会長の”三行日記”
2012.10.24
国民栄誉賞 No.2298
レスリングの吉田沙保里選手に国民栄誉賞が贈られることになりました。至極当然のことと思います。何しろオリンピックではこのロンドンで3連覇、そして9月に行われた世界選手権でも10連覇と、前人未到の大活躍なのです。
併せて13連覇ですか、気の遠くなるような数字です。振り返ってみると最初に優勝した世界選手権が2002年、またオリンピックでの最初の優勝が2004年のアテネ五輪ですから、ここ10年以上タイトルを守り続けているのです。
それに出場するだけでも大変なのに、勝ち続けていて負けがないということは、とても真似のできない偉業ではないでしょうか。とにかくその集中力と言ったら、おそらく私たちの想像をはるかに超えるものです。
吉田選手はレスリングで全日本選手権優勝の実績がある父親と、テニスで国体選手にもなった母親の両親の3人兄妹として生まれ育ったと言いますから、元々潜在能力には恵まれたものがあったのでしょう。
それに並外れた日々の修練と努力の積み重ねが加わり、磐石のものになったものと思われます。そして人一倍の負けず嫌いではないでしょうか。ロンドン五輪の前の東京大会で、ロシア選手に敗れ連勝が途切れたときの落ち込みようは、尋常ではありませんでした。
この凄まじいとも言える勝利への執念が吉田選手を支えているものと思われます。またロンドン五輪の旗手に選ばれたときでも、旗手は金メダルを取れないというジンクスを、いとも簡単に跳ね除けて優勝を手にしました。
おそらくこのへんの精神構造が普通の選手との大きな違いではないでしょうか。受賞が決まったときのインタビュ-では今度の五輪がある、4年後のリオデジャネイロでも金メダルを狙うと宣言しました。
凄いものです。4年後には34歳になるのですが、おそらく吉田選手なら見事に達成するのではないでしょうか。またこうなると母親が望んでいる結婚も後回しになるものと思われますが、きっとその先、良いご縁もあるのではないでしょうか。とにかく霊長類最強の女とも呼ばれる吉田選手の功績に、心から祝福させていただきます。
2012.10.23
沖縄の苦悩 No.2297
沖縄での米兵2人による集団強姦致傷事件の影響で、全ての在日米軍に夜間外出禁止令が発表されました。この19日から期間は未定で、夜11時から朝の5時までの間とされています。
この対象となる米兵は約3万4千人とも言われていますが、普天間基地のある沖縄にはそのうちの2万5千人が駐留するとのことですから、事件や問題も多発します。もちろん今回事件を起こした米兵のように、短期滞在の兵士も対象になるわけです。
今回の事件でも、あとちょっと被害者からの訴えが遅れていたら、犯人の2人は痕跡を残さないまま飛び立っていたのですから、短期滞在の兵士にも目を配らなければなりません。
それにしても私たちの想像以上に、沖縄県民の受ける被害は甚大とも言えるものです。いろいろと物議を醸し出している米新型輸送機のオスプレイも強行配備されました。
街中にいつ落ちるかもしれないオスプレイの飛行に不安を抱きながら、夜は夜でこのような強姦事件が繰り返されているわけです。また近海には怪しげな中国海軍が出没し、普天間から辺野古への基地移設問題も抱えています。
そして日米で取り決められている地位協定というのもおかしなものになっています。今回は日本の警察が逮捕したから取調べが通常にできるのですが、もし容疑者の軍人を米軍が先に捕まえれば、日本側が起訴するまで基本的に米軍が拘束する規定となっているのです。
従って米軍が日本に好意的に取調べを進めてくれればよいのですが、必ずしもそうばかりとは言えません。十分な捜査が行われないまま、取り逃がすことだって少なくないわけです。
これでは沖縄県民は納得できないし、怒りも収まらないのはよく理解できるというものです。冒頭に挙げた外出禁止令にしても、夜11時までというのも甘い措置ではないでしょうか。
とにかく日本で唯一内戦が繰り広げられ、多くの犠牲者を出してしまった地域が、終戦から65年以上経っている今日でも、尚多くの犠牲を強いられている現状をこのまま見過ごしてもよいものでしょうか。
もしそれが自分の住んでいる地域だったらどうでしょうか。私たちは対岸の火事のように捉え、いたって気楽に考えていますが、当事者にとっては本当に深刻な問題です。なぜ沖縄だけにこのような犠牲を求めるのか、日本国民が真剣に考えなければいけない時が来ているのではないでしょうか。
2012.10.22
世界で通用する人 No.2296
このところお客様からの見積の引き合いやらその他で、出掛けることが多くなっています。周囲はいまいち嬉しい声が聞かれないような情勢の中、お引き合い頂けるのはとても有難いことで、物件の大小に関わらず、小回りを利かせるのは私たち中小企業の使命だと思っています。
そんなことで今朝も平塚方面に出掛けたのですが、向かっている途中、ラジオから次のようなことが聞こえてきました。脳科学者の中野信子さんが出ていた番組です。
中野さんは東大卒のエリ-トとのことを後から調べたネットで知ったのですが、ラジオから聞こえてくる声はとても物静かに語る人で、いわゆるキャリアという感じがしないお陰で、こちらも自然に耳を傾けていたのかもしれません。
そしてネット上の写真ではなかなかの美人です。耳だけで想像しているイメ-ジとは結構違いが出たりするものです。そんなどうでもいいようなことは置いといて、話を進めましょう。
中野さんが書かれた著書「世界で通用する人がいつもやっていること」について触れていました。中野さんのかつての経験から、今まで世界で活躍する「頭のいい人」に出会って、それらの人に共通する習慣などを書いた本なのです。
番組では次の5つの共通する項目を述べていました。
① 周りの空気を読まない
② 決められている儀式をしっかり行う
③ 自分の得だけでなく、相手の得も考える
④ やらない事リストを作る
⑤ 事故診断書を作る
例えば、日本プロ野球の誘いを蹴って大リ-グ入りを表明した、花巻東・大谷投手のように、大部分の周囲の期待や予想に反しても自分の意思を貫くような、空気を読まないケ-スを挙げていました。
家族や高校の指導者は、どちらかと言えば日本プロ球界入りを勧めたのではないかと思われます。でもそうした空気に屈することなく、大リ-グ入りを決めた大谷投手はそうした空気を読めないとも言えるかもしれません。
でも世界に通用する人になるためには、一度は潜らなければいけない門であって、そのような場合でも必ず応援してくれる人が出現すると述べていました。また脳科学者ゆえに、リスナ-からいろいろな脳に関する質問も寄せられていました。
その答えとして次のようなことも挙げていました。私もその一人ですが、よく歳をとってくると忘れやすいとか、なかなか記憶が定かでないようなケ-スの場合、「人間は覚えなくても生きることに支障がなければ覚えないものである。
また脳にはキャパシティがあるわけで、歳が多ければそれだけ情報量も多すぎるわけである。それでも口惜しい思いをしたとか、思いっきり感動したような感情を伴っていることは覚えやすい」と。
最近、以前に比べて人や固有名詞の名前がなかなか出なくて、正直、少なからず心配をしていたのも事実なのですが、中野さんが言うように、生きることに支障がないと捉えれば気が楽になるかもしれません。
とにかく世界に通用する人にはとてもなれませんが、せめて生きている限りはボケないで、自分自身で判断できる脳をいつまでも保ちたいものです。