会長の”三行日記”

2013.09.20

穂高挑戦その4 No.2460

 横尾からいよいよ山道に入り、目指すは涸沢、何とか辿り着くことができるでしょうか。それにしてもお天気はよく、眺める景色は抜群です。さすがにここまで来ると山の醍醐味を味わえるものです。

9月14日 横尾  9時40分出発           同    涸沢 12時45分到着

遠くには前穂高岳でしょうか、横尾大橋からもその雄大な姿を見えます。横尾から歩き始めて20分、今では地面が埋め尽くされてしまったのか、とても泊まることはできなくなってしまった岩小屋跡がありました。

昔はこんなところにも泊まったのでしょうか、先人のまさにパイオニア精神です。そしてそれから40分ほど歩くと本谷橋に出ます。ここで初めて綺麗な水の流れる沢を渡ることになります。

以前は丸木橋だけだったのでよく流されたということですが、今はこのような他の吊り橋が架かっています。今日は少ない川の流れが、大雨などで突如として増えることがあるのでしょう。

15分ほどの休憩後、一路、目的地涸沢に向かい歩き始めたのですが、あと2時間ぐらいだと言います。

進むに連れてだんだん登りもきつくなり、足もとに岩場も増えてきます。何ともなければよいと思っていたのですが、次第に初めて背負ったザックの重みが増してきました。

と感じていたら、その影響からか、左ひざの外側が痛み出してきたのです。同行のベテランからは、やはりザックの重みに筋肉がびっくりしたからだと指摘されました。

今までにない経験だったのですが、やはり山を甘く見ていたつけが出始めたのです。でもペ-スは少し下がりましたが、何とか歩き続けることはできました。

そしてまだ遠くですが、涸沢のカ-ルや小さく山小屋が見えてきたことにより、痛む足を気にしながらも少し勇気づけられたのです。こうして本谷橋での休憩してから約2時間後、目指す涸沢に何とか辿り着くことができたのです。さすがに初めて眺める涸沢の大カ-ルは圧巻です。

ちょっと前に出掛けた木曽駒の千畳敷にも感動しましたが、ここはそれ以上の大きな感動ものです。大カ-ルを眼下に、右に北穂高岳、そこから左に行くと奥穂高岳、そして吊り尾根を経由して前穂高岳といった穂高連山がしっかりと取り囲んでいるのです。まさしく大パノラマの光景にすっかり魅せられたのです。

予定より早く着いたお陰で、テントの設営も余裕を持ってでき、あとはおいしい生ビ-ルで乾杯あるのみです。とにかく格別だったのは言うまでもありません。こうして涸沢の夜が暮れないうちからテントで就寝となったわけですが、翌日は生憎の雨、またその翌日には台風が迫っていることから、穂高連山への挑戦は次回へのお預けとなりました。

このへんがさすが日本山岳会の会員ならでの素早い決断です。ベテランはこのように決して無理はしないものです。でもお陰で膝の外側を痛めた私が、皆さんの足を引っ張らずに済んだわけです。そういった意味では台風に感謝しなければなりません。

こうして翌日は上高地まで下山することになり、上高地温泉ホテルの温泉にもゆっくりと手足を伸ばして浸かることができました。予約できた小梨平の上高地キャンプセンタ-のロッジも、広い部屋で快適でした。

メンバ-が用意していただいた歌集を、皆が全ペ-ジ歌い尽くすほどの盛り上がりで、楽しい最後の夜を過ごすことができました。とにかく山の素敵な魅力を十分堪能させていただいた、同行の皆さんに感謝の言葉があるのみです。