会長の”三行日記”
2015.08.24
人間の潜在力 No.2749
希望が人間の潜在力を開花するという話が載っていました。それだけ人間の持つ力というものは偉大なものなのでしょうが、いつも前向きに生きなければいけないという話を紹介したいと思います。
“アメリカの良心”と言われたノーマン・カズンズという博士は、35年間にわたってジャーナリスト(週刊誌編集長)として健筆をふるいました。なぜ良心と称賛されたかは以下の理由からです。
まずナチスによる生体実験の後遺症に苦しむポーランドの女性たちの補償のために執筆しながら奮闘し、当時の西ドイツ政府から補償を勝ち取りました。また原爆で両親を失った日本の「原爆孤児」400人余の里親になってもらえるよう、アメリカ国内に呼びかけ実現させました。
そしてアメリカ・ソ連の首脳に対し、核兵器廃絶への論陣を張り、部分的核実験停止条約の可決・批准への世論を盛り上げていったのです。こうしたひとりの人間として、世界の平和と人々の幸福を希求し、そのための活動を生涯を賭して実践していったことが、そのように呼ばれている所以です。
このカズンズ博士が、人間の体内には神経系や免疫系、循環系などよく知られたシステムのほかに、2つの重要なシステムとして「治癒系」と「信念系」があると言われています。
「治癒系」とは人間が病気と戦う時、身体の総力を動員する機能をもっていて、これと共同して働くのが、精神の「信念系」だと言っていますが、この2つのシステムが連携して働くときが重要だと指摘しています。
つまり信念系における希望や愛情、生きようという意欲、使命感、楽観などの前向きな精神的活動が、治癒系を活性化し、人体という一大薬局を活発に働かせることになるというのです。
そのように言っている博士自身も多くの闘病経験を持っていて、10歳で肺結核になり、50歳の時には膠原病にもなり、また65歳で心筋梗塞に倒れたのです。特に肺結核は1920年代のことで、結核が死病と恐れられていた頃のことです。
でもその度に「さぁ、やるぞ」とのエネルギーを沸き立たせ、希望を胸に戦いを開始し、すべての病魔に打ち勝ってきたというのです。「人間の脳が、考えや希望や心構えを化学物質に変える力ほど驚嘆に値するものはありません。すべては信念からはじまります」というのが、このカズンズ博士の言葉なのです。
そしてさらに次の言葉を付け足します。「おそらく人間には、2つのタイプがあります。問題が起こったとき、解決のために『行動すべきだ。しかしむずかしい』としり込みする人。一方、『むずかしい。しかしやるべきだ』と挑戦する人です」
私たちが「もう、だめだ」と思ったら、そのとたん「もう、だめだ」という脳の命令に従って、自身の体全体がその方向に動きはじめ、逆もまた同じであると指摘するのです。その意味で人生には2つの生き方しかないということで、「やらなかったから、できなかった」か、それとも「やれば、できる」ことを証明するかというのです。
このように人間の潜在的な力は大きく、希望と挑戦の意欲こそ潜在力の開花につながると言われているのです。何事も挑戦する意欲を失うことなく、絶対あきらめてはいけないことがここでも示されています。常に前向きに生きたいものです。
明日は一日会社を離れるのでカキコミは休ませて下さい。