会長の”三行日記”

2014.09.02

アルコ-ル依存症 No.2620

 はっきりしない天気が続く最近ですが、ようやく今日は青空も覗き、霊峰富士もしっかりと仰ぐことができます。やはり天気の良い方が気持ちの良いものです。さて酒好きな方にはちょっと警告的な話ですが、アルコ-ル依存症で治療の必要な方が、国内で100万人を超えると伝えられています。

調査は昨年の7月、全国から無作為に抽出した成人のうち、同意の得られた4153人に面接し、飲酒習慣や治療経験などを聞いたものです。この結果、世界保健機構(WHO)のアルコール依存症の診断基準を満たした人は、過去に一度でもなったことのある依存症経験者を含め、男性95万人、女性14万人の計109万人に上ったと言われます。

そのうち現在治療中という方が約8万人にとどまり、治療が必要なのに受けていない人の多さが目立っているようですが、依存症は基本的に自然には治らないので、何らかの対策が求められているとのことです。

これは薬物依存症と同様に、飲酒などアルコールの摂取によって得られる精神的、肉体的な薬理作用に強く囚われ、自らの意思で飲酒行動をコントロールできなくなるものです。

また強迫的に飲酒行為を繰り返す精神疾患と言われ、患者は、アルコールによって自らの身体を壊してしまうのを始め、家族に迷惑をかけたり、様々な事件や事故・問題を引き起こしたりして社会的・人間的信用を失ったりすることがあると言われているものです。

いわゆるアル中と言われるものですが、症状としては次のようなものです。まず自分の意志で飲酒のコントロ-ルができなくなります。つまり一度飲み始めたら適量で終えることはほとんど不可能で、自分の意志では止まらなくなって酩酊するまで飲んでしまいます。

このような飲酒状態を「強迫的飲酒」というらしいのですが、これが進むと目が覚めている間、常にアルコールに対する強い渇望感が生じます。そして飲酒量が極端に増えると、やがて自分の体を壊したり(内臓疾患など)、社会的・経済的問題を引き起こしたり、家族とのトラブルを起こしたりするようになるわけです。

またアルコ-ル摂取を中断すると、軽いものなら頭痛、不眠、イライラ感、発汗、手指や全身の震え、眩暈、吐き気などがありますが、重度になってくると「誰かに狙われている」といった妄想観念にとりつかれることもあると言われています。

ですから自分は大丈夫だと思っていても、毎日の習慣的飲酒を繰り返しているとなりやすくなるわけです。特にそういった場合、毎日同じ量を飲んでいても、同じように酔うことができなくなり、次第にその量が増えていくというのが問題みたいです。

従ってせめて1週間か10日に1度ぐらいは休肝日を設けたいものです。私は夜の会合などがあるとき、わざと早めに食事をとってしまい、この飲みたい気持ちを抑える工夫をしています。それも1つの方法かもしれませんが、飲みたい気持ちがあるということはつまり、アルコ-ル依存症の前兆ということでしょうね。気をつけたいものです。

2014.09.01

延長50回の死闘 No.2619

 岐阜の中京高と広島の崇徳高が甲子園でなくても、こんなに素晴らしいゲ-ムができることを示してくれました。全国高校軟式野球選手権大会の準決勝は何と、延長50回までやって決着がついたのです。

両校の対戦は先月の28日から始まったのですが、どちらも無得点のまま延長15回を終えたことから、翌日にその続きが行われました。しかしその日とまた次の日も両者ともに得点を奪えず、結局3日間計45イニング続けたのですが無得点のままでした。

そして4日目となる昨日の31日に試合の続きが再開され、この日の5イニング目(延長50回)で中京が3点を挙げ、ようやく3-0で勝利を収めたのです。ですから両校の死闘が4日間掛かったわけですが、翌日の再試合ではないので、この間、どちらかが点を挙げ逃げ切れば試合は終わることができたのです。

でもどちらも必死で譲らなかったわけです。驚くのはこの4日間50イニング全てを中京高・松井投手、崇徳高・石岡投手がともに投げ抜いたことです。前者が709球、そして後者が689球と、驚くべき数字です。

どちらも意地でも負けられない気迫に支えられていたのでしょうが、疲れてくれば四球や死球で自滅しやすいものです。それが50回もの延長戦、ゲ-ムを壊さず作り続けていたというのが何よりも素晴らしいところです。

結局、この準決勝に勝った中京高が決勝でも2-0で勝利を挙げ、優勝することができたわけですが、その集中力たるや見事なものです。軟式硬式の区別なく、歴史に残る名勝負になったのではないでしょうか。また爽やかな気持ちにさせられたのが、翌日の決勝戦、負けた崇徳のメンバ-がこぞって中京高の応援に回ったことです。これぞスポ-ツマンシップですね。

このニュ-スを聞いて、若いって本当に素晴らしいなと感じ入りました。というのも全然これとは比較にはなりませんが、この週末、山梨の石和で開かれたシニアの全国大会に今年も出場してきました。複数会場に分かれて別々のブロックとして試合をそれぞれ行うわけですが、私たちのチ-ムのブロックだけが5チ-ムの参加でした。

いつもは4チ-ムなので総当たり戦として、各チ-ム3試合ずつ(初日に2試合、2日目に1試合)行っていたわけですが、5チ-ムなので試合規定でどこか1チ-ムだけが4試合行うことになったのです。

それが抽選の結果、我がチ-ムが当たってしまうことになったのです。そしてこのブロックで優勝すると更にもう1試合、別のブロックの優勝チ-ムとの決勝戦が待っているのです。幸か不幸か、我がチ-ムはブロックの4試合全てに勝ってしまい、ブロックごとの決勝戦もやらなければいけなくなったのです。

ですから全部で2日間で5試合(初日2試合、2日目3試合)やることになったのです。その結果、5試合目のブロック決勝戦は大差のボロ負けです。やはり60過ぎれば体がいうことを利かなくなり、そんなに無理はできないものです。まあ、相手も強いところでしたが、いい言い訳にはなったかもしれません。

そんな自分たちでしたので、帰宅してこのニュ-スを知った時、つくづく若いって素晴らしいなと感じたわけです。でも家庭をほっぽり出して60過ぎた、いいおじさんたちが2日間もソフトの試合に狂っているいるのも、人から見たらずい分変な風に写っているのでしょうね。

2014.08.29

被害者意識 No.2618

 日本で一番大切にしたい会社などの本を書いている、我々中小企業を応援して下さる法政大学の坂本光司先生が新聞にコラムを寄せていました。経営者の被害者意識を捨てよとの論調で、経営に纏わる問題は外でなく内にあるという指摘です。

消費税増税の少し前、駆け込み需要で一時忙しかった流れも一旦止まり、それがようやく持ち直してきているのではないかと思われる今日の情勢です。それでも中には業績低迷に喘いでいる企業もあることと思われます。

その言い訳はいつの時代も「景気・政策が悪い」「業績が悪い」「規模が小さい」「立地環境が悪い」「大企業大型店が悪い」という5つが挙げられます。でもそういった被害者意識に満ち満ちた経営の見方、考え方がそもそも間違っているというのです。

そしてこうした意識や姿勢では、先生が一番大切な要素として挙げている「社員やその家族」や「仕入れ先や外注先の社員・家族」など企業に関係する人々の幸せの実現など、到底できるものではないと指摘しているのです。

というのも、中小企業の中でも全国各地の現場を歩いてみると、一方では社会から存在価値が認められ、高い業績を長きにわたり実現している元気印の中小企業が数多く存在しているからです。

こうしたいい企業は規模の小さな家族的経営でも、どんな業種でも、またどんなに交通不便な地域でも存在しているのです。一例を挙げると横浜市郊外にある住宅リフォ-ム業のS社です。

1997年創業で社員数45人。現社長が勤務していた大手住宅関連企業を脱サラし創った会社です。以前の企業経営者の公私混同や業績至上主義、また密室経営に嫌気がさして独立したのです。

従って前職の経験から「公私区分経営」「ESとCSの両立経営」「超ガラス張り経営」「業績でなく継続・幸福重視経営」に愚直に取り組んだと言われています。その結果、業績は何と16年連続増収かつ黒字経営で、利益率は常に5%以上の企業になっています。

そして更に驚くのは社員の賞与にしても、リ-マンショック時も含めて10年以上、年間5か月以上を支給しているとのことです。これでは会社が嫌で離職する社員などいるはずがありません。坂本先生はこの会社の株主総会に記念講演の講師と招かれたそうです。

出席者は株主約150人のほぼ全員で、同社の社員ほぼ全員の株主の他、仕入れ先や協力企業のスタッフ、同社のサ-ビス提供を受けた地域の顧客等です。講演終了後、素敵な食事会が催され、マイクの前に立った顧客株主の年配女性がこのように話されたと言います。

私たち年寄りの生活は心優しい社員さんたちによって支えられています。配当を減らしてもっと社員さんたちに回してください」と。何という良い会社なのでしょう。やはり問題は外ではなく、全て内にあるのですね。そして問題は社員ではなく、全て我々経営者にあるのだと、坂本先生は指摘しているのです。