会長の”三行日記”

2014.04.16

統一球 No.2558

 またまたプロ野球の統一球が飛び過ぎるという問題が騒がれています。昨年は関係者が知らない間にボ-ルの反発係数が大きく変わっていて大きな問題になったのですが、今年も開幕当初から本塁打数などが増えていることから調査した結果、その数値が規定値を超えていたのです。

それなら、なぜもっと早くこの計測をやらなかったのかと不思議に思うのですが、たぶん関係者にこうした危機感が薄らいでいるのでしょう。私たち素人でさえ、昨年あれだけの問題になったのですから、シ-ズンが始まる前にしっかりとチェックをしているはずだと思えるものにです。

元々この統一球というものが生まれたのが国際基準に合わせようという背景からだったのですが、実施した2011年と2012年は投高打低で打者にとってはさんざんなシ-ズンでした。

これには本来合わせようとした大リ-グなどの試合球と比べても、実際に日本のボ-ルの方が飛ばないという証言が、プレシ-ズンマッチで大リ-グと対戦した巨人や阪神の選手からも出ています。

また私たち観客からしてみても、投手戦より華々しい打撃戦の方がずっと面白いわけですから、こうした事情によりNPB(日本プロ野球機構)は2012年のシ-ズン期間中にボ-ルの反発係数を測ったと言われています。

その結果、基準の下限値を下回る結果が出ているのが判明したのです。いわゆる基準値の範囲から外れていた欠陥品だったのです。それをNPBが隠してそのシ-ズンを使い切り、かつまたオ-プン戦まで在庫を使っていたから、昨年のような飛ぶボ-ル騒ぎにまで発展していったのです。

ですから元々の基準値は0.4134~0.4374であって、それより下限を下回っていたボ-ルですから飛ぶわけがありません。そしてその基準値が昨年2013年のオフに、0.4134~0.4374から0.4034~0.4234に下方修正されていたというから話がややこしくなったのです。

従って今シ-ズン始まってから測定して出た0.426という値は、本来の2013年の基準値ではその範囲に入っていたわけです。こうしたややこしいことを半ば知らない間に行うから、騒ぎの原因となるのです。

それからメ-カ-がミズノ1社に依存しているというのもよくありません。今回はボ-ルの芯に巻く糸が乾燥し過ぎていたというのが原因らしいのですが、決めた基準値の範囲から外れていても急には対応できないものです。

こうしたいろいろな隠ぺい体質が不要な誤解を次々と生んでいくのです。かつてのようにボ-ルメ-カ-数社に委託して、基準値から外れればメ-カ-を変えていくというのも方法の1つです。とにかくなぜもっと早く手を打たなかったのか、不思議に思えて仕方がありません。

明日、明後日の2日間は出張等で会社を留守にするため、カキコミを休ませていただきます。