会長の”三行日記”
2012.09.19
巨大市場を見直すとき No.2278
上海にあるユニクロの一部の店舗が、「尖閣諸島は中国固有の領土であることを支持する」という貼り紙を出して、デモ隊からの襲撃を免れたと言います。
相次ぐ見るに耐えない反日運動はここまでやるかというくらい、中国全土で凄まじい勢いなのですが、このユニクロの対応について、自国を売ってまで難を逃れたいのかという、ネット上でのカキコミが火を吹いているみたいです。
でもその真相は現地の従業員の独自の判断で、会社からの指示ではないそうです。ですからユニクロの会社そのものが関知しているのではないわけで、周囲の指摘により40分後には張り紙は撤去されたと言います。
そして1/3の店舗に当たる中国内42店舗は営業を停止せざるを得ない状態とのことです。このように営業を停止した日本企業は数多くあり、辛うじて営業していても看板を伏せなくては襲撃から守れないようです。
ある人が言っていましたが、この状態はもうデモではなく、テロ以外の何ものでもないと指摘します。映像やネットのカキコミによれば、襲撃を受けた店内からロレックスなどの高級腕時計や宝石類まで持ち出して、自慢しているとのことです。
こんなに心までもが貧しい人たちが住む国なのか、と辟易してしまいます。またパナソニックでは山東省青島と江蘇省蘇州の2工場が襲撃されるなどの被害がありました。
この工場も中国の要請で進出を決めたとのことです。そのきっかけは、かつての最高実力者だった故・鄧小平さんが大阪・茨木市のテレビ工場を訪問した際、「中国の近代化を手伝ってほしい」との要請を受けたことが始まりのようです。
また08年にも胡錦濤国家主席が本社を訪問し、「中国近代化建設への支援は永遠に忘れない」と謝意も表明していたと言います。まさにこうした歴史を全く知らない一部が被害をもたらしているわけで、誠に残念な出来事です。
それにしても各地被害を受けた損害賠償はどうなるのでしょうか。日本車販売店や工場でも、車が燃やされ修復が難しいと思えるほど、被害状況は大変なものとなっています。
安い人件費を求めて大手企業のほとんどが今、中国に進出しています。今回の問題でその大きなツケが回ってきたようなものですが、これを契機として何でもかんでも中国ではなく、国内に残れば税制等優遇化を図るとか、新たな措置を見直す時ではないでしょうか。