具なしの素泊まりということで、案内されたのが2階の頭が柱につくような部屋です。それでも食事つきの泊り客を優先したくなるのは当たり前の話で、寝場所さえ確保できれば何も文句はないというものです。

早速、荷物の整理をして後は楽しい宴会を待つばかりです。

山荘の自炊場は食堂とは別の場所にあって、他のパ-ティ-とも一緒です。

でも皆、和気藹々で、手間暇掛けるからこそ盛り上がることを実感したのです

まずはわけありビ-ル(250円)で乾杯した後、リ-ダ-と私が持参した日本酒(純米吟醸と大吟醸)の味比べです。

どちらかと言うと、リ-ダ-が持参した純米吟醸の方に分があったように思われますが、今晩のメイン料理「かつ丼」にはいささかビックリ仰天しました。

何しろ全て持参した材料で、ここでの「かつ丼」作りが始まったからです。玉ねぎを刻み、卵を溶くところから始まった、いわゆるレトルトものではないのです。

そう言っては悪いのですが、これでは山小屋特製の料理でも敵うはずがありません。たいそう舌鼓を打ちながら時を忘れて楽しめたものです。

それからもう1つサプライズがありました。一行の中にこの日が誕生日の方がいたことで、下界からわざわざご覧のケ-キをさげてきてくれたことです。

これにもビックリさせられました。そうした祝う気持ちがなければなかなか叶うものではありません。

こうして楽しい山小屋での宴会も、時間を忘れるほど続きましたが、何しろやり始めが4時過ぎですから終りの時間も知れたものです。

早々に夜8時には一同、シュラフに包まり、あすの天気を願って就寝です。きっと今朝の早い出発で今夜はぐっすり眠れるのではないでしょうか。

材料のトンカツはもちろんのこと、卵、玉ねぎ、タレまでリ-ダ-が全て調達し、重いザックにさげてきてくれたのです

山の上でのバ-スデイケ-キも格別なものでしょう

2014.07.24

食中毒 No.2598

 梅雨が明け毎日暑い日が続きます。熱中症にはくれぐれもご注意いただきたいと思います。この時期、もう一つ気をつけたいのが食中毒です。ものが傷みやすい時期でもあるし、湿気と高温でカビや細菌が繁殖しやすいことからです。

この食中毒に関して先日、テレビでも採り上げていました。梅雨から夏場にかけて急増するわけですが、高温多湿な環境では特にサルモネラ菌の他、O157など腸管出血性大腸菌などの食中毒が増えると言います。

肉や魚、卵などの動物性食品がその原因となっていますが、野菜に付着した菌が原因となることもあるそうです。特に生肉などを切った包丁でよく洗わず、そのまま野菜などを刻んだりすると菌をまき散らしているようなものだと指摘します。

またバ-ベキュ-などでも肉を焼くとき、掴んだトングをそのまま焼き上がった肉などに使うこともご法度です。トングは面倒でも分けて使わなければいけないのです。同じようにまな板も分けないといけないと言われています。

それから卵などをよく容器に入れて食卓に出されますが、この容器のまま生卵を入れてかき回すのもいけません。卵の殻に付いた細菌を取り込んでしまうからです。ですから卵を割ってかき回す容器は面倒でも別のものにしなければいけません。

この他、冷蔵庫を過信するのもよくないと言われています。冷蔵庫は入れておけば安心というものではなく、少しだけ物の傷みを遅らせるというふうに捉えておいた方がよいと言われます。

特に詰め込み過ぎたりすると冷気の循環が悪く、効率よく冷やすことができないほか、余分な電気量を消費することにも繋がります。また消費期限が切れたものでも冷蔵庫に置いておけば大丈夫ということではなく、少しでも怪しいと思ったら捨てる勇気も大切だと指摘します。

また台所はこうした菌の蔓延る場所ですので清潔にしておくことはもちろんですが、特に濡れた台ぶきんやスポンジなども放置するのもよくないそうです。よく絞ったり乾かして使わなければいけません。

このようにちょっとしたことに気をつけていれば食中毒も防ぐことができるわけです。最後にこうしたいろいろな食材を扱う私たちの手ですが、少なくとも30秒以上石鹸等をつけて丁寧に洗わなければいけないと言われていました。

とにかく家庭での食中毒を予防するポイントは「食中毒菌を付けない、増やさない、やっつける」の3原則とのことです。家内のやっているひだまり亭も、集会所の冷蔵庫を使用できないため、こんな食中毒等の防止のため8月は1か月間お休みです。くれぐれもご注意いただき、暑い夏を乗り切って下さい。

2014.07.23

北岳挑戦その2 No.2597

 大樺沢二俣を出発したのが9時半ごろ、途中からは少し角度が急になりましたが、約2時間半ぐらい雪渓を歩いたでしょうか、ちょうど12時八本歯コルの直下に何とかたどり着きました。やはり慣れない雪の道で初心者の私などを抱えているせいか、いつもより時間が掛かったようです。

7月5日(土)八本歯コル直下~北岳山荘

さてここからは真上に上がるような梯子の連続です。幸い雨は小降りになってきたものの、これでもか、これでもかと続く梯子の階段にはいささか、うんざりしたものです。

かなり角度もきつく、頑丈な木製の梯子を恨めしく眺めながら約40分後、やっと八本歯コルに出ました。

ここまで来るとこの先晴れてお花畑が見れるというものの、息が切れ切れて登っているうち、何となく気持ち悪いような感じに襲われました。

これが高山病に似た症状なのでしょうか。何しろ登り始めの広河原の高度が1600m、そしてここ八本歯コルは約2900mの高さです。それからトラバ-ス分岐まではまだまだ上りが続きます。

標高差600m南アルプスを代表する大岩壁の北岳バットレス

40分掛かってやっと八本歯コルです

これだけの高度差を一気に登ってきたら、やはり慣れない人間は少しおかしくなるのではないでしょうか。

正直、その途中はもう山は金輪際やめようかと思ったほどです。こうして何とか約1時間掛けてトラバ-ス分岐までたどり着きました。

そんな心身ともにクタクタな自分を慰めてくれたのは何と言っても見事なお花畑です。

黄色がシナノキンバイ?、そして白いのが一面に咲くハクサンイチゲ

お目当てのこの地にしか咲かないと言われるキタダケソウです

トラバ-ス分岐からは今日は山頂に登らず、眼下に見える北岳山荘に泊まるのです。

これが精神的にも楽になったのと、一度高度の高いところから下がるのも幸いしたのか、気持ち悪さは次第に解消していきました。

しかしそれよりも一番気分を持ち直すことができたのは一面に咲くお花畑だったことに違いありません。

私たちのリ-ダ-であるS氏によると、キタダケソウは石灰岩質の地に自生すると言われ、この地のみに咲く花ということです。しかも梅雨時のこの7月の初旬しか見られず、どちらかと言うと1週間前の方がもっと見事だったかもしれません。

でも来週ではほぼ終わりと聞きますので、初めて北岳に登った自分がキタダケソウにお目に掛かれたことは、かなりのラッキ-とも言えることです。そう聞くと単純な私はとても嬉しくなるものです。とにかくキタダケソウのお陰で、気分がすっかり晴れた私でした。