会長の”三行日記”
2011.06.21
プロ野球交流戦から No.2029
1ヶ月以上に亘るプロ野球の交流戦が終了しました。ソフトバンクが圧倒的な勝率で、セパ交流戦の優勝を飾ったわけですが、毎年、なぜかパリ-グの圧倒的な優位が示される、この交流戦です。
今年で7年目を迎えるわけですが、過去の優勝は全てパリ-グで、一度もセの球団が優勝していません。今年の結果も全144試合で、パの78勝57敗9分けだったそうです。
この原因はいったい何でしょうか。1つにはパのチームは各球団とも、エ-ス級の投手を2,3人揃えていることです。ざっと眺めただけでも、ソフトバンクには和田、杉内、西武は涌井、帆足、そして日ハムはダルビッシュ、武田勝、また楽天には田中とケガで出場できないがエ-ス岩隈、ロッテは唐川、成瀬と、好投手の役者が揃っています。
一方、セリ-グを見渡してみると、安心して任せられる投手が1人ぐらいはいますが、2人以上となるといまいち心もとないものです。
こうしたことに加え、2連戦の各カ-ドがいっそうパに後押しをしているように思えます。上記のパリ-グ投手のうち、ソフトバンク・山田を含む8人が何と防御率1点台なのです。これは1試合9イニング換算で2点は取られていないということなのです。
それではなぜこのように、好投手がパに集まっているのかというと、セとは違う指名打者制が1つにはその理由に挙げられるのではないでしょうか。
この指名打者制では投手はバッタ-ボックスに立たなくてもよいため、セリ-グのように、接戦の土壇場で投手に代打を送って代えなくてもよいからです。ですからその内容がよければ、8回や9回まで投げさせることができます。
こうした環境が明日に繋げる、若手投手を育てている原因にもなっているのではないでしょうか。やはり投球機会が多ければ多いほど経験を積めるというものです。
それからもう一つ、今シ-ズンから実施されているセパ両リ-グの統一球も、少なからずその要因になっているのではないでしょうか。統一球はご存知のとおり、以前よりボ-ルが飛ばなくなりました。
従って打者より投手の方が条件が良くなり、好投手を揃えているパの方が有利とも言えるのです。こうなってくると、セが勝つのには良い投手を揃えて、守りを強化しなければならないということになるわけです。
こうした結果からではないでしょうが、セの一部有力チ-ムのご意見番が、必ずしもこの交流戦を評価していないように思えます。例によって、自分のことしか考えない身勝手さからだと思われますが、プロ野球の魅力がこの交流戦により増しているのは事実です。
無視すればよいことでしょうが、有力選手を金の力で集めてみたところで、必ずしもその結果に結びついていない現状からも、もっと日本プロ野球の発展という、大きな視点から物事を考えてもらいたいものです。