会長の”三行日記”

2015.07.22

感電死 No.2741

 西伊豆で不幸な感電死事故が起こってしまいました。都会から来た2家族が川で遊んでいるうち、何らかのことでイノシシ除けの電気防護柵に触れたみたいで起こった事故です。

そして悪いことにこの柵の一部が切れて川の水に浸かったことから、助けようとした家族などの全員が感電したものです。ご存知のように水は電気を流す導電性というものが極めてよい物質です。

この特性を利用し、私たち電気の分野でも水の中に電極を浸して水位を制御したり、ポンプの運転などに活用しています。ですからこれからの暑い夏、濡れた手で電気部分を触るのはもちろんいけませんが、汗で湿った手や顔などを近づけるのもご法度です。

事故後の調べによると電気柵が施されているから危険という看板がなかったことや、家庭用コンセントの100Vの電源もいつもは夜間しか入れず、昼間はOFFだったのが切り忘れていたことが判りました。

またもう一つ致命的だったのが100V電源の元に漏電遮断器が設置されてなかったことです。これさえあれば、私たちは地絡と呼んでいるのですが、生きた線が切れて他の箇所に触れたり、今回のように水の中に触れると電源が自動的に落ちることになるのです。

ですから助けようとした家族の人たちが二重三重に巻き込まれることにはならなかったのです。近年、私たち電気に携わる業者が客先で工事を行う場合、電源をお借りするとき必ず漏電ブレ-カ付のコ-ドドラムやテ-ブルタップを使用することが義務付けられています。

それはお客様の電源系統を保護する目的の他、こうした事故を防ぐ意味があるからでしょう。一部の伝えるところによると、電気柵の設置主と事故に遭った家族の一部は親戚関係にあると聞きました。

そうなると、とてもややこしい話で悲惨さと哀れさが増してきます。それから電源を切り忘れたということですが、人間が行う手動では当然そのようなこともあるわけで、24時間式のタイムスイッチ1個あれば自動的にその時間帯しか電源が入らないという簡単な制御ができるわけです。

とにかく電気と水の相性の怖さを改めて知らされた事故でもありました。そしてたかが100Vと油断していても、水などがその媒体となると人間の命まで奪ってしまうことを知らされました。とても対岸の火事とは言えるものではなく、電気を扱う私たちに置いても良い教訓としなければと考えています。