会長の”三行日記”

2015.01.20

おちゃらけ No.2676

 サザンの桑田佳祐さんが自分に対する一連の批判に対し謝罪をしました。先のイベントの中で、それ以前頂いた紫綬褒章の取り扱いに配慮を欠いたことなどで、ネット上で多くの批判が生じたことからです。

問題となったのは、昨年大晦日に開かれた、横浜アリ-ナでの年越しライブで、昨年秋に受賞した紫綬褒章をポケットから取り出し、観客に対してオークションに掛けるようなパフォーマンスをしたことです。

このことは桑田さん特有のおちゃらけだったと思われますが、ツイッターなどに「嫌なら辞退すべきだった」とか、「失礼だ」などといった批判が予想外に高じた為、急遽謝罪のコメントを出さざるを得なくなったからです。

またこの他にもNHK紅白歌合戦でのチョビ髭姿も、ヒトラーのまねなどと話題になっていたみたいです。これらも以前のパンツ姿での登場などと同様、ある意味、国民的行事になっている紅白に対し、彼独特の皮肉も入っていたのではないかと思われるものです。

でもそうした皮肉めいたことが、本人の予想以上の批判を浴び、今後のことを考えての早急な火消しに走ったのではないでしょうか。それだけネットの反応が大きな影響を与える時代になったとも言えるわけです。

桑田さんサイドは今後のアルバム発売などを考えたビジネス面での判断と、フランス週刊誌銃撃事件のような抗議活動がエスカレートした事件を思い、何が起きても不思議でない時代背景を考えての措置だったかもしれません。

でも桑田さんはやはりやり過ぎとも言えるものです。確かに彼の歌には時の政権批判を連想する、胸のすくような歌詞もないわけではありませんが、おちゃらけではなく、もっと真っ向から向かっていってもよいのではないでしょうか。

ただ今回のことで今後懸念されるのは、こうしたアーティストの自由な表現活動に対し、ネットの力が必要以上の圧力を与えかねないことです。かつてフォークソング全盛時代にはこうした政治や体制批判は少なくなかっただけに、戦争ではない平和を願うメッセージには余分なものは避けてもらいたいものです。

その意味でもサザンの新曲は「平和の鐘が鳴る」という社会的なメッセージがこもられているだけに、こうした平和や政治の矛盾を突いた曲作りへのトーンは是非下げてもらいたくないものです。