会長の”三行日記”

2017.03.10

石破茂氏講演よりその1 No.2931

 元防衛庁長官など政府の重職を歴任している自民党・石破茂衆議院議員の講演会が沼津でありました。地元金融機関の経営者クラブが主催で開かれたものです。と言ってもその前々日は高知で講演されたと話していたくらいですから、次期かその次を睨んでの全国行脚の一環なのでしょう。

でも語り口はさすが政治家そのもので、とても聴きやすいものでした。演題は「我が国が生き抜くために~日本を取り巻く国際情勢と地方創生」ということでしたが、昨年8月まで国務大臣で地方創生を担当していただけに、話の中心はこの地方創生についてがほとんどでした。

まず冒頭、自身が大学卒業後、金融機関に勤めていて融資での失敗談を話されてから、今太閤の田中角栄さんに強引に勧められ政界入りした経緯に触れた後、本題に入りました。

そこではまず日本が直面する人口減少問題について触れています。何と2100年には日本の人口は今の半分以下である5200万人になるというのです。それは現在の出生率から推測される数字で、必ずしも架空のものではなく、恐ろしく我が国が人口減に置かれるというものです。

そして世界の主要都市の中で、東京が断トツの一番で危機に見舞われる都市であると指摘していました。それは一番目には首都直下型地震や災害によるものです。直下型地震もあと30年までには80%の確率で発生すると言われています。

また比較的若い火山と言われている富士山の噴火も、1707年の宝永の噴火以来、300年も噴火していないのは珍しいというのです。この富士山の噴火によって、火山灰は雪の10倍という積もり方ということから首都は機能停止になると指摘します。

次に危機の2番目は超高齢化の問題です。1955~1970年の15年間で地方から東京に500万人の人々が移住したと言われています。1955年当時、一番若い15歳の若者でも今、62歳を迎えています。ですからそれより上の人たちは推して知るべしで、高齢化が深刻な問題となっているのです。

そうしたことから、私たちは今、何をしなければいけないのかということですが、人口や経済が行き詰まり伸びない現在、地方創生が大きな課題でこれに失敗したら日本は終わりとも言えるとも話されていました。

その具体的な内容については次回紹介させていただきます。とにかくやはり総理大臣を目指すような人はよく勉強しているなというのが感想です。それから講演するその土地についても、よく事前学習されていることが話の端々に窺えることから、感心しながら良い印象を持ったものです。