会長の”三行日記”

2016.09.26

ラブホの変身 No.2897

 先週金曜日はカキコミができず失礼しました。ラブホテルが外国人観光客向けにリニュ-アルするという、業態転換が起こっている記事を読みました。こんなところまで外部環境の変化が影響していると改めて知らされたものです。

さいたま市の郊外に立つ、あるホテルがこの6月に改装オ-プンをしました。周囲には畑や民家が点在するエリアですが、4階建ての屋上にはピンクと緑の派手なネオンが輝き、今でもラブホと間違えてやってくるカップルさえあると言います。

でもその対象は以前とは違い、訪日中国人観光客です。全部で57室、宿泊人数は最大で約100人と言います。運営会社の社長の話ではラブホ時代の月商ピ-クは10年前で1600万円。それが年々落ち込み最近では600万ぐらいとなり、ほとんど採算ギリギリとのことです。

このため経営立て直しのため新たな顧客開拓を狙い、業態転換に踏み切り活路を中国人観光客に求めたのです。改装費は約1億5千万円、都内の信用組合から借りたと言います。

改装はまずベッドをダブルからツインに、ピンクの壁紙を白に、そして大きな鏡を撤去しテレビや冷蔵庫、空気清浄機を新調しました。また旅館業法に義務付けられているため、食堂やフロントを設け、風俗営業としてのラブホ営業許可を返上したとのことです。

その結果、中国系の旅行会社と月1350万円で貸し切り契約を締結し、連日3~4台の大型観光バスが乗り付け、満室が続いているそうです。このラブホ業界の伸び悩みの原因は若者の草食化や車離れに伴い、カラオケボックスやネットカフェなどでも男女2人きりになれる低価格サ-ビスも影響しているようです。

従って利用客が減っている現在、急増する外国人観光客は絶好のタ-ゲットにもなるわけです。でも政府が2020年までに4000万人を目指すと言っても、課題はホテルの客室不足にあり、ラブホ業界はそこに目をつけたのです。

ただ問題はホテル改装費の資金調達が難しいことから、組合は公的融資を求めて政府との交渉を始めたのです。こうしてその支援をとりつけ、業界全体で動き出しているところが少なくないということです。

ただ一部には団体客を確保できる保証もなく、一日の客室回転数を増やして稼ぐ経営モデルの利点を失うことから懸念する声もあると言います。でもホテルが足りず、外国からの観光客の一部にはラブホテルを利用するという人もいるとのことですから、やはり新たな顧客開拓の戦略と言えるのではないでしょうか。

やはり手をこまねいていては少しも前に進めないということです。刻々外部環境が変化しているわけですから、旧態依然としているのではなく新たな一手を打つ必要があるのではないでしょうか。業界は違ってもこのような外部環境の変化には、私たちもしっかりと目を向けていかなければならないものです。

明日27日はあきる野市五日市、また終了後、別のお客様の代々木と2件、現場調査を兼ねた打合せで出張するため、カキコミは休ませていただきます。