会長の”三行日記”

2016.08.24

心打つ10の約束 No.2881

 我が家の愛犬も平成16年生まれですから今年12歳、13年目を迎えています。今年が猛暑、酷暑の関係でこの夏、少しへばった期間もありましたが、今では回復し相変わらずの元気印そのものです。そうしたペットを飼われている人が少なくない昨今ですが、ともに生活することで得られる癒しや心の潤いがあるからでしょう。

そんなお互いの共存生活の中で、心打つ10の約束という話を見つけましたので紹介したいと思います。それは川口晴さんという方が書かれた『犬と私の10の約束』という本で、映画化までされていて結構人気があるようです。

スト-リ-は小樽で暮らす大学病院勤務の医師である父と元看護師の母をもつ少女が、片足の先が靴下をはいたように白いゴールデンレトリバーの子犬「ソックス」と出会い、犬とともに生活しながら母との死別、ギタリストをめざす少年との恋、「仕事人間」である父との確執を通じて成長していくものです。

この中で物語をまとめているキーワードとしての、「10の約束」がなんとも味わい深いと言われていますので紹介します。以下は子犬を飼いたいと言った娘に対し、病床の母親が語った言葉です。

(1)私と気長につきあってください。 (2)私を信じてください。それだけで私は幸せです。 (3)私にも心があることを忘れないでください。

(4)言うことをきかないときは理由があります。 (5)私にたくさん話しかけてください。人のことばは話せないけど、わかっています。 (6)私をたたかないで。本気になったら私のほうが強いことを忘れないで。

(7)私が年を取っても仲良くしてください。 (8)私は十年くらいしか生きられません。だからできるだけ私と一緒にいてください。 (9)あなたには学校もあるし友だちもいます。でも私にはあなたしかいません。

(10)私が死ぬとき、お願いです、そばにいてください。どうか覚えていてください、私がずっとあなたを愛していたことを。 

物語で語ろうとしていることは、人は出会いを選べるけれども、犬は人との出会いを選べないという運命についてです。またその言葉はそのまま、家族同士は出会いを選べないということに置き換えられます。

また仕事や生き方はそれぞれの人の選択で可能ですが、家族は選べないということをソックスという犬の存在で浮き彫りにしています。つまり家族とはその運命的な出会いを受け入れ、互いにいたわり思いやりをもちながら、幸せを作り上げていく共同体だと指摘しているのです。

そうした家族の幸せの問題と併せ、私たちのような会社の進む道も、いつも平坦ではなく、社員のみなさんと経営陣が時には無理をしながら乗り越えなくてはならない問題もあると思いますが、いかなる時もお互いの家族の幸せを忘れてはならないと言われているのです。

家族こそ働く私たちに癒やしと温もりを与えてくれるもので、困難にぶつかった時こそ、家族のことを思い出し語り合いたいものだと、この物語から学ぶことができます。心温まる物語ですね。

明日25日は鎌倉山のN邸にモノレ-ルの年次点検に出掛けるため、カキコミは休ませていただきます。

2016.08.23

ちょっと良い話131 No.2880

 様々な感動を呼んだリオ五輪の中で、まさにこれぞ五輪の精神という特筆すべき美しい場面がありました。このちょっと良い話を紹介したいと思います。陸上女子5000メ-トル予選で起こったエピソ-ドです。

リオ五輪の陸上女子5000メートル予選で16日、接触して倒れた米国とニュージーランドの選手同士が互いを助けあった。米国のアビー・ダゴスティノ選手とニュージーランドのニッキー・ハンブリン選手のその姿は、オリンピック精神そのものだと称えられている。

両選手は5000メートル走の約3000メートルを走った時点で、ダゴスティノ選手の足が前を走っていたハンブリン選手の足に触れ、2人とも転倒した。ダゴスティノ選手が先に立ちあがったが、ハンブリン選手は体を地面に強く打ちつけた様子で、しばらく起き上がらなかった。

ダゴスティノ選手はそのまま1人で走り続けることなく、泣いているようにも見えたハンブリン選手の脇を抱えて助け起こし、「立って。最後までやらないと」と励ました。

2人はレースを続けたが、ダゴスティノ選手が足首を負傷していることが次第に明らかになると、今度はハンブリン選手が相手を励まし続けた。

足を引きながら最下位でゴールインしたダゴスティノ選手は、待っていたハンブリン選手と涙ながらの抱擁を交わした後、車椅子でトラックを後にした。

ハンブリン選手はレース後に、「先に彼女が助けてくれた。自分も彼女を助けようとした。かなりひどいけがだったので」と話した。ダゴスティノ選手は棄権やむなしかと思い、ハンブリン選手は先にゴールしたが、そのままダゴスティノ選手を待った。

足を引きながら完走したダゴスティノ選手について、「あれこそまさにオリンピック精神そのもの」とハンブリン選手は称えた。どちらもこの予選では決勝進出はならなかったが、助け合う姿には多くの称賛が集まり、大会側は2人の決勝出場を認めた。19日夜までに復調していれば、決勝でまた共に競い合うことになる。

とかく勝つためには手段を選ばないということが多く見られる中、二人の美しい光景は長く語り継がれるのではないでしょうか。同様なことが銅メダルを獲得した男子50km競歩の新井選手にも起こりました。

二人が接触したといって、一旦は新井選手が失格になったのですが、日本チ-ムの再抗議を審議した結果、3位が認められることになりました。これなども相手チ-ムの不必要な抗議が原因です。

新井選手と接触したカナダのダンフィー選手はレ-ス後、お互いを讃えあいハグまでしていて選手間では何も問題はなかったのです。これなどは周囲の異常なまでの勝利主義によるものですが、当事者同士はお互いの健闘を讃えあっていて、まさにスポ-ツマンそのものなのです。

このように周囲が巻き起こす不必要な勝利至上主義などは極力控えて、ダゴスティノ選手とハンブリン選手のように、もう一度初期の五輪精神を見直す必要があるのではないでしょうか。

2016.08.22

リオ五輪閉幕 No.2879

 早いもので熱い戦いが続き、私たちに大きな感動を与えてくれたリオ五輪が幕を閉じました。その間、私たちは夏季工事で4日間出張作業もありましたが、お陰様で無事完了することができました。暑い日が続く中、社員の頑張りに本当に感謝しています。

さて、そのリオ五輪ですが、毎日のように日本人選手の活躍が伝えられたものです。心に残った感動を呼んだ幾つかを振り返ってみたいと思います。まず直近なので今でもその感動が忘れられないのが、男子400mリレ-の決勝です。

山県、飯塚、桐生、ケンブリッジの4選手が見事に繋いで獲得した銀メダルには、日本中多くの人が感動したのではないでしょうか。ちょうど土曜日の休みの日でもあり、日本陸上に新たな歴史を刻んだとも伝えられた、このリレ-結果にはテレビでありながら大きな声援を送ったものです。

びっくりしたのは3位に入り、後で失格となったアメリカにも勝ったことです。また3走桐生選手から最終走者・ケンブリッジ選手に繋いだときはあのウサイン・ボルトを有するジャマイカを凌ぐトップでもあったことです。

各国に比べ、個人では誰一人として決勝にも残れないメンバ-構成で、まさにアンダ-ハンドパスを武器とした日本チ-ムのチ-ムワ-クがもたらした勝利とも言えるものです。思わずテレビに向かって「行け、行け」と大きな声を出し続けていました。

それから体操個人総合の内村選手の技の凄さはもちろんとして、潜む精神力の強さにも心を大きく動かされたものです。ちょうどこれも休みの日であった関係で、日本時間の朝、LIVEで放映されていた鉄棒の演技に釘付けとなりました。

圧巻だったのはこの最終種目の鉄棒の演技が完璧だったことです。それまで1位の選手に1点近くリ-ドされていたのですが、こうした土壇場で見事にひっくり返す力がどこに潜んでいたのでしょうか。

また一時代前の昔の鉄棒演技と違い、内村選手の演技は鉄棒から大きく離れる、まさに離れ技とも言える演技が続くのです。従って失敗しなければいいと観ているこちらまで、ハラハラドキドキさせられてしまうのですが、結果は見事な金メダルに恐れ入ったものです。

この他、卓球男子・女子やテニスの錦織選手、バドミントンの女子ダブルスの両選手の活躍にも心踊らされ、嬉しくなったものです。それからレスリング吉田沙保里の涙にも感動させられました。謝ることなど何1つもない、見事なこれまでの積み重ねではないでしょうか。

勝ち続けた人がいつかは訪れる宿命です。まして超人的な吉田選手ゆえ、世界中からも破りたいと研究され続けている目標の選手です。それゆえ今までの誰もが成し遂げれない功績に、胸を張って帰ってきてもらいたいと思います。

とにかく日本人選手が過去最多の合計41個というメダルを獲得し、めざましい活躍を残した今大会でした。さらに嬉しいのは卓球、バドミントン、レスリング、柔道、飛び込み、水泳、体操等といった、次の東京大会に期待が持てる若い人たちの活躍があったことです。

やはり五輪はこのように国威高揚にも繋がり、改めて私たちにも自国を見直す機会にもなる場です。そして敗れて口惜しい思いをした選手にとっても、きっと次に何らかの形で繋がっていくのではないでしょうか。また大きな問題もなく、無事開催されたことが何よりだと思っています。