会長の”三行日記”

2015.09.04

ちょっと良い話125 No.2756

 とても心温まる話です。バスの運転手が、車内で泣き始めた乳児をあやせず困っているお母さんに、掛けた一言がネットでも話題を呼んでいるようです。そのちょっと良い話をご紹介します。

8月31日午後、15人ほどが乗った横浜市営の路線バスで母親の腕に抱かれた赤ちゃんがぐずり始めた。母親と友人の女性が2人であやしていたが、赤ちゃんは手足をばたつかせ泣き声は大きくなるばかり。

友人は途中で下車し、母親は立ち上がりあの手この手であやすも泣きやむ気配はなかった。10分ほど経った時、車内アナウンスが流れた。

「お母さん、大丈夫ですよ。赤ちゃんですから気になさらないでください。きっと眠いか、おなかすいているか、おむつが気持ち悪いか、暑いかといったところでしょうか」

明るい口調でミラー越しに語りかけたのは、鈴木健児さん(46)。乗車歴20年のベテラン運転手だ。「迷惑をかけないよう何とかしたい、というお母さんの焦りをひしひしと感じた。

今後バスや電車を使うのをためらうんじゃないかと心配になって」と振り返る。このやりとりがネットに投稿されるとツイッターなどで拡散され、「感動。まさにプロ」「運転手さん素晴らしい」などの投稿が相次いだ。

何ともほのぼのする話ではないでしょうか。とかくこのような場面に遭遇すると人は大概、観て見ぬ振りをしがちなものです。そんな中で運転手さんの掛けた一言は困っていたお母さんに限らず、居合わせた乗客の皆さんの心にも沁みたのではないでしょうか。

袖擦り合うも他生の縁」と昔から言われているとおり、ちょっとした出来事も偶然ではなく、前世から引き継がれている因縁のようなものとして、少しでも人々に温かくj関わっていきたいものです。きっと良いことのおこぼれもあるのではないでしょうか。

2015.09.03

トリプルスリ- No.2755

 トリプルスリ-って言葉を知っていますか。またまた野球の話で恐縮ですが、打率3割、30本塁打、30盗塁を達成することを言います。意外にこの達成は難しいらしく、過去名選手の何人もの人たちがあと少しのところで1部門が達せず逃しています。

そんなわけで長いプロ野球の歴史でも今までに達成した人はわずか8人です。打力が良くても足が遅ければ盗塁数が足りなかったり、また攻守走3拍子揃っていても、ホ-ムランを30本も量産するのは大変だからです。

しかし今シ-ズンは一挙に二人の選手の達成の可能性が高まっています。ヤクルトの山田哲人選手とソフトバンクの柳田悠岐選手です。共に20代という若手の二人の躍進はめざましく、9月2日終了時点で、山田選手は打率.328・33本塁打・27盗塁、また柳田選手は打率.362・29本塁打・26盗塁という素晴らしい記録を残しています。

ですからここまでの成績ならば、もうほとんど達成目前です。極端な不調やケガさえなければ、その可能性は十分高いと言えるのではないでしょうか。お蔭で両チ-ムとも現在好調で、ソフトバンクは首位を独走しているし、ヤクルトは山田、川端両選手や投手陣の頑張りで、首位阪神や巨人に劣らない成績を残しています。

両選手が達成すると2002年の松井稼頭央選手以来、実に13年ぶりのことだと言われています。それくらい達成が難しいもので、打撃の神様と呼ばれた巨人の川上哲治さんも卓越したバットコントロールでしたが、現役生活で本塁打が30本を超えたことがなかったと言います。

川上さんはあまり足の速い方ではありませんでしたが、投手のクセを盗むのがうまかったので1950年は30盗塁を上回ったのですが、本塁打は29本であと1本足りなかったのです。また面白いのが長嶋さんです。

プロ入団初年度の1958年には本塁打だけが1本足りず達成できなかったのですが、この年の長嶋さんには幻となった本塁打があるのです。例の1塁ベースを踏み忘れてアピ-ルされた後、塁審から「アウト」の宣告を受けていたのです。

まあ長嶋さんらしいとも言える話ですが、記録よりも人々の記憶に残る男と呼ばれるゆえんなのです。それにしても山田選手と柳田選手の今シ-ズンの活躍は見事ですね。特に山田選手の場合、面白いのは所属するヤクルトの3人が現在3冠王となっていることです。

今日現在で本塁打は33本で山田選手がトップ、打率は.340で川端選手、そして打点は畠山選手が89で1位ですが、打率、打点両部門でも山田選手が.328、86打点と2位につけているのです。

ですからチ-ムの3人で3冠王という可能性と、山田選手個人でもその可能性というものを残しているのです。これでは昨年と異なりヤクルトのチ-ム成績が上がるわけです。でもこうした素晴らしい記録達成の前には見えない壁というか、いろいろな巡り合わせがあると言われています。

それだけに故障もすることなく、このまま突っ走ってもらいたいものです。そんな山田選手ですが今シ-ズンの初めには不振で喘いでいた時期がありました。昨年上げた成績で各チ-ムのマ-クが厳しくなったからです。でもコ-チと共に励む練習を怠らず克服していったのです。

柳田選手もそうでしょうが、「練習で流した汗は、嘘をつかないし裏切らない」ということでしょうね。楽しみな二人の選手の活躍で日本のプロ野球が少し面白くなっていきそうです。

2015.09.02

オリジナリティ- No.2754

 2020年東京五輪の公式エンブレムが白紙撤回されました。製作者の作品がこのエンブレムに限らず、あちこちで模倣疑惑を生じているからです。エンブレムがベルギーの劇場ロゴに似ているのをはじめとして、指摘されている案件はサントリ-、東「山動物園、太田市美術館図書館など少なくありません。

またこれに限らず、街頭でのエンブレムの使用イメージ画像に、他の人のブログに掲載された写真を無断登用したという疑惑まで出てきたのです。このイメ-ジに当たる空港施設の画像は、外国人女性が東京・羽田空港を撮影してブログに掲載した写真と酷似していて、まさにエンブレムの写真をただ入れ替えただけのものなのです。

これではもう言い逃れはできません。作者はエンブレムに関しては模倣ではないと言いながらも、五輪への影響の大きさを考えて取り下げを申し出たと言います。これを受け大会組織委員会が決めたわけですが、至極当然なことではないでしょうか。

私たち素人と違って、こうしたデザイナ-という人たちは感性に優れ、非凡なオリジナリティ-で仕事を動かしている方々です。そこにとても真似のできない、斬新で独創的なものを生み出しているから、畏敬の念を感じているわけです。

それがいとも簡単に人の作品を模倣や流用をして自分のものにしていれば、もうそれはオリジナリティ-がないわけでデザイナ-とは呼ぶことができません。そんなわけで新たに仕切り直しされることになったわけです。

それにしてもネットでの人々のチェックの鋭さには恐れ入りました。一部には似たようなものをチェックできるアプリがあるとも言われているものの、模倣なのか、オリジナリティ-なのかを判断するのには、かなり根を詰めた作業を要するのではないでしょうか。

今回のことで東京五輪に向け、新国立競技場に続き、また足を引っ張る問題になってしまいました。東京五輪が決定したときには日本中、あんなに喜んで全ての人がワクワクした気持ちにも水を差すことになります。

従って新たなエンブレムの公募にしても、開かれたル-トで透明性のある選択を是非願いたいものです。そしてもう私たちが生きているうちには我が国で開かれることはないでしょうから、日本らしくシンプルでしかも世界に堂々と誇れるものであって欲しいと願っています。

でもこうした準備段階のものとは別に、先日の陸上の世界選手権など観ていてもつぶさに感ずることですが、あと5年に迫った東京五輪の本番は果たして大丈夫でしょうか。先日同様、目論見とは違って惨敗にならないよう、もう少し手を打つ必要があるように思えます。とにかく五輪で勝つことが私たち国民が一番盛り上がることなのです。