会長の”三行日記”
2012.06.07
AKB総選挙 No.2223
これを書いてしまうと、ああやっぱり年寄りのひがみかと思われるかもしれませんが、私たち世代にとってはとても異常な姿に写った昨日でした。AKBの総選挙です。
もちろん私は出掛けていて、テレビで生中継されたその番組は観ませんでしたが、NHKの9時のニュ-スでも採り上げたと聞いています。まずもって異常な現象だと思うのですが、そう思うのは私だけなのでしょうか。
AKB商法と言われるこの選挙方法は、CDを買って中に入っている投票券で投票するというものらしいのですが、一人で1000枚近く買って投票券だけ抜いて後は捨てるという人間もいるみたいです。
明らかに販売者側の作戦に、まんまと乗せられていると思われるものです。でもなぜこの社会現象とまで言われるような、オリコンチャ-トを独占し、青少年ばかりでなく少女たちまでの若者を熱狂させるのか、その謎を少し探ってみました。
ある人が言うことには、偶然の人気だけではない、用意周到な戦略が組み込まれているからとのことです。1つにはメンバ-選抜の巧みな点を挙げます。彼女たちを選ぶ基準の一つはどこにでもいるような、NO.1ではない可愛い女の子だと言います。
そこに親しみやすさが生まれるからです。また次には規律の中にも、それぞれの個性を自由に発露させる雰囲気ができている点です。統一された中にある自由こそ、強烈な個性として輝くことを指摘しています。
また演説の巧みさを挙げています。ニュ-スで眺めただけですが、確かにそれぞれは自分自身の言葉で話していて、陰で作られているものを感じません。こうした生放送であっても、1つ間違えばそれでタレント生命が終わってしまうアドリブ発言など、リスクを怖れない今までにないやり方です。
それから総選挙で64位までに入ると、曲を歌える選抜メンバーになれるとのことですが、順位づけによりメンバー間の競争を煽っていることです。否応なくそれ以降の自分たちの仕事量が変わっていくからです。
まさにCDを買わされ、見事にのめりこんでいるファンばかりでなく、AKBのメンバ-もこのように見事にコントロ-ルされているとも言えるのです。恐るべき巧みな事業戦略とも言えるのではないでしょうか。
それにしても、各人が嬉し涙までこぼしながらのスピ-チで盛り上がっている傍ら、映されている同アングルの後ろに並ぶ、メンバ-の冷ややかな顔がとても印象的でした。一部の世代で盛り上がるのは誠に結構な話ですが、国全体で採り上げ大騒ぎするような話題では決してないと思うのですが...