会長の”三行日記”
2013.08.22
入山料 No.2447
ベスト4に残っていた東北勢2校がいずれも敗れてしまいました。これで今年こそ優勝旗が白河の関を越えるのではないかと思われていたのですが、また来年以降にお預けとなってしまったわけです。でもよく頑張ったと思います。
さて世界遺産に登録されたお陰で、富士山には例年以上の大勢の登山客が押し寄せていますが、この規制を兼ね、周辺の整備を考慮に入れた入山料の試験的徴収が、7月25日から8月3日までの間、行われました。
富士宮口と須走口、そして山梨県の吉田口で行われたわけですが、徴収場所が分からなかったという一部の人がいたものの、登山客の6割ぐらいの人たちが入山料の1000円を支払ったようです。
この初日、一日だけで静岡、山梨両県で支払ったのが2765人、料金は261万3500円だと言われています。その大体の人たちが入山料の支払いに好意的な意見を持っていたようですが、中には使い道を明確にせよとか、高校生には1000円は高い、また登山は無料で楽しむものといった、今後に向け考えていかなければいけない意見もあったようです。
そして4割の人たちが強制ではないにしろ、払わなかったわけですから、いざ来年の本格導入に向けては課題は少なくないのではないでしょうか。私は多くの人たちが言われているのと同じように、入山料の徴収には賛成ですが、1000円という金額ではとても規制とはいかず、世界遺産保護にはならないと思います。
相変わらず、マナ-の悪い登山客が少なくないようです。ゴミは平気で捨てるし、どこか買い物にでも出かけるような格好のまま、頂上まで登ってくる人もいるみたいです。そのくらい、富士登山は気軽に登れるような便利なアクセスとなっているのです。
従って自然保護という観点では、料金はもっと高く、できれば3000~5000円ぐらいが妥当ではないでしょうか。登山をするのになぜ料金が?という人もいるかもしれませんが、1つには現在がもう飽和状態だからです。
ですからこれ以上の人々が押し寄せると、とても隅々まで管理することができません。また弾丸登山がどうのこうのと言われていますが、それは山小屋の整備をもっと図らなければいけないからです。日本中あちこちの登山の中で、この富士山の山小屋が一番評判がよくないのです。
詰め込み過ぎるから、とても眠れるところまでいかないと言われているのです。従って弾丸登山を抑制するのにはまず山小屋の整備をしなければならず、入山料をこれに当てなければなりません。
もちろん山道とかトイレ等の周辺整備にも当てることは言うまでもありません。そう考えると1000円の費用ではとてもまかない切れないのではないでしょうか。先日訪れた中央アルプス・木曾駒ケ岳には駒ヶ根からバスを乗り継いで、しらび平から千畳敷駅までロ-プウェイを利用して登らなければなりません。
これが便利なゆえ、多くの人たちが訪れるわけですが、その料金は往復で3000円以上掛かっています。誰もがそれを当たり前のように支払っているわけですから、便利な富士登山のアクセスを考えたら、入山料を同様に考えたらいかがでしょうか。決して高くはないと思います。
2013.08.21
ちょっと良い話その110 No.2446
夏の工事も納品等が残っていた出張で昨日まで掛かってしまいましたが、お陰さまで無事終了することができました。と言っても、社員2名は昨夜も明け方まで深夜の切替工事で、東京銀座に出張してくれていました。
今朝、会社に出たら彼らの荷物が工場に置かれていましたから、無事終えて戻ってこれたのでしょう。今日はゆっくり休んでもらうことになっていますので、会うことはできませんでしたが、本当に暑い毎日の中、彼らの頑張りにただただ感謝しています。
さて私たちが工事で会社を留守にしている間、熱闘甲子園もついに準決勝まで進んでいます。ベスト4に残った学校はいずれが勝っても初優勝という、いつになくフレッシュな顔ぶれとなっています。
そんな中、今年は東北勢の頑張りが一際目立っているものですが、青森代表の弘前学院聖愛高校もその1つです。この聖愛高校にこんなちょっと良い話がありましたので紹介したいと思います。
青森県の予選で八戸学院光星や青森山田といった、強豪の常連校を破っただけのことはある実力を示した同校ですが、3回戦で惜しくも宮崎・延岡学園に破れてしまいました。でも初出場ながら堂々たる2勝を挙げての16強入りは見事なものです。
この聖愛高校の監督を務める原田さんにこんな美談がありましたので、一部省略してありますが紹介いたします。
県内出身の部員ばかり39人で戦った聖愛(青森)の寮は「県人だけで甲子園」の夢をかなえる力になった。広い青森で、交通の便が悪い所の選手も入学できるようにと、原田一範監督(35)が自腹で買った。
寮は、弘前市にある学校から約1キロの2階建て中古アパート。原田監督が「津軽から日本一」という目標から逃げない覚悟のもと、5年前にローンを組んで約1200万円で購入した。甲子園常連校では学校が寮を整備するのが当たり前だが、当時の聖愛は県大会4強が最高。「学校はお金を出してくれなかった」
1階が原田監督の自宅で2階が寮。監督と妻の佳澄さん(35)、娘3人、料理を作る寮母役の義母、葛西タエ子さん(60)の一家と、選手11人が暮らす。「娘たちにとっては、生徒がお兄さんのような存在。みんなまとめて原田家」と監督。鍋や焼き肉では「一家」全員が居間に集まる。
監督の狙い通り、寮には通学が難しい遠方から部員が集まった。車でも1時間ほどかかる五所川原市出身の佐々木志門君(1年)は、やはり40分はかかるつがる市育ちの山崎照太君(2年)と相部屋だ。寝る前はいつも2段ベッドの上下で野球の話。2人で打撃のタイミングの取り方を考え、青森大会4回戦で「同部屋本塁打」を放った。
親の仕事の関係で家族が引っ越し、今年4月に入寮した藤元蓮君(2年)は168センチ58キロだった。あだ名は「きゃしゃ」。食べ残しが許されない寮で米を1日9合食べ、体重は6キロ増加。夏の県大会から外野に打球が飛ぶようになった。
秋田県境の深浦町出身の松井佑人君(3年)はこの日、試合に出た寮仲間6人をベンチから大声で励まし続けた。試合後、「寮があったから仲間と野球が出来た。ありがたかった」と話した。
この原田監督、とても研究熱心で、野球人としてはただ一人、星陵高校の監督を務めた山下さんの講演会に出掛けたそうです。主に経営者を対象とした講演会だったのですが、山下監督の持論である「花よりも花を咲かせる土になれ」と教わり、生徒達に心を教えられる監督だと見込まれたとのことです。
そのくらい、人一倍情熱のほとばしる人だったのでしょう。普通は強くなりたいのなら、何でも学校に依頼するのが当たり前の世の中ですが、ダメなら自分でやろうという人はなかなかいないものです。青森代表でも県外の人間が多数占めている他の学校と違って、青森県人もさぞかし今回は応援のし甲斐があったのではないでしょうか。アッパレです。
2013.08.09
高校野球 No.2445
8日から始まった甲子園も白熱したゲ-ムが続いています。この時期の高校野球は日本の夏を代表する風物詩とも言えるもので、やはりなくてはならない存在です。
そんな日本の高校野球のことがアメリカで取り上げられたそうです。主に投手のことなのですが、その球数についてです。レポ-トで取り上げられたのは、今大会も出場し注目されている一人の、愛媛・済美高校の安楽智大投手です。
彼は今年春の選抜大会を5日間で4試合に先発し、1試合当たり平均135球投げました。さらに大会中9日間で計772球を投げた事実を紹介しながら、この日本とアメリカの違いを指摘しているのです。
米国の有力代理人からの「高校生投手の場合、95球以上投げさせてはいけないし、中3日以上の間隔を開けるべきだ」という意見や、「772球は平均のメジャー投手が6週間で投げる球数だ」というデータなどを出して、比較しながら分析しています。
これは米野球界から日本高校野球への問題提起とも言えるものですが、レポートの記者はこの事実を肯定も否定もせず、レポートを書き終えているとのことです。
日本の野球はこの先発投手ができれば完投し、チ-ムの勝利に貢献するといった、高校野球を原点としているように思えます。従って大学やプロ野球でもこのスタイルがそのまま踏襲され、球数に関係なく先発投手が試合を作るといったのが通例です。
一方、アメリカでは大リーグなど見てもはっきりしているように、いくら良い投球をしていてもノ-ヒットノ-ランなどの記録がかからない限り、制限の球数がくれば交代しています。それは今シ-ズン、好成績を挙げているダルビッシュ投手を見ていれば明らかなことです。
いくら三振の数が多く、無失点で抑えていても球数が多いためか、なかなか完投というところまでいかないのです。これがもし日本だったら、当然最後まで投げさせているようなケ-スであっても、変わることがないのです。
また投手寿命について不思議なデ-タも提示されています。高校時代に投げ過ぎた投手ほど、その寿命が短いというのです。高校野球史上最高投手とも呼ばれている松坂大輔投手は、プロに入ってもそれなりの活躍を見せ、大リ-グまで進んだのですが現在は肩の故障に悩んでいます。
一方、今をときめくヤンキ-スのエ-スとも言える黒田博樹投手は、高校時代エ-スではなかったと言います。また大リ-グから今年は日本に戻って、40歳過ぎてもまだ投げ続けている斎藤隆投手に至っては、元々ファ-ストとのことで、どちらもあまり投げる必要がなかったと言われているのです。
また今シ-ズン、レッドソックスの抑えで大活躍の上原浩治投手も同様で、高校時代控えの投手で大学に入ってから伸びた投手の一人です。このようなデ-タを突きつけられると、若くして投げ過ぎるのも見直さなければいけないかもしれません。
でも割り切ったアメリカと違い、日本の高校野球はまさしくドラマの連続で、心の底から揺さぶられるような感動や胸を打たれる場面を備えているものと言っても過言ではないでしょう。それだけにドラマの主人公たちが我を忘れて没頭する姿に、私たちが惹きつけられるものと思われます。
そうすると、選手寿命のことがあっても、この日本の高校野球はやはり何も変わらないのではないでしょうか。できれば長く野球をやれれば一番よいのでしょうが、中にはたとえその活躍が短くパッと散ってしまったにしても、決して本人に悔いは残らないはずです。
明日から19日までの期間は、一部のお盆休みと出張工事で会社を離れることになります。このためカキコミは休ませていただきますのでご了承下さい。