会長の”三行日記”
2013.03.22
ちょっと良い話その105 No.2366
イチロ-選手のこんな美談が紹介されていました。ファンに向けての細やかな気配りとも言える素敵な行為です。
その行為は、Amy Franzさんという一人の女性のツイートにより明らかになった。そのツイートとは、以下の通りである。「オーマイガー! 元マリナーズのイチローから小包が届いた! リビングルームの真ん中で気を失いそうになっちゃった!」
そしてそのツイートには一枚の写真が貼られており、よく見るとそこにはなんと! イチローのサイン入りバットとスパイクが写っているではないか!?
実はこの女性、イチローがマリナーズにいる時に、ずっと球場でイチローの安打数をカウントしていた女性だったのだ。Amyさんは「Ichimeter(イチ・メーター)」という手作りボードを掲げ、2004年からずっとイチローの安打数をカウントし続けていた。
そのアツい応援をイチローはとても嬉しく思っていたようで、ヤンキースへの移籍後、感謝の気持ちを伝えるために今回のプレゼントを贈ったようなのだ。しかしイチローからのサプライズプレゼントは、これだけではなかった。実は、次のような手紙もAmyさんに送っていたのだ。
【イチローからの手紙の内容】
親愛なるAmyさんへ
シアトルにいる時に私を献身的に応援してくれて、ありがとうございました。あなたのユニークで、まっすぐな応援は、いつも私の励みになっていました。私のスパイクの色は変わってしまいましたが、マリナーズ時代のスパイクを受け取っていただけるのなら幸いです。 イチローより
案外知られていないのですが、イチロ-選手って、結構気配りのある人だと思います。今回のWBCにしたって、終わった後、やっとその重い口を開きました。いろいろと指摘のある内川選手のアウトになった走塁についてです。
イチロ-さんははっきりと内川選手をこう言って擁護しています。 「モリーナがいたからでしょう。あのタイミングでは二塁でアウトになってしまう可能性があった。ほとんどの捕手ならそう(=先行走者を見ながら走る)。でも、モリーナでは無理だったんじゃないですか」
また「あそこで、あのスタートができる。凄いこと。大体(スタートを切らず)止まることを選択する。自分ならあれができたかというと、その自信はなかなかない。ミスかそうでないかと言うよりも、モリーナの存在。それがあの捕手の力」と言って、むしろ内川選手を褒めているくらいです。
それから行けたら行けという中途半端なサインを出した首脳陣にも、巷では非難の声が上がっていますが、これも「“行くなら行け”と言うのは当然。“行くな”という選択はあるけれど、This Ball(ここで走れ)はないと思いますね。青信号で“行けるタイミングを計っていけ”というのは通常だと思います」と庇っています。
自分自身が出場できなかったこともあると思いますが、その声には一切批判的な言葉はありません。これがスポ-ツマンらしくて爽やかなところです。要するにレベルの高い野球だから起こったことです。侍ジャパンとして不運だったのは、相手方の捕手がモリ-ナという、大リ-グを代表する捕手だったことです。ミスとかではなく、なるべくしてなった出来事ではないでしょうか。
2013.03.21
春爛漫 No.2365
早いものでお彼岸の中日も過ぎてしまいました。暑さ寒さも彼岸までと言われていますが、このまま暖かくなってくれればよいのでしょうが、北国の人から言わせればそれは贅沢というものなのでしょうね。
それにしても暖かな日が続いたために、各地で咲き始めた桜の便りが多く聞こえてきます。例年なら入学式近辺なのでしょうが、今年はいち早く卒業式シ-ズンです。これでは今週の日曜日ぐらいが見頃となって、4月までは持たないのではないでしょうか。
全国各地における今年の開花はおよそ10~14日ぐらい、例年より早いと言われています。冬が寒かったのになぜと思ったのですが、かえって秋から冬にかけて寒い方が開花が早いというのです。
それはこの春に咲く桜は、前年の夏に花芽が作られると言います。そして花芽ができると成長はいったん止まり、休眠するというのです。それが「休眠打破」といって、秋から冬にかけて寒く、気温の低い日が続くとこの眠りから覚めるそうです。
そして春になって気温が上昇すると、再び成長が加速され開花されるという仕組みです。ですから冬が暖かいと休眠からしっかり覚めないため、開花が遅れてしまうのです。おもしろい仕組みですね。
そんなわけでこれから絶好の花見シ-ズンを迎えるわけですが、我が静岡県では知事が会長を務める県さくらの会というものがあり、県内にある67箇所のさくらの名所をホ-ムペ-ジで紹介しています。開花情報を4月中旬まで教えてくれるというのです。
その中でも我が地域の比較的知られている所といったら、門池公園、光長寺、香貫山、そして一番近い所では国道1号線のバイパス沿いといったところでしょうか。
今年は娘たちの家族も増えたことだし、できればみんなで繰り出し、おだやかな春の一日を楽しみたいと思っています。やはり暖かくなると面白いもので、私たちの心までうきうきして和んでくるものです。
2013.03.19
感動のドラマ No.2364
日本のWBC3連覇という夢はついに途絶えてしまいました。初対戦のプエルトリコに負けてしまったのですが、これでキュ-バ、アメリカ、日本、韓国といった決勝進出常連国が全て姿を消した大会になってしまったわけです。
それでも予選第2ラウンドなど、多くの人の胸をときめかせる良いゲ-ムで、よくやったと言えるのではないでしょうか。特に中田選手など、初出場の若手の選手には今後に繋がる良い経験になったと思われます。
WBC同様、感動と言えばこの日曜日が最終回の放送だった、TBSドラマ「とんび」には結構泣かされました。重松清さんの原作をドラマ化したもので、不器用な男がある日父親となり、母親を事故で亡くしたため、男手1つで息子を一生懸命育てる、そんな物語にすぎないのですが、描かれていた親子の愛や絆の深さには強く惹かれてしまいました。
それだけ、もっとその絆が強かった、過ぎし昭和の時代への郷愁みたいなものがあったからかもしれません。また主人公のどうしようもないように見える姿や、ただただ真っ直ぐに生きていく純真無垢の姿に、自分たちならやりたくてもできない、憧れに似たようなものを感じていたのかもしれません。
両親がいないで育ったヤスという主人公は、親や家族の愛というものを知りません。それだけに自分自身で掴んだ妻や息子との家族の幸せを、必死になって守りながら自分なりに育んでいきます。
そして最愛の妻の死という最大の不幸に直面するのですが、温かな周囲の人間に諭されたり、励まされたりしながら、親ばかと言われるまでに、生活の中心を全て息子の成長に賭けて生きていくのです。
こうして立派に息子は成長していくのですが、どうしようもないように見える親父が立派な息子を持つことから、とんびが鷹を生んだように例えられているのです。でも、このとんびなくして鷹は生まれていないわけで、最終回の中にもグッとくるようなセリフや場面が少なくありませんでした。
この先、親父と一緒に住みたいと誘う子に対して、一度は住もうと決め上京するのですが、思いとどまります。なぜと問う子に対しての言葉がよかったですね。「お前と俺が一緒に住んだら、お前が逃げ帰る場所がないだろう。親はその逃げ帰れる場所を作っておくものだ」と。
とにかく演じた主役の内野聖陽さんはじめ、周囲で支えていたキャストの演技が素晴らしいものでした。そこには何とも言い難い、いつも人間的温かさが溢れていたのを感じられたからです。
テレビもくだらない番組作りだけでなく、こうした視聴者が家族や親子の素晴らしさを実感できる、温かなドラマ作りなどを望みたいものです。蛇足ながら、初回の主人公親子や最終回の息子の新しい家族が訪れていた、海を臨む素敵なシ-ンは我が街・沼津の牛臥海岸で撮られたものです。
原田監督の映画「わが母の記」でも使われたこのロケ地は、本当に綺麗な映像で描かれていました。親と子、家族の絆がだんだん薄まっていくようにも思える現代、今一度、家族や周囲の愛を見直す意味で、よい投げ掛けの番組ではなかったでしょうか。