会長の”三行日記”

2015.02.25

ひとり親家庭支援 No.2695

 ひとり親家庭支援と聞くと耳触りがよいものですが、厚生労働省がこの4月から実施しようとしている、教育面を中心としたひとり親家庭への支援を強化という方針にはちょっと首を傾げてしまいます。

ひとり親家庭とはその調査によると、母子家庭の母親がパ-トやアルバイトなどで働いている割合は47.4%で、この世帯の平均年間就労収入は125万円、一方、父子家庭の父親の場合は8%、175万円と言われています。

ひとり親家庭となった理由は離婚が大半を占め、母子家庭で約8割、父子家庭で約7割とのことで、1980年代前半の離婚が約5割、死別が約4割という数字と比べてみても離婚件数の増加を反映しています。

このひとり親家庭となったのはそれぞれの事情があることですから、門外漢の私がどうこう言う筋合いは全くないわけですが、厚生労働省が実施しようとしているシングルマザ-ら親の学び直しの費用を補助するといった制度に、どこまで信憑性があるのか疑問に感ずるからです。

建前は貧困対策の一環として、子どもへの支援と共に経済的な自立につなぎたいとのことですが、毎日の生活に追われ、ひとり身で子どもを養っていかなければならない、そういった人たちに果たしてその余裕があるのかということです。

新たに始めるというこの制度は、高校卒業程度認定試験(旧大検)を受けるための講座の受験費用の補助制度ということで、中学卒業や高校を中退した親の学び直しをしたい人が対象と言われています。

しかしどうでしょう、このことは直接、ひとり親家庭とは結びつかないのではないでしょうか。離婚をしたからそうした資格を取れなかったわけではもちろんないし、それ以前での家庭状況が原因となっているわけです。

ですから親よりむしろ現在そういった状況下に置かれ、行きたくても行けないような経済状態にある、ひとり親家庭の子どもたちの方がその対象と考えなければいけないような気がします。

またひとり親で一生懸命頑張っている低収入の家庭より、何も働かず生活保護を受けている人の方が比較すればむしろ高い収入を得ていといった逆転現象も聞かれます。

こうした矛盾をまず是正する方が先決ではないでしょうか。とにかく頑張っている人たちを応援する制度でなくてはなりません。お役人のやることはその実態をよく把握していないような気がしてなりません。

明日は孫の初宮参りということで、じじ馬鹿で申し訳ありませんが会社を休ませていただきます。