会長の”三行日記”
2012.01.30
運命の人 No.2146
野口みずきさんが欠場した大阪国際女子マラソンですが、また新たに期待されるニュ-ヒロインが誕生しました。てんまやの重友梨佐選手です。マラソン2回目と言われましたが、2時間23分台という素晴らしい記録で堂々たる優勝です。これでまたロンドン五輪に楽しみが1つ増えました。
さて、このところ日曜日に、はまっているものが1つあります。夜9時から放送される「運命の人」という番組です。例の実際にあったと言われる、沖縄返還密約事件を描いた、山崎豊子さんの書かれた本のテレビドラマ化なのです。
山崎豊子さんの強い思いで書かれたという、この運命の人は今年返還40年と言われ、節目の年を迎えている沖縄について、巻き起こった出来事に対する疑問と怒りや、今なお現実のものとして大きな傷跡や基地返還問題などの大きな矛盾を残していることへの投げ掛けではないかと思われます。
そして昨日がその第3回目の放送だったのですが、正義を貫く新聞記者のエ-ス・弓成亮太を演じる本木雅弘さんが、とうとう国家権力の見えない大きな圧力により捕われの身となってしまったのです。
こうした記者としての仕事に没頭し、家庭を省みない主人公でも、彼に従順に仕える妻・由里子という存在と、やはり彼に特別な感情を抱き、外務省の機密文書まで渡してしまう、外務省女性事務官との間で繰り広げられる、男1人と女2人が予期せぬ運命に翻弄されていく物語です。
この従順で耐える妻の役を演じているのが松たか子さんです。これからのスト-リ-の展開はよく解りませんが、怪しげな女性事務官と夫との関係に苦しむことになる立場です。
でも内心、女としての気持ちは穏やかではないものの、新聞記者としての夫を何ら否定することなく守り抜き、従順で聡明な妻役を、松たか子さんが好演しているように思えます。
また、元外務省職員だが病気のため自宅療養中の、この女性事務官の夫を演じているのが原田泰造さんです。家計簿に妻の生理日や帰宅時間まで記入し、執拗にその監視や管理まで行う嫌らしい役を演じているのですが、なかなかの役者ぶりを発揮しているものです。
とにかく10年掛けた取材と執筆で、この作品を完成したという、作者・山崎豊子さんの熱い思いが感じられるドラマです。多くの映像化の申し込みの中、断わり続けたのですが、TBSの執念に折れたという経緯ですから期待は持てるのではないでしょうか。
それにしても山崎豊子さんという作家は凄い人ですね。ドラマ化された前回の不毛地帯、またその前の華麗なる一族も面白い作品でした。
このドラマを通じ、同じ日本国民でありながら、基地問題等、なぜ沖縄の人々だけが犠牲になり続けているのか、という大きな命題を、私たち部外者に考えさせるきっかけになればと願っています。