会長の”三行日記”

2016.09.01

小池都知事の手腕 No.2886

 東京都の小池知事が就任してからほぼ1ケ月が過ぎ去りました。その間、選挙の後遺症もあるのか、ドンと呼ばれる元自民党都連幹事長はじめ都議会議長などのイジメにもあっているみたいですが、総体的によくやっていると言えるのではないでしょうか。

それにしても上記の人たちの知事を無視するかのような仕業にもあきれたものです。就任直後、挨拶回りで訪れた都議会自民党の部屋では内田元幹事長は初めから留守を決め込んでいて不在で、出迎えた川井議長にしても報道陣の前で「知事と議会は両輪です。一輪車にならないように」と敢えてクギをさしたとのことです。

またそればかりでなく、報道陣から小池氏と並んだ写真の撮影を求められると、その必要はないと言って拒否し、「どうもご苦労さまでした」と小池氏に退室を促したそうです。

そして知事がリオ五輪での引継ぎを無事果たし、にこやかに五輪旗を振って選手団と凱旋帰国した際、歓迎式典が羽田空港で行われたわけですが、そこでも待っていたのはなんとも素っ気ない対応だったのです。

やはり内田氏の腹心とされる川井議長が式典に出席したのですが、記念撮影には応じたものの、終わると小池知事の前を素通りして山下泰裕副団長に挨拶するため駆け寄ったのです。知事とは目を合わさず言葉も交わす様子もなかったと言います。

これなどは露骨な宣戦布告に見える、明らかに知事を無視したやり方で、大人げないとも言えるものでないでしょうか。そんな仕打ちに対しても知事は少しも怯(ひる)むことなく、昨日などは前から決められていた築地市場から豊洲への移転時期も延期するという方針を打ち出しました。

新市場となる豊洲の土壌汚染をめぐる安全性の検証が不十分と判断したからです。これまではまず2020年の東京五輪パラオリンピックありきで、その選手村と都心部を結ぶ環状2号線を通す計画を優先していたのです。

つまり築地市場跡地を通る環状2号線の完成を東京五輪・パラリンピックまでに間に合わせるため、逆算する形で移転の日取りを決めていた都の方針に不信感を示し、はっきりと意思表示をしたのです。

何よりも日本の台所を支える新市場の環境面での安全性を重視したのです。また一部週刊誌が伝える都議会ドンの内田氏の移転に関わる利権問題にも、当初の事業費が大幅にアップしていることから、しっかりと目を向けていくという強い意思を示しています。

まさに頼もしいものではないでしょうか。こういったことはドンと馴れ合いの知事ではできることではありません。臭いものには蓋することなく、どんどんとおかしなことを追求し改めていってもらいたいものです。新知事の予想以上の毅然とした取り組みに何となく心地良さを感じています。