会長の”三行日記”
2015.09.25
社員が幸せと言える会社その2 No.2768
前回は残業もすることなく5分のムダを6つ集めて30分の自由時間を生むという、未来工業を紹介させて頂きましたが、そればかりでなくこの会社、社員旅行などについても半端ではないので引き続き紹介いたします。
とにかく、それはため息がもれるような豪華さで、耳を疑いたくなる常識外れだというのです。世界遺産52カ所をめぐる豪華13コースなど、記載されていたのは以下の通りです。
「社員旅行の行先がイタリア??しかも総額2億円は会社持ち!?」そんな話を聞けば、「今どき、そんな気前のいい会社がホントにあるの?」と思う人も多いのではないだろうか。
社員旅行自体が下火になる中、岐阜県にある未来工業は、そんな豪華旅行を5年置きに実施している。費用は「全額、会社負担」。宿泊先も「4つ星ホテル以上」が前提だ。
創業50周年に当たる今年の訪問先は、イタリア。イタリア国内の52の世界遺産を網羅する全13コースが用意され、社員は一人ひとり好きなコースを自由に選べる仕組みになっている。
今回はいちばん人気が「水の都」ベネチアのコース。「世界最大の仮装パーティ」で有名なカーニバルの開催日と、旅行期間が重なったからだ。しかし、これだけで、うらましがるのはまだ早い。
なんと、未来工業の社員旅行には「驚くべき豪華賞品」が付いてくるのだ。今回の社員旅行では、「社内写真コンテスト」が実施された。社員が現地で撮影した写真を応募。帰国後に社内で行われる審査会で選ばれると、「驚くべき常識外れ」の豪華賞品をもらうことができる。
第5位までの“豪華”すぎる賞品は、以下のとおりである。第1位?新会社を設立し、社長に就任できる権利 新規事業会社を立ち上げて、そこの社長に就任できる権利。
第2位?有給休暇を実質1年間取得できる権利 年間休日140日と有給休暇40日に、特別休暇180日を加えて約1年間の有給休暇を取れる権利。ただし、分割取得はできない。
第3位?有給休暇を50日取得できる権利 第4位?社長に豪華夕食をごちそうになる権利 第5位?1年間、週休3日制にできる権利 現状の週休2日制に、さらに1日を加えて連続で休める権利。
もちろん上記の賞品を獲得したとしても、「権利を実行する」かどうかは別問題。8月末時点で、実際に権利を行使したのは、第5位の「週休3日取得権」を得た社員だけらしい。しかし、無料の社員旅行で、しかも写真コンテストの賞品がこれだから恐れ入る。
いったい未来工業は、なぜ社員のためにそこまでやるのだろうか?豪華社員旅行を推進したのは創業者の故・山田昭男氏だ。山田氏は生前、それを「アメ・アメ・アメ」作戦のひとつだと話していた。
「『アメ』をやるから働け」では社員をバカにしていると考えている、先代社長のこの考えについては次回また紹介したいと思います。とにかく一般の会社とは大きな差別化を図っている未来工業です。とても信じられないような素晴らしい社員の幸せを考えている会社です。
来週月曜日の28日は神奈川県寒川町の体育館に工事で出張するため、カキコミは休ませて下さい。
2015.09.24
歴史的勝利 No.2767
シルバ-ウィ-クと呼ばれた5連休が終わりました。今年は土日の連休と敬老の日及び秋分の日がうまく続いたため、こうした長い連休となったのです。しかも、いつからか判らないのですが、祝日が飛び石で重なると真ん中の日は国民の祝日となるそうです。
こんなわけで思いがけない5連休を過ごさせて頂いたのですが、その間、日本ラグビ-が凄いことをやってくれました。まさに歴史的勝利と呼ばれているくらいで、世界ランク第3位の南アフリカにワ-ルドカップ初戦で勝ったのです。
しかも終了間際で逆転トライをあげたのです。ラグビ-の詳しいことはよく分かりませんが、この大詰めの日本の攻撃はトライを狙って逆転を目指すのか、またペナルティ-キックで3点を上げ同点を目指すのか、二者択一の選択を迫られていたのです。
どうもコ-チの選択は反対だったようですが、日本フィフティ-ンは迷わずトライを選択し逆転の勝利を目指しました。そして結果は見事な逆転勝利に繋がっていったのです。まさにこの勝利はアッパレの一言で、日本中のみならず、世界中のラグビ-ファンの度肝を抜くことになったのです。
このトライを挙げたのがニュージーランド出身のカーン・ヘスケス選手です。そしてチ-ムをまとめている主将もリーチ マイケル選手もやはり同国出身で、どちらも元々は外国出身の選手です。ただリーチ マイケル選手は2年前に日本国籍を取得していて、11年以上日本で暮らしているため、日本語も上手に話します。
このように日本チ-ムと言っても、結構、外国人のような人が多かったことに気づかれたと思われますが、ラグビ-は外国人選手の扱いについて他のスポ-ツとどこが違うのか、少し疑問を持ちましたので調べてみました。
その結果、代表資格は次の3つの条件のいづれかを満たしていればよいことが解りました。1つ目はその国や地域で生まれたことです。そして2番目としては両親または祖父母の一人がその国で生まれていることです。
またもう一つとしては、36ケ月以上その国・地域に居住していることです。つまり日本国籍をとったマイケル選手のケ-スでなくても、日本に3年以上住んでいれば出場できるのです。これならいわゆる外人枠が緩くなるわけです。
今回のチ-ムでは10人の外国出身の選手の内、5人は日本国籍を取得しているそうです。こうした元々の日本人以外の選手が増える傾向にあるラグビ-について、一部批判もあるみたいですが、代表で素晴らしいゴ-ルキックを決めている五郎丸選手は次のように語っています。
「彼らは母国の代表より日本を選び日本のために戦っている最高の仲間だ。国籍は違うが日本を背負っている。これがラグビーだ」。そして常々日本人の積極起用を訴えていたヤマハ発動機の清宮克幸監督も、南アフリカ戦を観てその考えが変わっているみたいです。
とにかくエディ・ジョーンズヘッドコーチはじめ、こうした人たちが日本ラグビ-を強くし、ここまで押し上げてくれたと言ってもよいのではないでしょうか。2回戦対スコットランド戦は残念ながら負けてしまいましたが、まだまだ日本チ-ムの躍進が期待できます。
できれば予選リ-グを何とか2位以内で勝ち抜き、それこそ歴史的な決勝ト-ナメント進出を果たしてもらいたいものです。
2015.09.18
社員が幸せと言える会社その1 No.2766
先週、月曜日から金曜日まで、定時になるとそそくさと帰っていた社員が土曜日の朝礼中、明日仕事が終わらないから休出させて下さいと申し入れがありました。私は直ちにそれは少しおかしいのではないかと、即座に休出を認めませんでした。
それはあまりにも計画性に乏しかったからです。それならなぜその前に少しでも残業して、休出しなくてもよいように仕事を終わらせるようにしなかったかと疑問を覚えたからです。結局その日の土曜日に遅くまで掛かって仕事を終わらせましたが、私たち企業のレベルはその程度です。
そんな私たちとはとても比較にはなりませんが、「残業が日本一少ない」「休みが日本一多い」「売上目標や営業ノルマがいっさいない」そんな「日本一『社員』が幸せ」といえる会社を紹介していました。
岐阜県にある電気・設備資材メーカーの未来工業です。私もかつてこの会社を訪れたことがありますが、とてもユニ-クな会社です。昨年、創業者である山田昭男さんが亡くなられてしまいましたが、その精神は立派に引き継がられています。
同社はスイッチボックスなどの電気製品を製造していますが、その分野では国内トップシェアを誇っていて、2010年から始まった「日本一大切にしたい会社」大賞も受賞しています。この「なぜ会社はそこまで社員を大切にするのか?」という理由を探っていた記事を見つけました。
まず7時間15分の就業時間と残業禁止を採り上げていました。いわゆる毎日が「ノ-残業デ-」なのです。この会社では夕方4時45分になると帰り支度を始め、5時にはほぼ誰もいなくなるというのです。もちろん仕事の持ち帰りも禁止です。
かつてその様子をテレビ「カンブリア宮殿」で紹介されていましたが、ある中堅社員は「家族との夕食を毎日とれるのが幸せ」と話していて、他社から転職してきた独身社員は、「平日に自分の時間がいっぱいあるので、前職ではあきらめていた『平日“婚活”』をやってみます!」と宣言してみせたというのです。
それでもこの未来工業は残業禁止の導入後30年間、赤字決算はなく、経常利益率の平均も10%を上回っていて、残業禁止で1日7時間15分しか働かないのに、儲かる会社であり続けているのです。
しかし以前の未来工業は午前8時始業で午後5時終業、繁忙期には残業もある、ごく普通の会社だったそうです。そして「残業禁止になる前は、定時に帰るという発想もなかった」という社員もいたほどだというのです。
それが今のような楽園企業に生まれ変わったのには次の3つの理由があったからと言われています。1.スーパーの閉店時間に間に合わないから 「17時に仕事が終わっても、近所のスーパーの閉店時間に間に合いません」
本社が大垣市内から移転すると、同市内に住む多くの社員は、20分以上早く自宅を出なければならなくなり、退社時間も遅く、女性社員からは「スーパーの閉店時間に間に合わない」と不満が寄せられたのです。
このことから創業者の決断で30分始業を遅らせ、終業時間15分早めた7時間15分の勤務体制が生まれたのです。2.残業手当を払うのが、もったいないから 「残業手当は、もったいないから払いたくない」
生前の山田氏は、実に率直にそう話していたそうで、それは残業手当は、基本給の25%もの割増しになるためだからです。ただこのことも相手を煙に巻くのが上手な人だっただけに、発言も額面どおりには受け取れないかもしれないとのことです。
むしろ次の3番目が最大の理由だと思えると言います。 3.仕事だけで人生を棒に振ってほしくないから 「ウチの社員たちには、ほかの会社みたいに、一度きりの人生を仕事だけで棒に振るような人には、なってほしくなかったんや」
このように話している未来工業には、まだまだとても真似できない発想や取り組みがいっぱいあります。とても1回では紹介しきれないことからまた次回に譲りたいと思います。とにかく、社員を大切にすることでやる気を引き出し、大きな成果を上げている会社です。羨ましい限りです。