会長の”三行日記”

2012.12.03

遅咲きの賞金王 No.2323

男子ゴルフで43歳の藤田寛之選手が賞金王になりました。2年連続で外国人にこのタイトルを獲られていただけに、溜飲を下げた人も少なくなかったのではないでしょうか。
 
昨日まで行われていた最終戦、ゴルフ日本シリーズJTカップ で見事、初日から首位を独走し3連覇に輝き、文句なしの賞金王になったわけですが、真面目でストイック的に思われがちな藤田選手だけに、華やかさに少し欠けてもファンは少なくないものと思われます。
 
何しろそのスイングには独特なものがあります。バックスイングのトップで停まっているのではないかと思えるくらい、そのリズムにはゆっくりしたものがあります。これが私たちアマチュアが真似すべきところだと言われているのですが、なかなかできないものです。
 
特に私などはどちらかと言うと、テ-クバックから切り返しが速いだけに、見習いたいものですが見た目ほど簡単ではないものです。この藤田選手、168cm、70kgと体は決して大きくありませんが、40歳を過ぎてから飛距離も以前より増したそうです。
 
それには二の腕と太ももを覆うウエアがピチピチになるくらいの、弛みないウエイトトレ-ニングなどの積み重ねがあるからでしょう。師匠でもある芹沢信雄プロはそんな藤田選手を、以下のように語っています。
 
彼のすごさは、40歳を過ぎてもモチベーションが全く下がっていないこと。ドライバーショットの練習をしていても、左右のブレに対する許容範囲が我々とは次元が違う。「それで十分だよ」と言っても、「これじゃ、だめなんです」と言って練習をやめない。
 
そして「世界のメジャー大会に出場して、我々には見えないものが見えたのだと思う。人に優しく自分に厳しい男。師匠として尊敬している。」とまで話しています。
 
やはり妥協しない努力の人なのでしょう。 そして本人が言っているところの、「自分は古き良き時代の日本人。打ちのめされてもはい上がる。今時のプラス思考なんて違うよと言いたい」という、草の根魂を人一倍秘めているのでしょう。
 
かつてのAONや石川遼くんなどの、決して強烈なプロとしての華やかさは持っていませんが、それだけに私たちが応援したくなるというものです。遅咲きの選手はこれからも長く活躍できると言われます。
 
それゆえに来年は出場権がここで確定した、夢のマスタ-ズでの舞台で、日本人ここにありという、大活躍を期待したいものです。