会長の”三行日記”
2015.03.16
ISへの若者合流 No.2700
先週はなかなかカキコミができず失礼いたしました。季節はだんだん暖かい方に向かい、何となくウキウキしてくるこの頃です。夜明けなども以前とはだいぶ変わってきて、もう5時半には明るくなってきています。あと10日ぐらいでしょうか、桜の開花が待ち遠しいものです。
さて日本人2人を殺害した、過激派組織「IS」に合流する若者たちの波が止まらないと伝えられています。アメリカ当局によると、シリアでは約90カ国から2万人以上の外国人戦闘員がイスラム国(IS)などに合流しているそうです。
そのうち少なくとも約3400人が欧米出身者とみられています。イギリス情報機関元幹部によると、ISに参加する外国人戦闘員の多くは18~29歳の若者とのことで、背景にはメディア環境の劇的な変化があると言われています。
それは2011年の中東民主化運動「アラブの春」を支えたツイッタ-や、フェイスブックなどのソ-シャルメディアを指していて、今、過激思想拡散の主要な担い手となっているのです。
ISはネット上でプロ顔負けの編集がされた英字機関誌を発行していて、敵対勢力や人質を殺害する衝撃的な映像で関心を引きつけ、同組織支持の投稿は実に1日9万件にも上るとのことです。
こうした過激思想の拡散や若者が洗脳されるのを食い止めるため、同じデジタル空間で対抗しようと、米政府は世界中の大学生やソ-シャルメディア、IT企業と協力していくと表明しています。
一部には聞いたところによると、コンピュ-タ-の通信を破壊しようとするハッカ-などの協力を得て、ISの通信機能そのものを破壊したい動きもあるようです。ハッカ-もこんなときには役に立つものですね。
しかしながら若者が過激思想に感化される土壌は、もっと深いとことにあるとも言われています。教育を受けられずに貧困にあえぐ若者らの経済的不満、抑圧や人権侵害への政治的不満に過激派がつけ込んでいるとも指摘されているのです。
フランスで連続テロを起こした容疑者もパリ郊外のフランス最貧地区だったとのことです。ですから将来的に希望が持てる社会づくりに取り組む必要性があるわけで、若者の起業支援や過激派台頭の思想浸透を阻止する地道な対策が、家庭や学校、地域社会に求められているわけです。
とにかく目に余る壊滅的行動を繰り返すISの蛮行は言語道断なことですが、彼らの組織壊滅を目指すのに軍事作戦中心だったものを目には目ではなく、ソ-シャルメディアを駆使した新たな次元で対策に取り組むことが一層求められているのではないでしょうか。