会長の”三行日記”

2012.11.14

涙の勝利 No.2312

ゴルフファンにはちょっと嬉しい話題です。あの石川遼くんが2年ぶりに優勝を遂げることができました。ちょうどその2年前に優勝を飾った、同じ太平洋クラブ御殿場コ-スにおいてです。
 
ソフトボ-ルの今季最終戦があった私ですが、テレビ放送が3時からでしたので、何とかテレビ観戦には間に合うことができました。観始めた最初には一時16アンダ-までスコアを伸ばしていた遼くんでしたので、これは楽勝かなと思っていたのですが、ドラマは終盤に待ち構えていました。
 
パットが決まらず16,17番とボギ-にした遼くんに比べ、一方の松村選手が17番、バ-ディ-とし、4打差あったその差は1つまで縮まり、最終ホ-ルを迎えていよいよ優勝の行方が分からなくなってしまいました。
 
そして18番の最終ホ-ル、両者ともにフェアウェイからの第2打、先に打った松村選手がちょっと左に引っ掛けたような当たりだったのですが、バウンドがよく見事にグリ-ン左に2オンです。
 
ここで遼くんはどんな攻め方をするのか、興味深かったのですが、何のためらいもなく池越えの2オン狙いです。そして放たれたボ-ルはそんな遼くんの思いが全て乗っていたのでしょう。
 
池越えで真っ直ぐに狙っていったボ-ルは池をわずかに超えた、見事な2オンです。あと1m足りなければ池に落ちたのではないかという、執念のショットで勝利を確定させたのです。
 
このへんが彼の攻め方であり、本人が言うところの、こうでなければアメリカでは勝てないというゴルフです。でもこの2年間、勝てなかった苦しみからか、涙ぐんでのインタビュ-でした。
 
そしてそこでは自分を支えてくれた多くの人々に、しっかりと感謝の気持ちを伝えていました。とかく華々しい存在ゆえに、どうのこうの言われがちな彼ですが、しっかりと自分や周囲を見つめた、好感を持てる話の内容でした。
 
やはり多くのファンを持つ彼ゆえ、こうでなければなりません。共に歩んできたキャディ-の加藤さんは、今回の優勝を今までの9勝とは全く違うと言っています。
 
それは過去全ては、ストレ-トな球で真っ直ぐグリ-ンを狙っていってとったものだが、今回は自在に曲げる球を掴んで、駆使した勝利だったとのことです。ですから着実にレベルアップしているとの証明でしょう。
 
また今季米ツア-にも挑戦し、ここで来季のシ-ド権も獲得できました。これで益々世界に飛躍できるチャンスも広がり、夢のマスタ-ズ制覇に向けて歩みだすことができます。日本人が誰一人として掴むことのできなかった勝利に向け、私たち周囲の期待も大きく膨らむというものです。益々の健闘を祈りたいものです。