会長の”三行日記”

2014.05.13

W杯メンバ-選出 No.2566

 あと1か月後に迫ったW杯日本チ-ムメンバ-が決まりました。この23人の枠に誰が入るのかとワクワクしたファンもいるかもしれませんが、蓋を開けてみたら、さしてサプライズもなく、以前からの知られたメンバ-に落ち着いたようです。

我が県関係でも、ケガで心配されていた長谷部、内田の両選手が復帰を果たすことができました。二人とも二度目のW杯ですが、前回出番がなかった内田選手にとってはそれなりの思いがあるのではないでしょうか。

こうした代表入りをめぐってはいろいろなドラマがあるようです。代表選手の中でも比較的、話題に上がったのが川崎の大久保選手です。ここ2年ぐらい代表から遠ざかっていたのですが、昨年のJリ-グ得点王でもあるし、最近のプレ-ぶりが監督の視線を引き付けたのでしょう。

前回のW杯後、神戸に所属していた大久保選手は正直、パッとした成績はあげていませんでした。それが転機となったのが昨年の川崎フロンタ-レへの移籍です。ここで風間監督という指導者との出会いが彼を変えたと言います。

監督は彼の受け入れの早さとサッカ-センスを理解し、本人の望むように自由にサッカ-をやらせ、しかも相手が嫌がるプレ-を要求していったのです。今では違和感はないかもしれませんが、背の低い彼がCFをやること自体、サッカ-の常識から外れていたと言います。いわば環境の変化が彼の良いところを引き出したのでしょう。

また同じFWにはどちらも初出場となる香川、柿谷両選手が順調に選ばれました。この二人、知らなかったのですがセレッソ大阪の同期入団組だとことです。二人はウサギとカメに例えられていて、最初から脚光を浴びたのが意外や柿谷選手の方です。

セ大阪の下部組織で早くからプレ-していた彼は、クラブ史上最年少の16歳でトップチ-ムに昇格したのですがなかなか試合で結果を出せなかったのです。そんなイライラから監督に対しても反抗的な態度を見せたことから、事実上のJ2チ-ムへの放出となってしまったのです。

一方、高校3年で入団した香川選手の方は食が細く、体がいまいち出来ていなったことから夕食に時間を掛けたり、オフには毎日30㎞のランニングを欠かさなかったと言います。そしてご存知のように、今ではマンUという憧れのチ-ムの一員になるほどのス-パ-スタ-にまでなっているのです。

まさに眠っていたウサギを、コツコツと努力を積み重ねていたカメが追い越したのです。そして近年、ザック監督にも認められてきた柿谷選手がようやくここで香川選手に追いつこうとしているのです。こうした二人は今でも良きライバルとして認め合っているみたいです。

とにかく泣いても笑ってもあと1か月でW杯が開幕です。日本の力がどこまで一流国に通用するのか、予選リ-グ突破どころか決勝ト-ナメントでの8強狙いとも言われる今大会です。めざす攻撃的サッカ-に大いに期待したいものです。

2014.05.12

教師の優先順序 No.2565

 教師の優先順序という問題が少し論争の種になっているようです。これは埼玉県西部の県立高校の入学式を、別の高校に通う長男の入学式に出席するため、欠席していたという50代女性教諭の話です。

しかも欠席していた務める高校は入学式の対象でもある、1年生の担任でもあったのです。また県の教育局によると、同様な理由で他にも男女3人の担任教諭が子息の入学式を理由に休暇届を提出し、勤務する入学式を欠席したと言います。

その結果、入学式の担任紹介の中で校長が女性教諭の欠席理由を説明したことにより、新入生の保護者らから「今の教員は教え子より息子の入学式が大切なのか」と困惑している声が挙がり問題となったのです。

また来賓として入学式に出席した県議からも「担任の自覚、教師の倫理観が欠如している。欠席理由を聞いた新入生たちの気持ちを考えないのか」といった声も挙がり、教員の優先順序を考えた行動ということが俄かにクロ-ズアップされてきたのです。

でもこのことに反発している、以下のような声がありますのでちょっと紹介させて下さい。まず、我が子の入学式を優先することは、別段何の不思議はありません。当たり前でしょそんなの。自分の子どもの、たった一度の入学式なんですから。

というか、逆に先生が自分の息子の入学式を優先しないとしたら、そっちの方が「え、親としてどーなの?ぼくが子どもなら、入学式出てほしいけど…」と思ってしまいます。 

えらいオジさんが「欠席理由を聞いた新入生たちの気持ちを考えないのか」と憤慨しているようですが、そんなことは別に新入生も「へー、担任の先生のお子さんも、今日入学式なんだ。子どもいるんだね」で終わる話でしょう。

次の日からは普通に授業が始まるわけですし、初日にいようがいまいが、それが今後の大問題になるとは到底思えません。何より気持ち悪いのは「教員としての優先順位を考え行動するよう指導する」という言葉。

先生たちはプライベートを犠牲にすべきなんですね。そんな考え方じゃ、優秀な人が教員にならないですよ。このニュースを聞いて、「埼玉県では働きたくない」と考える教員志望者がたっぷり出たことでしょう。

「埼玉県の公教育をよくしていこう」という思いが本当にあるのか、疑問に感じます。教員にプライベートを犠牲にすることを強いるのは、裏目に出かねませんよ。 

こういった、「何を言っているのかよくわかりません。当たり前でしょう、我が子なんだから。」といった声もあるわけです。まさに多様化の時代に突入し、考え方も千差万別とも言えるわけですが、いろいろと考えさせられてしまいます。

教師は聖職と言った時代は過去のものになっているかもしれません。でも大多数の教員の方たちは今でも半ば家庭を犠牲にしているというか、遅くまで学校に居残り、毎日最優先に教職に努めていることを私たちは知らなければなりません。ほんの一部の教師の行動が全てに通じていると思われることが一番恐ろしいことです。

2014.05.09

眠っていたお宝 No.2564

 我が地元である沼津市役所に、お宝発見というニュ-スが流れていました。何とその庁舎内に30年以上にもわたって眠っていて誰も気がつかなかったというのです。

そのお宝は水墨抽象画で海外にも知られる、美術家・篠田桃紅(とうこう)さん(101)という方の描いた作品で、役所内の特別応接室の壁面にあって、白いカ-テンで覆われていたから気がつかなかったというのです。

でも不思議に思ったのがこの長い期間、カ-テンを一度も開けなかったかということです。1年ぐらいの期間ならそれも解りますが、何十年も開けなかったということが信じられません。

だいいち年に一度ぐらいは大掃除をしそうなものです。ではなぜ見つかったのかというと、篠田さんのファンという親族の方から、栗原市長の家族に問い合わせがあったと言います。そして市長自身が管財課に照会し見つかったというのです。

何ともお粗末のような話です。でも何でカ-テンで隠されていたのかというのは、市が調べたところによると、「ちょっと暗い。隠した方がいい」と記された、80年前後と思われる非公式のメモ書きが見つかったといいます。

ですから以前には一部の人間だけ知っていて、そうした事実がその後、全然引き継がれていなかったのでしょう。何かお役所の体質が象徴されているようにも思えるものです。

作品の壁画は縦2・5メートル、横7メートルの大作で、購入時のリストの題名は「泉」、1966年7月に市庁舎の完成に合わせて120万円で購入し、市長への表敬訪問などで使われる特別応接室に設置したそうです。

作品は墨象と呼ばれる前衛書道の一種で、和紙に墨と筆で文字を自由な形で描いて創作するもので、篠田さんが「泉」という漢字から受けたイメージを自由にふくらませ、絵画表現として描いたとみられると言います。

ただ幸いしたのはこの応接室、南側と西側がガラス窓になっていて西日をまともに受けることから、カ-テンで覆われていたことにより作品そのものの保存状態は良いそうです。ですから何が幸いするか分からないものです。

今後、担当である市の管財課は市長の方針をも受け、この作品を一般の市民にも公開するとのことです。ですが場所が特別応接室だけに、ちょっとその公開方法が難しいとも思えるものです。とにかく作者が高齢なだけに、ご存命のうちに見つかってよかったと思います。でも作品が暗いから隠しておいた方がよいなどとは、ご本人には口が裂けても言えませんね。