会長の”三行日記”
2011.04.13
大震災から1ヶ月 No.1990
あの大震災から1ヶ月が過ぎました。今尚、余震に悩まされ、依然として落ち着いた毎日からは、かけ離れた生活を強いられている被災者の方々に対しては、慰める言葉もないほどです。
中にはこの4月から開業するといって、医院の完成を今か今かと待ち望んでいる方もいました。そんな矢先、あと少しの落成を待たずして津波に流されて跡形もなくなってしまいました。
おそらく絶望のどん底に落とされてしまったでしょう。そんな這い上がれないでいたとき、関西からボランティアで単身被災地に乗り込み、救急医療に当たっている一人の医師のことを知りました。
寝る場所もなく、役場の事務所の傍らに、ただ寝転ぶだけの睡眠をとる毎日です。しかし元気よくお年寄りを中心に、被害に遭われた方々のところを回っているのです。
このような姿を眺めて、流されてしまった医師はもう一度出直そうと決心したそうです。あきらめていては何も前に進むことはありません。苦しくても辛くても、一歩前に踏み出す勇気をいただいたのです。
この他、日本に住む外国人でも素晴らしい方はいっぱいいます。自分が営むホテルの営業を震災の翌日から中止し、被災者の避難所として提供し続ける方もテレビで紹介されていました。
日本が災害が起こるたびに支援し続けてくれた、バングラディッシュを母国に持つ方です。日本が本国にしてくれたことへの、せめてもの感謝とお礼の気持ちからです。
また本国より帰国命令が出て、一旦は帰国の途に着くバスに乗り込んだものの、泊まった仙台のホテルで眺めたテレビより映し出される被災者の、全て失ったが前向きに突き進む姿から、この人たちを見捨てて帰れないといって、急遽引き返してきたイギリス人も紹介されていました。
再会した被災地の友だちから「大馬鹿野郎!」と言われていました。「ばかやろう」という言葉も、こんなに美しく響くことがあるのですね。
今朝の新聞でも、東北・関東でこの1ヶ月、観光客のキャンセルが39万人とも伝えられていました。またそれ以外の地域でも17万人のキャンセルがあると言います。こうなると関係者は死活問題ですね。
そして依然として終息を読めない福島原発に至っては、とうとうレベル7の最高水準まで危険度が引き上げられてしまいました。当初の読みの甘さが祟ってしまっているのです。何としてでも事態の収拾を早く図らねばなりません。
こうした中、テレビから流れるサントリ-のCMがいいですね。タレントのいろいろな方が「上を向いて歩こう」と「見上げてごらん夜の星を」の歌をうたっているものです。当たり前のことができる幸せをしっかり噛みしめ、自分にできることからまず実践していきたいものです。