会長の”三行日記”

2012.12.19

平和憲法の危機 No.2332

朝日新聞の「ひと」という欄に、こんな話が載っていました。気骨ある高齢者ならではのもので、ご自身が悲惨な戦争を体験しているだけに、絶対許したくはないという強い気持ちからなのでしょう。
 
きっかけはテレビの党首討論だった。「国防軍」「憲法改正」。そんな言葉が飛び交っていた。 21歳で陸軍歩兵として中国戦線に送られ、目の前で仲間が次々と死んでいった。

政治家は戦地には行かない。犠牲になるのは弱者や貧乏人なんだ――。気持ちが高ぶった。いまこそ若い人に伝えなければ。公示日前日、埼玉12区から立候補することを決意した。

供託金は「葬式代」としてためていた300万円をあてた。「じいちゃんがそこまで言うなら」と神奈川県に住む長女(62)が夫と一緒に支援に駆けつけてくれた。

体調を考えて街頭演説は2日間に絞った。毛筆のたすきをかけ、手押し車に腰掛けて「川島良吉、94歳」「日本国憲法は最高! 第9条を守ろう」と訴えた。

寒風の中、靴下を脱いで足裏をもむ健康法を披露し、聴衆を沸かせる場面もあった。好物はチーズやナッツ類。常に最安値をチェックして、年金をやりくりしながら質素な一人暮らしを続けてきた。

元会社員の無所属新顔は、「暴走老人」を自任する石原慎太郎氏(80)に、泰然と「俺の方が年上だ」。ネット上で話題になり、海外メディアからも取材を受けた。

結果は2169票で最下位に終わった。ここでも自民が圧勝したが、絶望はしていない。「こんな右傾化の動きは長くは続かない。国民はそんなバカじゃないよ」 

 
おそらく居ても立ってもいられなくなって、貴重な蓄えまで、はたいて選挙に出たのでしょう。戦争に行ったことのある人は同じ経験を若者にさせたくないものです。私の親父も戦争経験者なのですが、私が生まれてからこのかた、一度も戦争には触れません。
 
そのくらい思い出したくもないのでしょう。益々少子化の傾向が進む我が国で、貴重な未来を担う若者を兵隊に捕られてどうするのでしょうか。何としてでも極端な右傾化は防がなければいけないものです。