会長の”三行日記”
2015.09.17
セリ-グの混戦 No.2765
ペナントレ-スも終盤に差し掛かり、パリ-グはソフトバンクで決まっていますが、セリ-グの混戦から目を離せなくなっています。17日現在でわが愛するヤクルトが首位で、阪神が1ゲ-ム差、そして3位巨人とは2ゲ-ム差と、ほとんどあってないような差なのです。
またもう一つ注目すべきは広島の勢いです。いつのまにか勝率を5割に戻し、首位と3.5ゲ-ム差に迫っています。この先優勝はちょっと厳しいかもしれませんが、クライマックスシリ-ズ出場は十分可能性があるのではないでしょうか。
各チ-ムの残り試合がヤクルト14、阪神14、巨人13、広島16となっています。面白いのは各チ-ム必ず苦手にしているチ-ムがあるもので、残りの対戦相手からも優勝を左右しかねません。
まずヤクルトが10勝12敗で唯一負け越しているのが阪神です。その阪神は巨人と広島に大きく負け越していて、併せて7試合も残しています。そして巨人は広島に分が悪いのですが残り試合は1つしかありません。また広島はベイスタ-ズと中日との対戦が悪く、併せて残り7試合もあります。
こんなことから占うと、まず阪神と広島はかなり苦しいのではないでしょうか。そしてヤクルトも当面のライバルである阪神と3つ、巨人と5つ、また広島とも4つ残していて、併せて12試合もありますから楽な戦いではありません。
そうするとこうした傾向からは巨人が一番有利かもしれません。要はヤクルトと巨人の残り5試合がかなり命運を決めるのではないでしょうか。そんなわけで今夜からのヤクルト-巨人2連戦から目が離されません。
ただ残り対戦相手ではなく各チ-ムの戦力状況を比べると、私は贔屓から決して述べるわけではありませんが、ヤクルトが一番打撃が良く有利のように思えます。まずトリプルスリ-の山田選手はじめ、川端、畠山両選手も実によいところで打っています。
そしてチ-ム打率も一番よく、逆に6チ-ムで一番悪いのが何と巨人なのです。過去チ-ム打率が最低なチ-ムが優勝したことはセパ併せても4回しかないと言われます。昨年もこの巨人、チ-ム打率は6チ-ム中5位で優勝だったのですが、走者を置いての得点圏打率がトップだったそうです。
それが今年はその得点圏打率もよくありません。つまりチャンスでなかなか打てないのです。また投手陣を比べたら各チ-ム互角ではないでしょうか。ただ抑えの投手ではヤクルトのロマン、オンドルセク、バーネットの3投手勝ちパタ-ンの継投が一番安定しているように思えます。
そんなわけで希望的観測もあって素人がペナントの行方を占ってみましたが、どうなることでしょう。いずれにしても近年にない展開で、プロ野球を最後まで楽しませてもらえています。
願わくば1年目の真中監督率いる、大好きなヤクルトに勝ってもらいたいものです。そういえばパリ-グのソフトバンク監督も1年目の工藤さんでしたね。でも本当のことを言うと、ヤクルトが今年こんなに活躍するとは思ってもみなかったのが正直なところです。
2015.09.16
安保関連法案の重要局面 No.2764
安全保障関連法案が重要局面を迎えています。60日ル-ルではなく参議院で可決しようとする与党と、これを様々な手段を使っても何とか食い止めようとする野党との間に、壮絶な攻防が繰り広げられています。
この採決を強行しようとしている法案について、お馴染みのコリア・レポートの編集長の辺真一さんが、アメリカと北朝鮮の間で有事が発生した場合、アメリカ側についた日本は無傷ではいられなくなる可能性があると警鐘を発しています。
以下はその論説の要約内容です。まず戦う理由がない日本と北朝鮮の関係について述べています。日本と北朝鮮はパレスチナとイスラエルのような不倶戴天の関係にはなく、日本が北朝鮮から狙われ、攻撃される謂われもない。
日本は北朝鮮を併合、統合する意思もなければ、国交はないものの主権国家として尊重している。日本は北朝鮮とは「撃ち方、止め」の状態にある米韓と違い、交戦国家でもない。従って、北朝鮮からミサイルで狙われる理由は何もない。
安倍政権は「ノドン」など北朝鮮が配備している数百発のミサイルが日本にとって脅威であるとしているが、地理を観れば一目瞭然だが、日本は北朝鮮との間には印パのような国境紛争も、あるいは日中や日ロ、日韓のような資源紛争も、領土問題も存在しない。
広い日本海を共有していて、排他的経済水域もかち合ってない。中露韓とは異なり軍事衝突の火種は何一つない。何と言っても、日朝間には2002年9月に小泉総理と金正日総書記の間で交わした「平壌宣言」という「歯止め」の担保がある。
小泉政権以後の歴代政権も、また今の安倍リターン政権もこの「平壌宣言」を踏襲している。自民党政権であっても、民主政権であっても、総理がタカ派あるいはハト派であっても「拉致と核とミサイル問題を包括的に解決し、過去を清算し、国交を正常化する」のが日本の対北朝鮮政策の基本方針となっている。
北朝鮮のミサイル問題を例に集団的自衛権の行使の必要性を説いている今の安倍政権も、2014年5月に金正恩政権を相手に交わした日朝合意で「北朝鮮側と共に日朝平壌宣言に則って、不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、国交正常化を実現する意思を改めて明らかにし、日朝間の信頼を醸成し関係改善を目指すため、誠実に臨む」と宣言している。
但し、脅威に感じるとしたら、唯一の例外は、北朝鮮と米国もしくは韓国が交戦状態となり、日本が米韓に協力した場合のみ現実となる。北朝鮮の外相は日本を米国の追随勢力と位置付け、仮に第二次朝鮮戦争が勃発すれば「日本も攻撃の対象になる」との見解を示していた。
それでも日本への攻撃には「米国が戦争を引き起こした場合」とか「自衛隊が戦争に介入すれば」との前提条件が付いていた。仮に米朝や南北間で戦争が勃発すれば、日本が巻き込まれ、火の粉をかぶるのは目に見えている。
日米安保条約の中(第6条)に日本の安全と、極東における国際平和と安全を維持するため米軍が日本の施設と区域を使用することが許されているからだ。米朝が戦えば、朝鮮半島で火が噴けば、自動的に在日米軍は参戦する。
沖縄から米海兵隊が朝鮮半島に上陸し、横須賀から米空母が出動し、そして三沢など在日米軍基地から戦闘爆撃機が発進されることになる。日米安保条約が適応され、日本は米軍の補給基地、兵站基地、あるいは後方基地になる。
仮に戦闘に直接加わらない後方支援であったとしても、北朝鮮は「準軍事行動」とみなし、ミサイルの脅威にさらされることになるだろう。湾岸戦争の際、米軍に協力したことでイラクからミサイルを撃ち込まれたサウジアラビアの二の舞になるのは確実だ。
肝心の米朝交戦だが、北朝鮮が世界最強の米国に先に手を出すことは常識では考えられない。犬の喧嘩に例えれば、スピッツがドーベルマンに喧嘩を仕掛けるようなものだ。北朝鮮がいかに米国を言葉で威嚇したとしてもそれは弱者の虚勢にしか聞こえない。しかし、その逆はあり得る。米国による北朝鮮への先制攻撃だ。
米国、あるいは日本が北朝鮮のミサイルを迎撃、あるいはミサイル基地を叩いた場合、どうなるか?朝鮮は2009年のテポドン発射の後に訪朝した米高官に対して「迎撃されれば、日米のイージス艦を撃沈する態勢にあった」と伝えていた。
実際に放映された映画には、金正恩氏が2009年4月5日のミサイル発射を、金正日総書記と共に平壌の管制総合指揮所で参観していたことが判明していて、そのナレーションで、なんと「仮に迎撃された場合、戦争する決意であった」との金第一書記(当時党中央軍事委員会副委員長)の言葉が流れていた。
安倍政権は、日本が米軍に協力しても戦争に巻きこまれることはない、むしろ抑止になると国民に説明しているが、こと朝鮮半島有事では米国の「番犬」となれば、100%戦争に巻きこまれることになるだろう。
このような論説を述べています。つまりこのような事態になれば、否が応でも日本は戦争に巻き込まれることになるのです。従って絶対認められない法案ですね。何がなんでも阻止したいものです。
2015.09.15
人事を尽くして天命をもぎとる No.2763
「人事を尽くして天命を待つ」という言葉がありますが、そんなものでは甘く「人事を尽くして天命をもぎとるのだ」という記述がありました。スポーツジャーナリスト二宮清純氏から聞いた話とのことです。
この度、初代のスポ-ツ庁長官に任命された、あのソウルオリンピック金メダリストの鈴木大地さんの獲得秘話です。100メートル平泳ぎ決勝は鈴木選手が3レーン、ライバルのアメリカのバーコフ選手が4レーンを泳ぐ。ただし鈴木選手の決勝に至るまでの泳ぎでは、到底優勝候補であったバーコフには勝ち目がない。
そこで鈴木選手は作戦を考えた。彼はバサロ泳法の回数を23回から、予選でも練習でもやったことのない27回に、距離にして5メートル延長して勝負に挑んだ のだ。これにより、隣を泳ぐバーコフがあせった。2人は入り乱れるようにゴールへ、まさにタッチの差で鈴木選手が金メダルを獲得した。
じつは鈴木選手は、このときのために手の爪を3~4センチ伸ばしていたという。その長く伸びた爪の分早くゴール板にタッチし、まさにミリ単位の勝負に勝ったのである。執念の勝利といってよい。
二宮氏は最後にこう語ったそうです。 「人事を尽くして天命を待つ」ではなく「人事を尽くして天命をもぎとるのだ」と。勝ちには勝つだけの理由がある。負けに は言い訳だけが残る。一流の人とは、まさに勝つための執念をもち、勝つための努力ができる人をさすに違いない。
また有名な作詞家の北原白秋さんにもこんな逸話があるそうです。大正・昭和初期に活躍し、「この道」など童謡の作詞者としても知られる北原白秋は、57歳で没するまで、「詩道一筋」の生涯を送った。
次々と傑作を著わし、大衆に支持された白秋は、いわゆる「天才」のひとりといえるかもしれない。しかし現実には、そこには血のにじむ努力の積み重ねがあった。北原白秋の「努力」への信念に関して、「詩歌の修行」(岩波書店『白秋全集24』所収)に次のようなエピソードがある。
ある時、彼は、若い急進派の歌人から批判を受けた。「あなたの歌はやはり型にはまった31文字の歌で、新しい現代の歌といっても、以前の旧派の歌とはただ紙一重の相違ではないか」それに対し、白秋は答える。
「そうです、ほんの紙一重です。しかしこの紙一重のために、この30幾年という長い年月を私は苦労してきたのだ」――そして水泳の競技にしても、ほんの1秒の何分の1という違いを競って新記録をつくるために毎日、朝となく夕となく涙ぐましい練習を続けているとし、「詩歌の修行も同じである」と述べている。
さらに修行について白秋は「突拍子もない大々飛躍などということはめったにできるものではない。修行というものは、石なら石をひとつずつ積みあげていくようなもので、根気よく、こつこつと仕事の力と量とを積みあげていかねばならない。どれだけ天賦の才に恵まれていても、この平生の努力を怠れば、ついには何の業をも大成し得ないであろう」と。
この北原白秋さんと鈴木大地さんはどちらも紙一重のためにしのぎを削り、必死の努力を重ねているわけです。このことが天才と言われる人の真実の姿だと言われているのです。そしてさらに次のように指摘しています。
たしかに、現在のレベルに満足し、“これでよし”とする人に、成長はない。つねに初心にもどり、“もっと努力しよう”“もっといい作品を残そう”という心をもてる人が向上していけるのであろう。これは現実の生活のなかにおいても、ビジネスにおいても同じことに違いない。
妥協を許さず、絶えず前進あるのみということです。私などは現状にすぐ満足してしまうタイプですから、成長するわけがありません。こうした一流にはとてもなれませんが、牛歩の歩みでもよいから人間として少しずつ成長していきたいものです。