会長の”三行日記”
2012.12.05
トンネル天井崩落事故 No.2325
山梨県の中央自動車道・笹子トンネルで天井が落下し、9名の方が亡くなられました。コンクリ-ト製の天井板を、トンネル最上部にアンカ-ボルトで固定した吊り金具により取り付けられていたのですが、この吊り金具や一部ではアンカ-ボルトごと、抜け落ちたとのことです。
今朝のニュ-スによると、中日本高速道路の管理する同型の5つのトンネルのうち、この笹子トンネルだけ打音検査といって、ハンマーでたたいて内部の劣化を調べる検査を行っていなかったと伝えられています。
天井が高くて手が届かず、目視点検で済ませていたとのことですが、1977年の設置というから35年も経過しているだけに、もう少しその他に点検方法があったのではないかと、後の祭りですが悔やまれるところです。
この崩落は130mにも及び、たまたま、ここを通り掛かった3台の車が巻き込まれてしまったわけですが、事故当時およそ50台の車がトンネル内にいたのではないかと言われていますから、ゾッとさせられます。
そして犠牲者の中には閉じ込められていて、携帯で会社に電話してきている人もいたのですが、救出に時間が掛かったため、残念な結果になってしまいました。また後30mも走ればこの災害から免れたという車も見つかっていて、何ともその不運に言葉もありません。
そんな中で巻き込まれたワゴン車に乗っていた6人のうち、ただ一人だけ助かった28歳の女性がいます。どうやって脱出したのか未だに不明とのことですが、全く奇跡的だと言われています。
たぶん最後部座席に乗っていたのではないかと思われているのですが、車はことごとく押し潰されて隙間がほとんど見つからない状態だったとのことです。割れたガラスの小さな隙間から飛び出たのか、その後、車が炎上しているだけに、不幸中の幸いで持っている運の強さを感じさせられます。
それにしても行楽の日曜日の朝の出来事ゆえに、いくら上り線とはいえ、渋滞していなくて本当に良かったと思います。亡くなられた方には本当にお気の毒ですが、被害が拡大しなくてよかったのではないでしょうか。
こうした間違いがあれば閉じ込められてしまうトンネルだけに、くれぐれも安全点検はしっかりと行ってもらいたいものです。