会長の”三行日記”

2012.06.12

お通し No.2225

いろいろなお付き合いがある関係で、よく飲む機会が少なくありませんが、ちょっとした小料理屋や居酒屋に行くと、必ずお通しというものがお酒に付いてきます。このお通しについて、新聞でちょっと触れていました。
 
飲食店でお酒を注文すると、必ず付いてくるのがお通しです。このお通しにもいろいろあって、お店がしっかりと手をかけて作っているものもあれば、出来合いの加工食品をただ皿に移し変え、出しているだけのところもあります。
 
でも代金は300円から500円ぐらいまでのところですが、しっかりと勘定に付いています。別にこちらが頼んだわけでもないのに、代金を取られるという、このお通しについて、最近では廃止に踏み切るお店も出てきて、今までの食習慣が変わろうとしているというのです。
 
元々このお通しって何だろうと調べると、本来は客が注文した品を待つ間に、酒のアテに出した気遣いの一品ということであるみたいです。あるお店の主人は「お通しはお客さんと最初の信頼関係を結ぶ大事な一品。時には採算度外視で出しています」と述べています。
 
このようなお店だけでしたら嬉しくて言うことないのですが、なかなかそうばかりではありません。でもこのお通しというものは、店側にとっては大切な収入源でもあると言っているのです。
 
メニュ-にもない物を出すだけで、300~500円の売り上げになるわけですから馬鹿にしたものではありません。分析するとお客が払う飲食代金の約10%にも相当すると言いますから、経営上の重要なシステムとも言えるわけです。
 
でもこれは店側の論理で、お客にしてみれば必要でもないものに、わざわざお金は払いたくないものです。こんなことから高級料理店でも廃止するところや、メニュ-にお通し代金を明記して客が断われば料金は取らないお店も出てきているみたいです。
 
とにかく、お通しは客が最初に出会う店の顔とも言われています。それだけに、手間を掛けて心のこもった一品であれば嬉しいものですが、おざなりの物を出すだけでは、お客のためにもやめたほうがいいのではないでしょうか。
 
それか、もしくは「お通し、必要ですか」と一声、掛けてみたらどうでしょうか。お客との信頼関係という絆を強くすることが何よりです。