会長の”三行日記”

2014.08.01

モンスタ- No.2603

 我が県の代表には静岡高が決まりました。その初戦、駿河総合と延長15回再試合という壮絶な試合を制し、勝ち進んでいったのですが、もし負けていたらどうだったのでしょう。改めて野球の奥深さやスリリングな点を感じています。何とか甲子園でも静岡県代表の意地を見せてもらいたいものです。

長崎県佐世保でまた悲惨な事件が起きてしまいました。高1の女生徒が自分のマンションに同級生を誘い、殺害してしまったのです。しかも殺害後、遺体を切断するという、信じられないことまで起こっています。

伝えるところによると、通う高校は中高一貫の進学校で、長崎県の中でも上位の成績を有する学校と聞き、また家庭も比較的裕福で弁護士の父を持ち、親子ともスピ-ドスケ-トの選手という文武両道の一面も覗かせています。

そんな子がなぜ?と思わせられるものですが、大好きだった実母が昨年秋ガンで他界、その後すぐに父親が再婚し、家を出てマンションの一人住まいを始めたと言います。このへんが16歳という多感な年代だけに原因が潜むのでしょうか。

また殺してみたかったとか、遺体を解剖してみたかったという、恐ろしい供述もしています。犯行も道具を買い揃えたりして猟奇的な事件を思わせられますが、勉強もスポ-ツもよくできたという彼女がここまで追い込まれてしまったことに、大きな疑問を感ずるものです。

よく学校や病院などに理不尽なクレ-ムをつける人を最近では「モンスタ-」と呼ばれています。「あなたでは話にならない。店長を呼んでちょうだい!」。中年の女性客が鋭い声で若い女性店員を叱責し、周囲が凍り付いている光景を目にすることもあるかと思われます。

こうした普段は穏やかな人が、突如激高してモンスタ-化するケ-スが少なくないと言われます。お客様や患者至上主義を進めた結果、利便性が向上し、理想のサ-ビスと現実のギャップを許容できない人が増えているからです。

また社会が便利になるほど怒りの沸点が下がると言われ、効率的で合理的なサ-ビスが標準となった現代では、こうした誰もがモンスタ-化する可能性を秘めているかもしれません。事件を起こした家庭内の事情までとても知る由もありませんが、地元では名士と呼ばれている両親に育てられた家庭環境にこうした問題の一端はなかったでしょうか。

女生徒が小6のとき、給食に洗剤を混入させた事件を起こしたことがあると言われていますが、両親が地元の名士ゆえ、さしたる問題にもされず進学校に進めたという事実もあるみたいです。

また実の母親が昨年10月に亡くなったばかりで、今年の5月父親は再婚したと言います。多感な年代の娘にとっても、そのことが社会的地位の高い父親の分別ある行動とも思えません。相手のことを考えた思いやりとか、人として生きる上で最も大切な「命の尊さ」を教え忘れたのではないでしょうか。