会長の”三行日記”
2012.12.11
夢を実現するためには No.2328
花巻東高・大谷投手が日本ハム入りを表明しました。大変喜ばしいことだと思います。一部にはこの日ハム入りに対して、約束違反だとか、本人や球団への批判の声も挙がっているようですが、何も問題なく気にすることはないと思います。
そもそも日本ハム球団は、100%日本球団入りはないとしていた大谷投手ですから、1位で指名しても昨年の東海大・菅野投手同様、入団する可能性は低く、2年続けてドラフト1位選手なしという事態だって想定されていたわけです。
そんな大きなリスクがあっても、尚、チャレンジし続けた結果ですから、リスクの大きかった分、リタ-ンも大きくて当たり前ではないでしょうか。
また一方の大谷投手にしたって、ドラフト前から大リ-グ入りを表明していたのは、本人の純粋な気持ちからで兼ねてからの夢を追いたかったのでしょう。ですからそれは決してまやかしでも何でもなく、むしろ早く表明すれば、日本球界にも無用な混乱を起こさなくて済むという、気遣いがあったのではないでしょうか。
そうした本人の意志が変わり始めたのは、何と言っても栗山監督はじめ、日ハムのスカウト陣の熱意と人間性ではなかったのではないかと思われます。伝えるところによると、大谷投手本人にとって、夢を実現する一番良い方法を親身になって考えてくれたからです。
先に私も触れたように、いくら日本高校野球界で傑出した選手であろうとも、メジャ-デビュ-できるまでには少なくとも3~4年の時を経なければなりません。
その間、うまくいけばよいのですが、潰されることだってあるわけです。日曜日のサンデ-モ-ニングでは張本さんが、こうしたマイナ-の選手の中には一日一食でハンバ-ガ-だけの選手もいるくらいと言っていました。
また別の記事では、アメリカのマイナ-リ-グは3Aをはじめとして7階層に分かれていて、メジャ-球団は最大で250名もの選手を保有できるとなっています。ですからメジャ-の40人枠をめぐって、290人もの人間が争うわけで、その競争率は7.25倍にもなるのです。
一方、日本球団では一軍、二軍を併せても70名で、一軍枠28名を争うその率は2.5倍に過ぎません。その上、ドラフト1位の選手には、何よりも少数精鋭の囲い込み育成方法がとられることは明らかです。
これでは誰が考えても、日本で育ててもらってからという選択の方が賢明なのです。こうした大リ-グで活躍したいという大きな夢を持つ大谷投手は、まだまだ18歳の高校生に過ぎません。それだけに彼の夢を叶えてやる意味でも、私たち外野は温かく見守ってやろうではありませんか。