会長の”三行日記”
2014.03.10
橋の開通 No.2538
ロ-カルな話題で恐縮ですが、沼津と清水町を結ぶ黄瀬川橋がこのたび開通しました。治水工事に伴う橋の架け替えだったのですが、工事に費やした期間が何と2年4ヶ月にも及んだのです。
全長は以前が67メ-トル、そして今度は105メ-トルに延びたとはいえ、高々100メ-トルぐらいの橋の架け替えにこんなに長期の期間を要するものなのでしょうか。
弊社の女子社員がこの橋の向こう側である、清水町からバスで会社に通ってきます。この工事の期間、もちろん橋は通れないので、旧の国道1号線の方に迂回してくるのですが、大変な渋滞を捲き起こしていたと言います。
そしてもっとひどいことは橋の近隣の商店か企業の中で、2店舗ほど営業不振に陥り倒産か廃業を余儀なく求められたところがあると言います。地形的にもこの橋が通れないと、道路を行き交う人々の足が全く途絶えてしまうからです。
まさに死活問題で本当にお気の毒な話です。そんな中でこの道沿いにあるコンビニエンスストアが何とか急場を凌ぎきったという話を聞きました。当初、工事が始まったときには今までのお客の足が遠のき、散々だったと言います。
唯一、工事に携わる作業の人々しかお昼に買ってくれないという状況が続いていたのです。そしてこのままではいつまで持つか判らないという危機感があったのでしょう。そうしたことからいつ頃か定かではありませんが、独自の食材をお店に出すようになったと聞きます。
こうして少しずつお客を繫ぎとめ、何とか今日に至ったのです。まさに生き残りの戦略とも言えるのではないでしょうか。当事者にとっては2年4ヶ月の期間が本当に長く、首を長くして待ち望んでいたものと思われます。
このように橋の開通が違った意味で待ち遠しかった話ですが、他人事とはとても思えないものです。ある日突然、こうした外部環境が豹変しないとも限りません。大型店舗の進出とか、最大顧客の移転とか倒産・廃業に伴い、今までの営業が大きく変わることもあるわけです。
そのようなとき、ただ手をこまねいているのではなく、このコンビニのように新たな戦略を打ち出していかなければなりません。極論からすれば、これからの時代、中小企業にとってはまさに求められていると言ってよいのではないでしょうか。
少しでも差別化された商品、そしてニッチな市場を創り出し、お客様にとって無くてはならない存在になることです。それが大企業に打ち勝つ中小企業の重要な戦略ではないでしょうか。この橋は「明日に架ける橋」と言えるかもしれません。