会長の”三行日記”

2013.11.27

賞金王 No.2492

昨日の衆議院で特定秘密保護法案が強硬可決されました。十分な審議がされないままに無理やり通過させたのです。安倍首相はこの国をいったいどういう方向に持っていこうとしているのでしょうか。

さて話題はガラッと変わりますが、女子ゴルフの賞金王争いが面白くなっています。先週のエリエ-ルレディ-スで森田理香子選手が優勝し、横峯選手を再逆転して首位に立ちました。横峯さんは1週間だけの賞金王だったのですが、その差は約281万円ですからまだまだ判りません。

最終戦となる今週の宮崎で行われる、LPGAツアー選手権リコー杯で決着がつけられるわけですが、何とも目が離せない面白い戦いになりそうです。

それにしても先週の優勝をほぼ手中にした、森田選手の17番のイ-グルパットにはシビレました。ロングホ-ルのこのホ-ル、第2打で2オンしたのですが、グリ-ンの右サイドで距離は15m以上あるような長いパットが残りました。

下りだけに2パットで寄せてバ-ディ-でいいかなと誰しもが思っていた矢先、フックラインを見事読みきり、1パットでイ-グルを奪ったのです。本人のプレ-後の話ではラインがなぜか見えたというのです。

不思議な話ですが、トッププロになると究極の集中力を発揮した時、ラインが浮かび上がるとも言われています。そして優勝をほぼ確信させる、このイーグルをとった後、震えがとまらなくなったみたいです。

面白いのは次の18番のティ-グランドに向かう途中、「フンドシ、フンドシ」と言い続けてやっと震えが収まったそうです。若い可愛い子がフンドシとは奇妙なものですが、師匠の岡本綾子プロから「いい時こそフンドシを締め直しなさい」と言われていた言葉が思い浮かんだからです。

こうして決着をつける今週の最終戦に向かうわけですが、一方の横峯さくら選手もなかなかしぶとく、このまま引き下がる選手ではありません。4年前の2009年、前週まで首位の諸見里しのぶ選手に約540万円の差をつけられていたのですが、最終戦のこのリコ-杯で優勝し、見事逆転で初の賞金女王に輝いたのです。

それだけにどちらに軍配が上がるか、全く判らないものですが、心情的には今シ-ズンを盛り上げてくれた森田選手に肩入れしたくなるものです。テレビで解説していた岡本さんも、「賞金王になれば終世、その名前が残るが2位ではすぐ忘れ去られてしまう」と述べていました。

決勝まで残っても、優勝できなかった2位は他の負けと同じと言われているとおりです。それゆえ、一度はその座に就いている横峯選手ではなく、森田選手の名前も刻んでやりたいものです。でもどっちにしても、その座が3年続いていた韓国勢ではないことから、二人の今シーズンの活躍に敬意を表したいと思っています。

2013.11.26

特定秘密保護法案 No.2491

 政府は特定秘密保護法案なるものの衆議院通過を急いでいます。何をそんなに急ぐことがあるのか、全く理解と判断に苦しむものですが、異常なまでにこの法案成立に奔走しているようです。

たぶん依頼されるところのアメリカの圧力が小さなものではないと思われますが、遅々として一向に進まない災害地復興や原発事故後の対策に比べても、その動きは異常とまで言えるものです。

私もこの特定秘密保護法案というものがどんなものなのか、皆目見当がつかないものですが、25日に福島で開かれた地方公聴会では参加した地元有識者の他、与党が推薦した陳述者まで全員が反対の意見を述べる、異例の公聴会だったと伝えています。

自民党の推薦で出席した、原発の被害者である福島県浪江町の馬場町長は、秘密の範囲が明確でないと以下のように述べています。福島第一原発事故の発生直後に、国が緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の情報を速やかに公開していれば「低線量の被曝(ひばく)を避けることができた」と批判しています。

こうした情報を囲い込もうとする国への深い不信感をあらわにしているのです。法案はその対象を防衛、外交、スパイ活動などの特定有害活動の防止とテロ防止の4分野としていて、原発情報は特定秘密にはならないとしていますが、拡大解釈されればいくらでもその情報は寸断されます。

また今回の事故時での情報隠しされた体験が何よりもその不信感を高めています。この法案にあるとおり、テロ防止の必要をもちだせば情報は全て伏せられ、国民の知る権利という、基本的人権を侵害することにも繋がります。

今朝の朝日新聞1面にも俳優の菅原文太さんが述べられているとおり、そもそも、特定秘密保護なる言葉からして、えらく物騒なものに感じられます。そして文太さんは次のようにも述べています。

政権は憲法改正を96条から始めようとしたが、うまくいかなかった。この法案で危機感をあおり、改正につなげようとしているのでは、と考えてしまいます。憲法は、戦争に敗れた日本人にとって「精神的財産」と言っていい。改正には大反対です。

そしてやはり述べられているとおり、今はなんだかんだと言っても国内は平和です。そんな平和で不穏な動きがあるわけでもないのに、何の必要があって時代にそぐわない法案が出てきたのか、本当に考えさせられてしまいます。

とにかく国民の知る権利とか、報道の自由といった観点で十分、その説明責任が果されていないだけに政府の意図する、早急な法案成立には国民はノ-とはっきり意思表示すべきだと考えます。

2013.11.25

見損なった都知事 No.2490

 猪瀬知事、あなたもか、と思わせられる事実が発覚しました。作家や評論家として活躍していた時期、こうしたことにはずいぶん厳しかったように感じていましたが、いざ都知事のような政治家を目指すと、人はこんなにも豹変するものでしょうか。

選挙疑惑で今を騒がせている徳州会から、5千万円もの大金を借り入れしていたというのです。当初、その受領すら言葉を濁していた都知事が一夜明け一転してその受領を認め、あいまいな説明ながら次のように答えているのですが、疑問に感ずる点が少なくありません。

まず記者会見では選挙資金ではなく、個人的な貸し借りとのことですが、この日の登庁時に述べていた、選挙の支援で提供を受けていたという説明を翻しています。選挙とは関係ない、あくまでも個人としての借り入れと強調していたようですが、選挙前の挨拶回りから出た話です。選挙運動費用収支報告書に記載していなかった事実から、急遽、翻したのではないでしょうか。

次に猪瀬都知事は徳州会の徳田虎雄前理事長に初めて会ったということですが、初対面で会う人から5千万円もの大金を無利子・無担保で借り入れができるものでしょうか。猪瀬さんの前知事である石原慎太郎さんは、この徳田虎雄さんとは親しい間柄だったとも言われています。そこに事前での根回しがないとも言えません。

また徳州会が家宅捜索を受けた後の9月になってから、慌てて返済したというのも引っ掛かる話です。選挙資金ではなく個人的な貸し借りなら、慌てて返す必要もないものと思われます。別の伝えるところによると、徳州会側は金銭の授受に関して、アシがつかないようにとの前理事長の指示から、徳田毅氏の議員会館で受け渡しが行われたと言います。

何とも臭い話ではないでしょうか。徳州会に捜査の手が回らなかったら、たぶん返すこともなかったのではないでしょうか。返すどころか、借りた金などと一応言っているものの、そのまま貸し金庫に預けっぱなしの危ないお金のままだったかもしれません。

このように普段強気な都知事がこの日の記者会見に限っては、小さな声が時折上ずり、額には汗を浮かべた様子で、全く普段とは異なる素振りだったと言われています。これでは2020年の東京五輪誘致に多少の貢献があったとしても、功績など台無しと言われても仕方がありません。

もっともその誘致運動の最中、言わなくてもよいことまで述べて一時期、誘致に暗雲が閉ざされたことも思い出されました。とにかく政治家なるもの信用をなかなか持てなくなるものです。5000万円でうちの病院をよろしく、ということではないかと訝(いぶか)るのは、決して私だけではないものと思われます。

昔から「李下に冠を整(ただ)さず」という言葉があり、他人から疑いを持たれる恐れがある行為は避けるべきと教えられていますが、私たちと違って政治家にはそんなことは、とんと関係のないように見えるものです。