会長の”三行日記”

2016.01.29

政治と金 No.2803

 今朝は久しぶりの雨模様です。今日が雨という天気予報が以前から出ていましたので、昨日製品の搬入を急遽早め、納品させて頂きましたがやはり正解でした。最近の天気予報の精度に改めて感心しています。

さて昨夕、甘利経済再生大臣が辞任しました。週刊文春で報じられた、建設業者からの現金授受の問題からですが、全てをはっきり申し上げると言って会見を何日も延ばしていたのですから、何ともあっけなく情けない結果になったわけです。

甘利さんは大臣室と地元事務所の2回にわたって50万円ずつ現金を受け取ったとのことですが、そんなことすら政治家は記憶が飛んでいてすぐに答えられないほど、こうしたことにマヒしているのでしょうか。

またそれが10年以上前のことなら仕方ありませんが、つい2~3年前のことです。秘書を通じてのことかもしれませんが、明らかに見返りとか口利き以外、その受け取りは考えられないものだと思われます。

そもそも雑誌への告発者にとって度重なる現金授受の目的は、この千葉県白井市にある自社の建設会社と独立行政法人都市再生機構(UR)との、道路建設の補償交渉の口利きだったことに違いありません。

それがうまく進められておらず、費用対効果に見合わなかったことから告発に踏み切ったことと思われます。伝えるところによると甘利さんの秘書側から何度も必要だからと言って、現金をせびられていたとも言われています。

まさに政治と金、私たちが一番嫌っている醜い構造そのものなのです。また一部は政治資金収支報告書に記載したと言っていますが、そのほとんどは秘書が勝手に使ったなどと言われ、記載そのものもされていません。

それだけに辞任は免れないものですが、安倍内閣の重要閣僚として責任、特にTPPの問題などどうするつもりなのでしょうか。自ら招いたものとはいえ、無責任極まるものだと思います。

また録音までしていた告発者に、一部ハメられたようなことが言われていますが、火のないところに煙は立たないものです。それにしても最近の週刊誌のスク-プ合戦には凄いものがあるように思えます。

ベッキ-などの下種の勘ぐりなどには敢えて触れたくはありませんが、週刊新潮が報じたSMAPの独立騒動や、今回の週刊文春がスク-プした政治家の金銭授受疑惑等に人々に大きな話題を投げ掛けています。

この週刊誌、聞くところによると想像以上に人々の雑誌離れが進んでいて、その販売額が過去最大の落ち込みだと言われています。それゆえにこうした特ダネに活路を見出しているとも言えるのではないでしょうか。「壁に耳あり、障子に目あり」疑わしきことはするべかれということです。

2016.01.28

悲しいメッセ-ジ No.2802

 軽井沢で起こったバス事故の遺族からのメッセ-ジを読ませて頂きました。突然の変わり果てた我が子の姿に遭遇した遺族の悲しみは、とても言葉には言い表せないものと思われます。無念さとやるせなさが交錯している想いを以下のように語っています。

「安全はマスト項目。子どもたちが何が大切なのかを気づけるような声かけが年長者の役目」。長野県のバス事故で亡くなった阿部真理絵さん(22)の父親(56)が20日、通夜の後に取材に応じ、二度と同様の事故が起こらないように願う胸の内を語った。

早稲田大4年の真理絵さんは希望の会社への就職が決まっていた。父親は変わり果てた姿で戻った娘を普段使っていたベッドに寝かせると、「おはよう」「元気か」といつものように声をかけたという。

「本当に明るく自慢の娘だった。多くの友人や恩師の言葉を聞き、とても楽しく充実した22年間を過ごせたことがわかった。泣いている人が多くて、その涙を見てどうしてもまたやるせなさがこみ上げてくる」と静かな口調で答えた。

事故について、「憤りを禁じ得ないが、いまの日本が抱える偏った労働力不足や過度の利益追求、安全の軽視など社会問題で生じたひずみによって発生したように思えてなりません」。

さらに「今日も多くの若者がバスツアーに出かけているでしょう。ぜひ自分の身は自分で守るということを考えてください。安全はマスト項目で、費用削減はウォント項目」と娘と同世代の若者に向けて呼びかけた。

その上で「ツアーはどんな内容かとか、ちゃんとシートベルトを締めろよ、とかの声かけをすべきだったと悔いている。親、兄弟、おじいちゃん、おばあちゃんとして子どもたちが何が大切なのかを気づけるような声かけをしてほしい。おせっかいとかうざいとか言われるかもしれないが、年長者の役目だと思う」と語った。

事故が起きた1月15日を挙げ、「私たちにとっては命日となるが、報道や旅行業者の関係者においては、毎年なんらかの発信、行動をしていただければ、今回の犠牲者がみなさんの心の中に生き続け、安全に対する意識のたがが緩むことを防げる一助になるのでは」と要望した。

父親なりに努めて冷静に話をしていることと思われますが、本当の胸のうちは怒り狂っているのではないでしょうか。もし自分がその立場なら、おそらくこのように落ち着いて語ることは到底できないことと思います。

まず失った者への悲しみから始まり、愛しさが募り、そして憎しみが増していくのではないでしょうか。数年前からの規制緩和の影響でこうした業者は倍以上になり、まともな運転手が引手あまたとなったことから、その質がだいぶ低下していると言われます。

また繰り返される安売り合戦で、人の命を預かる、一番大切な安全が軽視されているみたいです。言語道断のことですが、二度とこうした悲劇を起こさないよう願いたいものです。

2016.01.27

表純子さん No.2801

 表純子さんってご存知でしょうか。その道の人なら知らない方はいないと思われますが、ベテランとして活躍している女子プロゴルファ-です。その表さんが昨年、ツア-記録更新となる155試合連続出場という記録を6月に達成しました。そしてその後も175試合まで記録を伸ばし続けています。

かつて鉄人と呼ばれたプロ野球の衣笠さんなどの記録と比べたら、175試合という数字は大したことはないと思われるかもしれませんが、2011年のシ-ズンから5年間フル出場を続けていると言いますから、やはり凄い記録と呼べるのではないでしょうか。

また野球と違って個人競技のゴルフは、プレ-ヤ-自身への負担も増すものと思われます。何しろ野球は個人の成績が多少落ちてもチ-ムが勝つということがあるでしょうが、ゴルフはそうはいきません。全て個人である本人の両肩に責任がかかってくるわけです。

その間、やはり平坦な道のりではなかったと言われます。2014年11月には試合当日の早朝に、母の他界を知らされました。ですが親族の後押しもあって、辛い気持ちに鞭打って試合に出場したのです。またゴルフですから背中や手首も痛めることもあります。

それでも周囲の「無理に出なくてもいいのでは」という声を振り切って、「振れないほどのけがではない」と我慢強くクラブを握り続けたと言います。この出場に本人がこだわり続けるのは、過去の悔しい経験があるからです。

プロテストに合格してから5年間、予選の成績が振るわずツア-への出場が十分得られなかったそうです。そのときの気持ちから「試合に出たくても出られない人がいる」という思いが強く、シ-ド権を獲得してからも下積み時代の貪欲な姿勢を忘れていないと言われます。

この困難が絶えない彼女のゴルフ人生を支えてくれたのが、キャディを務めているご主人の広樹さんの存在です。プレ-中はキャディに徹し助言を送り続け、家では余計な負担を掛けないように洗濯や掃除といった家事まで一人でこなしていると言います。

琴奨菊関のコラムでも触れましたが、まさに内助の功の逆パタ-ンでもあるわけです。これではプレ-ヤ-本人もゴルフだけに集中できるというものです。夫唱婦随で、いつまでもこの連続出場を伸ばしていきながら活躍してもらいたいものです。「仲良きことは美しかな継続は力なりですね。