会長の”三行日記”

2016.02.10

松山選手の2勝目 No.2809

 米ツアー・フェニックスオープンで松山英樹選手が2勝目を飾りました。私も月曜日の早朝、仕事に行くまでの間、このテレビ画面に釘付けとなってしまったのですが、最終ラウンドでは決着がつかずプレーオフにもつれ込んでの勝利でした。

テレビを観ていた範囲では2打差で17番を迎えたときは、首位のファウラーが好調でしたので、今回も届かないかなと思っていました。ところが17番の比較的短いミドルホール(と言っても300ヤードは優に超えるホールですが)でドラマが待ち構えていました。

最初にティーショットを放ったファウラーのボールがグリーンをランで超えていき、奥の池にまでいってしまったのです。このショットは決して悪くはなかったものですが、アドレナリンでいつもより距離が出たのではないでしょうか。

これを見て次の松山選手は3ウッドで安全にグリーン手前に置いていったのです。この結果、池に落としたファウラーがボギー、そしてグリーン手前から難なくピンに寄せた松山選手がバーディーで、一挙に並んだのです。

そして次の18番までテレビを観ていたのですが、このホール、松山選手のバーディーパットは圧巻で見事でした。松山選手よりずっと近く2打目をピンに寄せていたファウラーでしたから、5m以上あった松山選手のパットが外れればほぼ優勝はないものと思われました。

ですが本人が今までで一番良いパットを打てたと言っているように、下りのスライスラインを見事に真ん中から沈めたのです。こうして両者プレーオフに突入したわけですが、その何ホール目かにも入れなければ負けという、追い込まれたパットを見事に沈めたようです。

まさにこの集中力に勝っていたのではないでしょうか。この松山選手、今まで国内6勝、海外2勝しているのですが、このうちの4勝がプレーオフによるものと言われています。しかも全てプレーオフをものにしているのです。

ですからそのくらい勝負強いのです。また今までのプレーオフの全ホールでボギーがないというのです。このことからも今後のメジャー制覇に向けても、私たち日本のサポーターとしてずいぶんと心強いことではないでしょうか。

とにかく今シーズン2戦目から良いスタートが切れました。これで4月のメジャー初戦となるマスターズがとても楽しみになります。夢の日本人メジャー制覇も俄然、現実味を帯びてきたというものです。やはり日本人が勝つのは嬉しいものです。

12日の金曜日は納品やら他の業務でカキコミができませんので、ご容赦下さい。

2016.02.09

春節と爆買い No.2808

 今日8日は中国のお正月に当たる春節の新年最初の日となります。春節とは中国の伝統ある祝い事であり、中国だけではなく、全世界の華人にとって最も大切な伝統的な祝日となり、多くの人は一週間の連休になります。

大晦日に当たる7日から13日の土曜日までの7連休となるわけですから、この間、休日を旅行に当てる人も少なくないことでしょう。こうして連休中、日本にやってくる人もいるわけですが、中国景気の停滞で言われている爆買いも少し鳴りを潜めているようです。

今年1月になって発表のあった、中国の15年国内総生産は経済成長の減速ぶりが鮮明となっています。そもそも日本を訪れる中国の富裕層は資産を土地で持つ人が多く、中国国内で株だけでなく不動産価格が下落するときは観光にも大きな影響をもたらすのではないかと言われています。

従って爆買いの対象になっていた化粧品などのモノ消費だけでなく、美容サロンの利用などの体験型コト消費を含め、ニーズの多様化を求められているわけです。また東京や京都といった定番の観光ルートだけでなく、日本各地の東北や四国など、他の地域にも足を延ばしてもらい、様々な文化体験といった消費を喚起したいというのが受け入れるこちらの狙いのようです。

このような流れにより、今までの爆買いから日本各地の“穴場”観光に着目しているような記事が伝えられていました。有名観光地を一巡したリピーターを中心に、何の変哲もない赤ちょうちん街や路地裏などに外国人が続々と姿を現しており、地方へも本格展開中とのことです。

長野県の場合は、地域の伝統の祭りや温泉に入る猿を見ようとする外国人でごった返す騒ぎになったりしていて、地元では、経済効果にとどまらず「外国人が普段の日本の姿に関心を持つようになった」と歓迎する声も出ているそうです。また周遊券などの格安チケットに群がる人も少なくないと言います。

いわゆるごく普通の日本社会を見たいという関心が、こうした穴場観光に繋がっているわけです。ですから東京などでも一般の観光ルートのほかに、書店街やターミナル駅近くの一杯飲み屋の赤ちょうちん街をのぞいて歩く外国人も増えているとのことです。

まあこれは中国人というよりは、他の外国人も含めた彼らによる日本観光の深まりと期待される動きのようですが、今までの爆買いを含めた日本観光の定番的流れが変わってきているということも言えるわけです。

逆に言えば今までの定番的観光などではこの先、多くを望むことができないとも言えるのではないでしょうか。ここでも差別化が求められているわけで、無策なありきたりの観光に頼ることはできないということです。

ですからもう1回、日本古来の伝統文化を見直し、景観を生かした骨太の観光戦略の策定が求められているということでしょう。つまり私たち製造業に限らず、ここでもありきたりのものではなく、一層、独自の経営戦略が不可欠ということなのです。

2016.02.08

北朝鮮の蛮行 No.2807

 またまた各国の忠告を無視して北朝鮮が大陸間弾道ミサイルを発射しました。今まで擁護していた中国まで、ほとほと手を焼いたようで庇いきれなくなってきた様子です。まさにこの蛮行は世界の中で益々孤立化を極めていくものと思われます。

発射があったのが日曜日ですが、そのちょっと前の土曜日の午後、折しも沼津でこの北朝鮮による拉致問題を考えるシンポジウムが行われました。拉致被害者家族の横田さんご夫妻が沼津に来てくれたのです。

ちょっとそのお話を紹介させて下さい。現在この拉致被害者の家族では、夫婦揃っているのが横田さんと有本さんの2組だけになっているようです。そのくらい皆さん高齢になってきているわけですが、横田さんの奥さん早紀江さんも今月4日で80歳の誕生日を迎えたとのことです。

またご主人の滋さんに至っては85歳になるそうですが、正直、マイクの前でもなかなか言葉が出てこないほどの結構しんどいご様子だと見受けられました。お話によると娘・めぐみさんがある日突然いなくなってから、それが北朝鮮による拉致と判るまでには20年の年月が掛かったと言います。

警察犬による捜索でも、ある角から煙のようにすっかり消息が絶たれているのです。夫妻はその後、あちこちに問い合わせ捜しているのですが、拉致だと判るまでにそんなに長い年月を要したのは1つは日本政府の責任も少なくないということです。

それは1977年9月19日に久米豊さんという方が拉致被害にあったのですが、未遂に終っています。めぐみさんがいなくなったのがそれから2ヵ月後の11月15日ですから、可能性としては十分考えられたと指摘しています。

20年経ってそれが拉致による仕業だと判っても、早紀江さんは正直生きていてよかったという気持ちが強かったと言います。それが親心というものでしょう。そしてその61歳の時から20年近くの救出が活動が続いているわけですが、ニセ遺骨問題等、その後根本的な解決には何も繋がっていません。

そのとてもやりきれない想いが言葉の端々から伝わってくるものです。日本国民の命を守ることが国の使命で、拉致問題は最優先課題とまで安倍総理は述べています。しかし一向に解決への道は遠く、再調査を約束してからも1年以上も何も進んでいません。それだけに今の無策のままでいいのでしょうか。

こうした北朝鮮に対し、ある程度の制裁も必要だが核等の脅威もあることや、拉致問題解決への道が遠のく懸念を考えると、とても複雑な思いが家族にとって正直なところではないでしょうか。

ただ一つめぐみさんの子ども、キム・ウンギョンさんと一昨年、モンゴルで面会し、結婚して可愛い女の子をもうけていたことが唯一の嬉しい出来事だったと述べています。

とにかく一向に解決策が見出せない現状なのですが、横田ご夫妻を眺めているとこの先、そんなにも長い猶予があるとは思えません。それだけにせめて生きているうちに、一目だけでも会わせてやりたいと願うのが人情です。

豊穣の中ですきま風が漂っているのが今の日本」という締めくくりの言葉がとても印象的です。日本人は事が起きたばかりのときは皆、大いに関心を持ち大騒ぎするものだが、しばらく経つとすっかり打ち忘れ無関心となりがちです。私たち日本人が戒めなければいけないところです。対岸の火事とはしないことです。