会長の”三行日記”
2012.03.19
蔵開き No.2177
昨日の日曜日は友人のお誘いで、富士宮にある富士錦酒造の蔵開きに行ってまいりました。初めて蔵開きなるものを見させてもらいましたが、一口に言って、そのイベントの凄さと参加者の多さに驚いたものです。
元々その語源は、年の初めに、吉日を選んでその年初めて蔵を開くことやその祝いとのことで、多くは正月11日に行い、鏡餅を雑煮などにして食べたと言われています。また江戸時代、大名が米蔵を開く儀式をしたのに始まっているそうです。
ですが、こちらはお酒が無事仕込み終わったことを祝って、開催するお祭りなのです。富士山を眼前に控える、柚野の里と呼ばれるこの地域に酒蔵を構えて300年になると言います。
そうした地元に根ざした造り酒屋が300年もの長い間、やってこれたのも守り、支えてくれたこの土地があるからと、この一年、改めて故郷とは何かという想いを強く感じた年でもあったと、そのホ-ムペ-ジで語っています。
ですから、こうした地域への感謝の気持ちが人一倍大きいのでしょう。朝9時にはオ-プンとなる、このイベントも開始前から多くの人たちが並んでいるとのことです。
私たちが着いたのは9時半前だったでしょうか。既に大吟醸やしぼりたて原酒など、この日に限り特別価格で購入できる売店への列は多くの人で賑わっていました。
そんな列の横をすり抜け、受付なるところに行き簡単な記入を済ませると、記念の盃(おちょこ)を1個頂けます。この盃を持っていけばお酒の試飲ができるのです。
大吟醸酒、純米酒、本醸造酒、ワインなどと銘打った、それぞれの試飲コ-ナ-には既に多くの人たちが並んでいます。私たちもよく分からないまま、その列の後につくと、近づくにつれ大吟醸の列だったことに気づきました。
あとは既に先乗りしてくれて、場所を確保してくれていた友人たちとの酒盛りです。これも近所の農家の方々の協力があるのでしょう。田んぼの中にブル-シ-トを敷き詰めて、それぞれのパ-ティ-が小宴会を開ける場所を提供してくれているのです。
またつまみとなる、いろいろな食材も手ごろな価格で多くの売店が出て、売られているのです。今年は16回目と聞きました。ですから毎年来ている人たちにとっては、絶好の集まりの場所を提供してくれているのでしょう。ガスコンロなども持参して、よろしくやっている人たちも少なくありませんでした。
生憎、午後からは雨がちらつくようなお天気でしたが、晴れたこの時期なら絶好の春爛漫を味わえるのではないでしょうか。とにかく一酒造会社だけではなく、地域全体の協力で盛り上げていることを強く感じました。
やはりHPに記されていたとおり、故郷にある酒蔵として、私達に何が出来るのだろうか?私達が300年の時を経てなお、この土地で生かされている理由は何だろう・・・という想いをしっかりと心に持ち、常に考えているからこそ、為し得ているものと思われます。
こうして無料の試飲のお酒を何回か飲み続けたためか、すこぶる良い気持ちになってその場をあとにすることができました。でも余分なことですが、タダほど高いものはやはりないものです。多くの参加者に限らず、帰りの私たちの手にも、しっかりと何本もの購入したお酒が添えられていたものです。