会長の”三行日記”

2016.08.10

原発及び企業見学 No.2878

 昨日は御前崎にある浜岡原発と、高校同窓会会長の企業・木村鋳造所の見学に行ってまいりました。まず最初に訪れたのが浜岡原発です。といっても発電所そのものにはとても入ることはできないわけで、付帯の原子力館です。

それでも原子力館の中には実物大の原子炉模型や防波壁模型が作られていました。防波壁も何とも頑丈なもので海抜22mの高さで、2012年末までに完成した18mの工事分にさらに4m上積みされ造られています。

これなら津波はまず越えないだろうという想定で、東日本大震災の教訓として、越えたとしても防波壁が壊れないよう、基礎部分をだいぶ強化しているようです。しかしその長さは総延長1、6kmにも及ぶもので建設費用をかなり費やしたと聞いています。

現在1~2号機は運転を完了し、廃炉となるとのことですが、他の3~5号機もずっと運転を停止したままです。休止の状態なのに大震災以降、この防波壁など3000億以上の莫大な金を掛けているということは、やはり早く運転させたいという中部電力の強い意向なのでしょうか。

とにかく館内の女性係員の説明にしても、全て安全を力説するのに終始しているようで、本来の原発を持つ意義など何も聞かされることはありませんでした。でもこの原発にシビアに反応している現代ゆえ、致し方ないかもしれませんね。

昼食後、私たちは木村鋳造所に向かいました。私の想像以上の広大な土地に各工場を構える同社は、日本の名高い企業にはほとんど取引口座があるということを証明できるほど、工場内にはいろいろな鋳物の型となる模型が並んでいました。

鋳造法としては今までは一般的に木型を用いることが常だったそうですが、同社が開発したフルモ-ルド鋳造法というやり方は独自な手法で未だに他の追随を許していないそうです。

これは発砲スチロ-ルを用いた模型から造る方法で、同社が力を入れて推進しているCAD・CAMにより、デ-タから発砲スチロ-ルの模型を加工し造りだしていくやり方です。これは1つの木型で複数の鋳物をつくる木型法に比べ、単品製造に向いているわけですが、製品と同じ形状の模型を製作することからデ-タの永久保存が可能となるわけです。

そして劣化の恐れもなく、設計変更による模型の修正も容易なわけで、鋳造段階においても木型法にある、合わせ面のバリが残らないのです。このような他社の真似できない工法が多くのお客様から支持を受ける所以ではないでしょうか。

また特筆すべきことは、鋳造工場と言えばイメ-ジ的に3Kと思い描くものですが、同社はとにかくそうした先入観を拭い去るだけの取り組みをしていることです。この整然とした工場の綺麗さがまたお客の大きな評価に繋がっているとのことです。

会社の名誉会長でもある、我が高校の同窓会会長自らが丁寧に工場を回りながら説明して頂いたのですが、3S・5S運動についてもこんなことを言われていました。「そうした運動は全て終業時間内にやることです。でなければ社員の習性としてせいぜい3か月ぐらいしか続かない」と。

私たちが社員に対する接し方の大きなヒントのような気がします。とにかくいろいろな設備にも潤沢な投資をされているようで、益々発展していくものを十分感じ取りました。羨ましい限りのこの会社から、せめて弊社もお客様に見せられる製作現場を作っていきたいと強く感じさせられたものです。

明日から21日までは夏季工事やそれの振替休暇で会社を空けることになります。この期間、カキコミは休ませていただきますのでよろしくお願いいたします。猛暑酷暑ゆえくれぐれもご自愛下さい。