会長の”三行日記”

2012.03.16

同友会福島全国経営研究集会より No.2176

先週出掛けた福島全研での総括をしたいと思います。まず何よりも感じたのは、地震・津波・原発・風評被害という4重苦、いや故郷の喪失等もありますのでそれ以上の苦難を強いられているこの地域で、同友会が頑張っているということです。
 
原発の影響があり、まさに今尚被害に直面しているとも言えるわけですが、全体会でのパネルディスカッションでは「私たちは負けない」と題し、中小企業家同友会の会員が先頭に立って、雇用を守ろう、地域を再生しよう、との強い思いで行っている、復旧復興の取り組みを聴かせていただきました。
 
報告者のお一人は被災地・いわきで建設会社を営みながら、しいたけ栽培も手懸けている方ですが、震災直後、全く情報が途絶え、ライフラインも全て止まった関係で、社員の安否が確認できた後、直ちに3月いっぱいは会社の営業を停止させたとのことです。
 
幸いにも社員で亡くなった方はいなくても、家を流されたり壊された人は少なくありません。それにもかかわらず、震災翌日には全員が会社に出てきたというのです。ですからこの社員の方々の雇用を絶対守ろうと、社長が強く考えたに違いありません。
 
それから4月13日ぐらいまでは、全くお金を使わない生活を余儀なくされていたというのです。普通であることがどれほど大事か、また社員との繋がりや信頼を実感したと言います。
 
情報が途絶えていた時期、同友会が使っているパソコンのネットワ-クサ-ビス・E-doyuが活用でき、会員の安否や緊急を要する情報などを入手できたそうです。やはりこうした緊急時には情報が大切なのでしょう。
 
とにかく大企業にはない、こういった時だからこそ、地域密着の自分に何ができるのかを考えた、ネットワ-クを駆使した地道な活動を行っていったのが地元同友会なのです。
 
ですから他の団体にはない、いち早い復旧作業の支援活動は地元の方達にも大変喜ばれたそうです。まさに大会のスロ-ガンに掲げられた「震災一年 強い絆のもと われら断じて滅びず」の言葉どおり、熱い福島の仲間の不屈な闘志と、大きな感動を存分に感じさせていただいた研修会でした。
 
最後に佐藤福島県知事が挨拶で述べられたとおり、1600名近く集まった全国からの友が、それぞれの地に戻り、福島はとても元気で頑張っているという発信をしなければいけない責任を痛感したものです。