会長の”三行日記”
2013.06.19
巨人のセカンド No.2414
ある記事で巨人のセカンドがなかなか定着しないということに触れていました。今シ-ズン、絶好のスタ-トを切ったように見える巨人なのですが、いまいち独走するところまではいきません。それは阪神の頑張りもありますが、そればかりでなく、二塁手が定着しないということが少なからず要因にあるという指摘です。
以下、指摘していた、だいたいの内容です。巨人には2000年代後半から抱え続けている課題に、正二塁手という存在がいないことがあります。今季も脇谷、寺内、藤村、立岡といった面々が起用されるが、確実にレギュラ-ポジションを獲っている選手がいません。
この問題に長い間、巨人の正二塁手として活躍した仁志さんがこう答えています。「常勝を求められている状況で、セカンドというポジションを育てるのは難しい。キャッチャ-と同じように、ある種、特別な育て方をしないと本当のセカンドにならないんです」
「カバ-リングなど、単純だけど欠かせない動きが多く、いろいろなプレ-ができる。だけどその一方で、誰でもそれなりにできてしまうポジションです。プロのセカンドはアマ時代、ショ-トなどをやっていた、守備には定評のある選手が、流れてくるケ-スが多い」
でも大学時代、ショ-トをやっていた仁志さんは社会人で失格の烙印を押され、サ-ドにコンバ-トされた、いわば守備が苦手だった選手の一人だったと言います。ですからほとんどのセカンドにコンバ-トされている、プロの選手とはアプローチが違うと言うのです。
「苦手意識があったからこそ、活躍しなければ出番がないチ-ム状況の自分にとって、プロに入ってセカンドに挑戦することになったので必死でした。一からのセカンド守備を、当時のコーチの土井正三さんにみっちり教えてもらったのが、自分がセカンドで戦えた理由です」と語ります。
しかし、巨人の場合は常に勝ちを求められている環境から、守備だけでなく、チ-ムに貢献できるだけの打力が絶対必要で、そこでなかなかアピ-ルできる選手が出てこないと指摘しています。また2番セカンドというケ-スが多く、小技の利く2番でしかも打力も求められています。
こういった状況から、なかなか固定できないというのです。野球におけるセンタ-ラインとは昔から重要だとよく言われています。ショ-トとセカンドの守備の連携、センタ-とのポジショニングなど、やはり入れ替わり立ち代わりの人間ではなく、固定したメンバ-だからこそレベルも上げられるというものです。
ですから巨人の場合、キャッチャ-には阿部、ショ-ト坂本、センタ-長野といった絶対的な存在がいることゆえ、これにセカンドが固定したら強さが倍増することは明らかです。アンチ巨人の私にとっては、そうでない現状の方が望ましいわけですが、ご指摘のとおり、今のメンバ-にセカンドが固定されたら、それこそ鬼に金棒となるのではないでしょうか。逆にそうでない現状はプロ野球全体からすればちょうど良いかもしれません。
明日、20日は私用で会社を休ませていただくため、カキコミはお休みいたします。
2013.06.18
ク-デタ- No.2413
ク-デタ-と言っても、中東シリアや揺れるトルコなどのことではありません。よくドラマなどの世界では見ることがある、社長解任劇の話です。その名も知られた川崎重工という、れっきとした大会社での話なのです。
去る13日、造船・重機大手の川崎重工業は、この日開かれた臨時取締役会で長谷川聡社長ら幹部3人を解任しました。いわゆるクーデターというものなのですが、その背景には、3人が三井造船との経営統合交渉を独断で進めていたことに対する、社内での強い反発があったようです。
従って川崎重工は同日、三井造船との統合交渉の打ち切りも決定したらしいのですが、ドラマの世界にはある、こうした解任劇が実際に行われているのを知り、結構、驚かされたものです。
その実情は解任された3人だけで経営統合の話を進めており、他の役員が知ったのは、4月時点での報道があったわずか1週間前と言われています。またこの3人を除いては、反対意見が多数を占めていたことから、その後に開かれた会議でも統合交渉打ち切りの方向で話が進められていたようです。
こうしてこの13日に予定していた臨時取締役会で、打ち切りを正式に決議しようとしていたのですが、それを察知した前社長らがその阻止を図り、議長に採決させないよう働きかけ、統合の是非を26日の株主総会後に引き伸ばし、決定しようとしていたらしいのです。
そして予定通り開かれた当日、全員の取締役の出席の下、解任の緊急動議が提出され、3人の解任と統合交渉打ち切りが決定したのですが、わずか35分で終了したとのことです。まさしくドラマの世界ですね。解任された前社長らの慌てぶりが目に見えるようです。
川崎重工と三井造船の統合話が持ち上がった報道直後、川崎重工の株価は下落したそうですが、この13日以降、統合が打ち切りと知らされると川重の株価は上がり、三井造船は下がるという皮肉な結果が表われています。
ですから市場の動きは統合には否定的のように見えるものですが、川崎重工の造船部門は全体の売上高の1割にすぎないということから、造船部門での中国・韓国との国際競争という視点を除けば、全体的にはメリットが小さいと判断されたのではないでしょうか。
また解任の13日以前、会長からも前社長に対し、役員間の対立を収めるため、穏便に解決を図るからと言って辞任を迫っていたようですが、これにも耳を貸さなかったみたいです。ですから3人以外の全てを敵に回してしまったのではないでしょうか。
とにかく、あまり格好の良い話ではありません。これでは当初、今月の26日に開かれる予定になっていた株主総会もどうなることだか判りません。今回のことで独善的にことを進める危うさと、企業内コンセンサスをとらなければいけない大切さを教えられました。それにしても一方的に統合を打ち切られた三井造船は、さぞ困っていることでしょうね。
2013.06.17
大人と子ども No.2412
静岡県知事選挙は現職の川勝さんの圧勝で終わりました。原発再稼動はNOといった県民の意思表示の表れで、当選確定後のインタビュ-にあったとおり、とても再稼動できるような状態ではないといった、ご本人の正常な感覚による県政を期待したいものです。
さて、こちらの時間で日曜日の早朝、ブラジルで開かれているコンフェデレ-ションズカップで日本は開催国・ブラジルと対戦しました。このサッカ-とゴルフの全米オ-プンがあるため、前夜は早めに休んでこれに備えたのですが、朝5時前にテレビをつけたら早々に1点を奪われていました。
それも試合が始まってから3分ぐらいで得点されたというのです。私が見始めたのが開始後30分ぐらいだったのですが、なかなか日本チ-ムが思うようにボ-ルの支配ができません。また、たまにボ-ルに触っても、相手のようにトラップが足に吸い付いていないため、すぐに奪われてしまいます。
これはビッグマウスの本田選手にしたって同様です。一方、ブラジルの方はというと、さすがに個人技は素晴らしいものがあり、得点のシュ-トもそうですが、まるでボ-ルを手で扱っているような巧さをほとんどの選手が備えています。
それにいつものことながら、決定力にかなりの違いがあるみたいです。ブラジルにしたって、1試合のうち、そう度々決定的なチャンスが訪れるわけではありません。でも限られたチャンスを確実にものにする正確さがあるわけです。
それをキ-パ-・川島選手の好セ-ブもあり、凌いでいたわけですが、前半の本田選手のポストを大きく外したボレ-シュ-トなどにしても、ブラジルの選手だったら決めていたかもしれない、個の違いを見せつけられたものです。
これではとてもW杯優勝などは、夢また夢の物語に過ぎません。試合後、長友選手が言っていたみたいですが、「中学生とプロぐらいのレベル差。W杯優勝と言ってきたけど、腹を抱えて笑われる」の言葉どおりです。
そんなわけで、何とか我慢しながら観ていた内容だったのですが、後半も開始早々、やはり3分ぐらいの時間帯で追加点を挙げられてしまいました。しばらく見守ったのですが、いつまで経っても日本の劣勢は変わりません。まるで大人と子どもの試合にように感じられたほどです。
こうしてゲ-ム途中で全米オ-プンに切り替えてしまったわけですが、この大会を通して、一流国との歴然とした力の違いを見せつけられるのではないでしょうか。そして何が足りないのか、よく考えた上で1年先に向け、再スタ-トを切らなければなりません。技術の差はもちろんですが、サッカ-に賭けるハングリ-さを欠いているような気がします。